「燃えよ剣(司馬遼太郎)」より土方歳三の名言まとめました

「燃えよ剣(司馬遼太郎)」より、新選組副長・土方歳三の名言をまとめていきます。

上巻

斬る

「やってみれァ、わかる。これだけは、口ではわからねえ」
「とにかく、斬られねえようにするより、斬る、ってことだ」
「一にも先、二にも先、三にも先をとる」

土方と一緒に初めて人を斬りに行く沖田総司は、どうすればいいかを問いかける。
その時に土方は先手の重要性を話していく。

奇道

「兵は奇道だ。相手の喧嘩支度の整うのを待ってから襲っては戦は五分五分になる」

七里研之助より八王子の道場で試合したいことを伝えられる。
しかしこれは仇討ちを目的としたものであり、普通に行けば殺られるだけ。
土方はここでも、相手の準備よりも先手を取ることを考える。

呼び方

「土方君、とよんでいただこう」
「そのかわり、私はあんたのことを、近藤さんとか、近藤先生、とかとよぶ」

京都・壬生に来たが、近藤勇は今でも土方のことを「歳」と軽く呼んでいる。
土方はこれからのことを考えて、呼び方から変えていこうとする。
これは近藤を首領とする秩序を作ることも狙っていた。

資金

「近藤さん、要は金だな」
「金が、古今、軍陣の土台だ。攘夷がどうだ、尊王がどうだという議論もだいじだろうが」

近藤に対して、資金の必要性を訴える土方。
個人レベルの話ではなく、数百人をまかなえる組織としての資金を狙っていた。

我流

「なに、こんな絵そらごとで人間ができるものか。私は我流でゆく、諸事」

京都に来てから近藤は書の練習を行ない、土方にもすすめる。
しかし決まったことをすることを嫌い、土方は我流でいくことを話していく。

新選組の法

「罪あるは斬る。怯懦なるは斬る。隊法を紊す者は斬る。隊の名を瀆す者は斬る」
「これ以外に、新選組を富岳(富士山)の重きにおく法はない」

隊法から外れたが、局長の一人である芹沢鴨を斬っていいのかを問いかける近藤。
しかし土方にとって、選択肢は一つしかなかった。

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士道

「士道不覚悟」
「新見先生は、士道に照鑑してはなはだ不覚悟であられた。それが、切腹の唯一の理由です」

局長の一人である新見錦を、切腹に追い込んだ土方。
芹沢に理由を問われた時、土方は唯一の理由を話していく。
それは同じ局長である芹沢に対する最後通告でもある。

(おれはどこか、片輪な人間のようだ)
(この歳三は、おそらく生涯、恋など持てぬ男だろう)
(人並なことは、考えぬことさ)

過去を、そして現在を思う土方。
自分が人並みな感性を持っていないことを自嘲する。

武士

「私はね、日本中の武士はみな腰抜けだと思っている」
「武士、武士といっても威張れたもんじゃねえという現場を、この眼で何度もみてきた」
「家禄の世襲と三百年の泰平がそうさせたのだろう」
「が、新選組だけはそうはさせぬ。真の武士に仕立てあげる」

山南敬助から、隊の刑が厳しすぎることを指摘される土方。
しかし土方の考える武士にとっては当然であり、必要なことだった。

局中法度書

「いや、いまから削っていく。これを五カ条にまでしぼってゆく」
「法は三章で足る」

「局中法度書」を考えている土方だが、その項目は50項目以上ある。
驚く沖田に対して、これから削っていくことを土方は話していく。
この後で沖田にも指摘されるが、もちろんこれは中国・漢の高祖・劉邦より引用している。

諸藩

「諸藩、頼むに足らず」

池田屋に押し入るため諸藩と協力していたが、約束の時間になっても来ていない。
その状況を見た土方は頼みにならないと判断し、近藤に決意を促す。

立場

「私はあくまで助ける」

将来的な夢として、大名になりたいことを語る近藤。
それを聞いた土方は、自分はこれからもサポートする側でいることを伝える。

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蛤御門の戦い

「京へ引きかえそう」
「かんじんの戦場に新選組がいなかった、という風聞に、おれは堪えられぬ」

蛤御門の戦いは始まるが、新選組は伏見にいて主戦場から離れていた。
急報を聞いた土方は、無理をしてでも戦場に向かうことを提案する。
しかし近藤に受け入れられることは無かった。

