「銀河英雄伝説」ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツの名言・台詞をまとめていきます。
2巻 野望篇
第二章 発火点
「では非才の身ながら、お引き受けいたします。しかしながら、次の点を諸侯には承知しておいていただきたい」
「こと実戦に関するかぎり、私に全権が委ねられ、指揮系統が一元化されること」
「それにともなって、どれほど地位身分の高いかたであっても、私の命令に従っていただき、命令に背けば軍規によって処罰されるということ。これを認めていただかねばなりませんが」
「少佐、卿はまだ若いな。なるほど、ブラウンシュヴァイク公らはたしかにわしのだした条件をのんだ。しかし、それは口だけのことだ。すぐになんやかやと作戦に介入してくるだろう」
「また、軍法によって彼らを裁こうとしても、素直には従いはすまい。そのうちローエングラム侯ラインハルトよりわしのほうを憎むようになるさ」
「特権は人の精神を腐敗させる最悪の毒だ。彼ら大貴族は、何十世代にもわたって、それに浸りきっている。自分を正当化し、他人を責めることは、彼らの本能になっているのだ」
第六章 勇気と忠誠
「あまり怒るな。ブラウンシュヴァイク公は病人なのだ」「精神面のな」
「その病気を育てたのは、いつかもいったが、500年におよぶ貴族の特権の伝統だ。公爵は、むしろその被害者なのだ。100年前ならあれで通じたのだがな。不運な人だ」
第八章 黄金樹は倒れた
「おそらくこうなるだろうと想像はしていた。そして、そのとおりになってしまった。わしにできたのは、ほんのすこし、この日がくるのを延ばすことだけだったな」
「わしは40年以上も、彼ら(同盟)と戦いつづけてきた。部下を数多く殺され、同じほどに彼らも殺した。そのわしが、彼らが受け容れるだろうか」
3巻 雌伏篇
第一章 初陣
「増援なさるのであれば、緊急に、しかも最大限の兵力をもってなさるがよろしいと小官は考えます」
「……それによって敵に反撃不可能な一撃を加え、味方を収容して、すみやかに撤収するのです」
第七章 要塞対要塞
「司令官代理! 私に艦隊の指揮権を一時お貸し願いたい。もうすこし状況を楽にできると思うのですが」
第八章 帰還
「そういうことであれば、話はむずかしくない。吾々は、彼らに封じこめられたふりをすればよいのです。そして彼らが反転したとき、突出してその後背を撃つ」
「救援軍との呼吸が合えば、理想的な挟撃戦が展開できるでしょう」
「ユリアンくんには、戦艦ヒューベリオンに同乗してもらおう。艦橋にな」
4巻 策謀篇
第四章 銀河帝国正統政府
「……私はレムシャイド伯と必ずしも一致した見解を持っていません。皇帝陛下に対する忠誠心は彼に劣らぬつもりですが、私としては、陛下に一市民として波瀾のない生活を送っていただきたいと思っています」
「亡命政権などつくったところで、ローエングラム公の覇権をくつがえすことは不可能です。彼は民衆を味方にしています。彼らの支持を受けるだけのことをしているからです」
「私が理解に苦しむのは……幼い陛下を保護すべき人々が、かえって陛下を政争と戦争の渦中におこうとしているかに見えることです」
「亡命政権をつくるなら、自分たちだけでつくればよい。未だ判断力も具えておいでではない陛下を巻きこむことはないはずです」
「人間の想像力など、たかのしれたものだな。まさかこういう運命が私のために席を用意していようとは、つい一年前には考えつきもしなかった」
「だが、皇帝陛下がおわす……」
5巻 風雲篇
第七章 バーミリオン
「私はここにいても、何のお役にも立てんでしょう。伯爵閣下のためにも、皇帝陛下のおんためにも」
「むしろヤン提督に協力して、ローエングラム公を打倒することに最後の可能性を見出したいのです。閣下には、そのための行動の許可をいただきたいと思っているのですが……」