新選組の姿

「ちがう。おれは、新選組というものの実力を」
「会津、薩摩、長州、土州といった大藩と同格のものにしたい、とはいった」
「いまでもそのつもりでいる」

最近の近藤は、少大名のようなふるまいになってきた。
そのようにおだてたのを土方自身と話す沖田。
しかし土方の考える真の意味とは、違う方向になっていることを話していく。

仕事

「あたりめえだ。武州多摩の生れの喧嘩師歳三が、大名旗本のがらなもんか」
「おれのやりたいのは、仕事だ」

沖田から大名になりたくないのかを聞かれる土方。
しかしそんな気はさらさらなく、新選組という組織だけを考えていた。

支配者

「おれにきいたって、わかるもんか。そういうことは、新選組の支配者にきくがいい」
「隊法さ」

脱走した山南の処分について、どのようにするかを問いかける沖田。
土方は支配者という表現を使い、隊法に則ることを話していく。

副長

「おれは隊長じゃねえ。副長だ」
「副長が、すべての憎しみをかぶる。いつも隊長をいい子にしておく」
「新選組てものはね、本来、烏合の衆だ」
「ちょっと弛めれば、いつでもばらばらになるようにできているんだ」

山南や多くの隊士が、土方を怖れ憎んでいることを伝える沖田。
土方は意識的にそのようにしていることを話していく。

思想

(新選組に、思想は毒だ)

伊東甲子太郎が入隊したことにより、新選組に主義・思想が蔓延してくる。
それは近藤も同様であり、土方は苦々しさを感じてしまう。

直参

「おれはね、近藤さん、新選組を強くする以外に考えちゃいねえ」
「隊士が、直参にとりたてられたがために強くなるようなら、よろこんで請けるよ」

将軍の直参になることを伝えられた近藤は、土方にいい話として話していく。
喜ぶ近藤に対して冷ややかに考える土方は、自分の目的に叶うかどうかを判断基準にする。

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下巻

自負心

「いや、諸事自信自負心のつよいやつというのは抜かるものさ」
「自分は利口なようにおもっていても、子供だましのような手にかかってだまされる」

伊東甲子太郎を斬る策について、単純な方法を話す土方。
近藤はそれでは難しいと考えるが、土方は子供だましのようは方法だからと考える。
優秀な人間ほど三流の考えることが分からず、バカバカしく騙されることがある。

照れ

(照れ臭え、とおもえば、他人の眼からもちぐはぐにみえるだろう。そういうものだ)

江戸に向かうに対して、今までとは異なり正装し、供を引き連れることに照れる土方。
しかし道中で慣れてきて、見栄えがついて来たことを感じる。
学生服やスーツにしても最初は照れるが、すぐに慣れるもの。

節義

「いや、言葉はいけない。局中に節義を知らしめることは、没節義漢を斬ることだ」
「その一事で、みな鎮まる」

世間では幕府が大政奉還し、新選組も今までのようには行かなくなってきた。
近藤がこれからを問いかけた時、あくまで徳川家を助ける節義を変えない土方。
動揺する隊士に対して節義を求めるのも、対話ではなく今までの法を優先する。

(剣に生きる者は、ついには剣で死ぬ)

伊東甲子太郎を殺害したことにより、新選組内部で闘いが始まる。
かつての仲間が闘い死んでいく姿を見て、改めて剣に生き、そして死ぬ者を土方は頭に描く。

単純

「目的は単純であるべきである。思想は単純であるべきである」
「新選組は節義のみ生きるべきである」

沖田に刀の美しさは、単純に人を斬るためだけにあることを話す土方。
そして目的・思想、何より新選組が単純であることを望んでいた。
土方の気質が「職人」であり「プロ」であることがよく分かる。

どうなる、どうする

「どうなる、とは漢の思案ではない。婦女子のいうことだ」
「おとことは、どうする、ということ以外に思案はないぞ」

新選組の今後について、「どうなるのでしょう」と問いかける沖田。
土方はこれから「どうする」かだけを考えていることを話していく。
不安や悩みではなく、考え行動するだけが土方の全てなのかもしれない。

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男子の本懐

「なあ総司、おらァね、世の中がどうなろうとも」
「たとえ幕軍がぜんぶ敗れ、降伏して、最後の一人になろうとも、やるぜ」
「男の一生というものは」
「美しさを作るためのものだ、自分の。そう信じている」

沖田に対して、自分の選択を話す土方。
世間や利益を一切考えず、自分の信念だけで行動することを誓う。
正しいとは考えないし、なりたいとも思わないが、ここまで貫けるのはうらやましい。

地図と配置

「いや、この敵の配置は、たったいま現在のものです」
「もう一刻たてばどう変化するかわかりません。喧嘩の前には忘れますよ」

戦いを前にして、付近の精巧な地図を作り、敵の配置を書き込んでる土方。
味方指揮官に利用法を聞かれた時、忘れることを話していく。
情報は大切にしているが、理論や理屈より臨機応変をもっと大切にしている。

前線指揮

「あいつらも弾の中にいる」

戦いの指揮官であるにも関わらず、鉄砲が届く位置にいる土方。
味方に標的になることを指摘されるが、自分だけが安全な場所にいる気がないことを伝える。
両刃の剣ではあるが、だからこそ効力を発揮する。

変わらないもの

「尊氏かなんだか知らねえが、人間、万世に照らして変わらねえものがあるはずだよ」
「その変わらねえ大事なものをめざして男は生きてゆくもんだ」

近藤は足利尊氏のように、「賊名」を着ることを何よりも怖れる。
しかし土方にとって後世の賊名より、今の正しさの方が優先する。
足利尊氏は幕末では「悪」だったかもしれないが、現在では違うことを誰もが知っている。

葬式

「男というものは、葬われざる死をとげるというものだ、とおれはおもっている」

近藤は仲間の一人が立派に葬われるのを見て感心する。
しかし土方は、それを望むべきではないことを語りだす。
世間的な「立派な行動」というものに、一切の関心が無いのかもしれない。

幕あけ

「勝てるか勝てないか、やってみなければわからないよ」
「おらァもう、勝敗は考えない。ただ命のあるかぎり戦う」
「どうやらおれのおもしろい生涯が、やっと幕をあけたようだ」

鳥羽伏見で敗れ、甲州の戦いでも敗れたが、次は流山に向かうことを話す土方。
驚く周りに対して、戦い自体に面白みを感じてきたことを話し出す。

勝つ理屈

「あるでしょう。戦さというものは、学問ではありませんよ」
「勝つ理屈というものは、日本も外国もちがうもんじゃない」

官軍の鉄甲船に対して、斬り込みを提案する土方。
しかし味方は知らないとして戸惑うばかりだが、外国では例があることを知る。
関心を持つ榎本武揚に対して、土方は当然のように話していく。

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実戦の剣技

「よいか、人を斬る剣は所詮は度胸である」
「剣技はつまるところ、面の斬撃と、突き以外にない」
「ならい覚えた区々たる剣技の抹消をわすれることだ」

斬り込み前、味方に対して「人を斬る」心構えを話す土方。
新選組副長の意見は、誰もが納得するだろう。

情報

「勝つためには策が要る。策をたてるためには偵察が十分でなければならない」
「喧嘩の常法ですよ」

斬り込み前に敵の情報収集を重要視し、自ら行う土方。
艦長の甲賀源吾から池田屋の時を聞かれ、策によって上手くいったことを話し出す。

広言

「薩長は天下をとったが、二股だけはとれぬといっておいてくれ」

北海道に移っても戦い続ける土方に、司令部から状況確認が頻繁に行われる。
煩わしいと感じたのか、珍しく広言をはいて追っ払う。

籠城

「籠城というのは援軍を待つためにやるものだ。われわれは日本のどこに味方をもっている」
「この場合、軍議の余地などはない、出戦以外には」

幕軍の敗戦は濃厚となり、とりあえず籠城を選ぶ首脳部たち。
土方は意見を求められたが、単純な結論を話していく。

出撃

「おれは函館にゆく。おそらく再び五稜郭には帰るまい」
「世に生き倦きた者だけはついて来い」

既に戦いには敗れたと考える土方。
最後の突撃を開始する。

新選組副長

「降伏?」
「いま申したはずだ。新選組副長が参謀府に用がありとすれば、斬り込みにゆくだけだよ」

突撃を行う土方は、するすると敵内部に侵入する。
そのあまりにも異常な状況に、敵士官をして味方と誤認させる。
問いかけられる土方は、当然のように新選組副長として斬り込みに行くことを伝える。

函館の町

「五稜郭が滅びてもこの町は残る」
「一銭でも借りあげれば、暴虐の府だったという印象は後世まで消えまい」

幕軍では函館町民より、戦費を献金させようとした。
しかし土方は無駄であり後世の汚名を考えてやめさせる。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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