第八章 死闘
「まるでパイの皮をむくようだ。後から後から、つぎの防御陣があらわれる」
第九章 急転
「ありがたいお話です、ヤン提督。ですが、あなたが残って責任をおとりになるのに、私だけが逃亡して身の安全をはかれるとお思いですか」
「私は亡命してきたとき、あなたにすべての未来をゆだねた。そうしろと言われるなら、喜んであなたのご希望にそいましょう」
6巻 飛翔篇
第三章 訪問者
「(レンネンカンプは)優秀な、そう優秀といってよい軍人だ。上には忠実だし、部下には公平だ。だが、軍隊から一歩でも外にある風景が見えないかもしれない」
「これは予測というより願望になるが、何もおきてほしくないものだ。現在までことが多すぎたからな。それに、吾々としても準備すべきことが残っている」
「いたずらに帝国に反旗をひるがえしても、一日のあせりが二日の退歩につながることを思えば……」
「私の役割は、これらの戦力を維持し、温存して後日にそなえることだ。後日の太陽は、私ではなく、もっと若くて過去の陰翳を引きずっていない人物のために昇るだろう」
第八章 休暇は終りぬ
「彼の言うとおりだ。私には民主共和政の旗手たる資格などありはせん。なにしろ私はつい二、三年前まで専制国家の軍人として、共和国の軍隊と戦っていたのだからな」
「これがいまにして民主共和政を自らの旗幟にしては、後世から言われるだろう、何と節操のない男か、と」
「後世の評価はおくとしても、実際、ヤン提督でなくては民主共和派の将兵を糾合できぬ。それゆえ同盟政府も味方ながら彼を恐れるのだろうな……」
7巻 怒濤篇
第五章 蕩児たちの帰宅
「まさに神算鬼謀というべきだな」
8巻 乱離篇
第二章 春の嵐
「もしビッテンフェルト、ファーレンハイトの両艦隊だけでも各個撃破の対象にすることができたら、多少なりと戦力格差を縮小することがかないましょう」
「やってみる価値はあるかもしれませんな」
第五章 魔術師、還らず
「無限の未来より一夜の睡眠がほしい心境だ」
第六章 祭りの後
「わしはいままで何度か考えたことがあった」
「あのとき、リップシュタット戦役でラインハルト・フォン・ローエングラムに敗北したとき、死んでいたほうがよかったかもしれないと……」
「だが、いまはそうは思わん。60歳近くまで、わしは失敗を恐れる生きかたをしてきた」
「そうではない生きかたもあることが、ようやくわかってきたのでな、それを教えてくれた人たちに、恩なり借りなり、返さねばなるまい」
9巻 回天篇
第五章 ウルヴァシー事件
「思うに、ロイエンタールは、地位が高まり、舞台が広がるのに応じて、力量を充実させていく男です」
「リップシュタット戦役以前は、経験の差で、彼に負けるとは、私は思っていませんでしたな。当然、彼が皇帝ラインハルトにおよぶはずもないと考えていました」
「ですが、二正面作戦を避け、補給の限界を待てば、活路があるかもしれませんな」
10巻 落日篇
第二章 動乱への誘い
「巨像が薄氷を踏むようなものだ」
第七章 深紅の星路
「いまのままでも、負けない戦いをすることはできるでしょうな。帝国軍の動きは、奇妙に鈍い。後退しても、追撃をかけてはこないような印象です」
「だが、これでイゼルローンにもどっても、さらに戦力は減少して、つぎの戦いでは、現状よりもっと苦しくなるでしょうな」
第八章 美姫は血を欲す
「皇帝ラインハルトとの戦いで死ねるのだ。せっかく満足して死にかけている人間を、いまさら呼びもどさんでくれんかね。またこの先、いつこういう機会が来るかわからん」
「なに、そうなげくような人生でもあるまい。何と言ったかな、そう、伊達と酔狂で、皇帝ラインハルトと戦えたのだからな」
「卿にも苦労をかけたが、これからは自由に身を処してくれ……」
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。