「夏草の賦(司馬遼太郎)」より長曾我部元親の名言まとめました

「夏草の賦(司馬遼太郎)」より、長曾我部元親の名言をまとめていきます。

夏草の賦(上)

国分川

「ああ、そうか。その二つさえわかっておれば土佐はおろか日本もとることもできるな」

家中の者より大将の心構えを聞いた元親。
物事を単純に捉え大きな野望を描く。

「本山がほろべば、もう天下をとったも同然だ」

土佐内のライバル関係にすぎない本山家を滅ぼせば、天下が取れると話す元親。
聞いてる者は呆れるが、周りより少しでも上に立てれば加速することを理解していた。

「そうであるべきだ。いくさはばくちではない」
「おれは単にいくさをしていた」

戦いが思うように進まない元親は、信長の戦の方法について問いかける。
「勝つべくして勝つ」という言葉を聞き、自分のやり方が間違っていたことを悟る。

「臆病者ならば信頼しうる」

幼い息子を戦場に連れていき、どんな反応をするかを確認すると話す元親。
それは自分と同じような臆病な心を持っているかを確かめたいからだった。

「しかし善根もまた武略である」

勝利したが敵一族の命を助けた元親。
周りはその優しさを評価するが、元親にとって優しさを見せるのも武略だった。

桑の実

「しかし考えてみれば、いくさに勝つということは、さほどむずかしいことではない」
「勝つ準備が敵よりまさっていればもうそれで勝てるのだ」

戦場での駆け引きより、事前の準備が大切なことを話す元親。
自身が臆病なため、不利な状況での戦はすべきでは無いと考えていた。

中村の御所

「よく知る者は、よく謀ることができる」

情報を誰よりも欲していた元親。
まず謀ることを優先し、直接的な戦闘は必要最低限に抑えていた。

かたばみの旗

だますとなれば、誠心誠意、だまさねばならない。

直接的に攻めても取れないと考えた元親は、相手をだますことを決める。
しかしだますからこそ、誠意を見せることに全力を尽くしていた。

「目的のために悪徳が必要であるとすれば、悪徳も大いに使わねばならぬ」
「なぜなら、勝つということが唯一の正義なのだ」

目的のためには手段を選ぶ気が無いことを話す元親。
それは勝つためなら、全て正義であるという考え方からだった。

覇者の道

「天の意思に善悪はない。それを善にするのが人である」

全国の地域が統一されていくのを天の意思と話す元親。
そこに善悪は存在せず、行っている人がどのようにするかだけの問題と捉えていた。

「予は戦いを好む者にあらず、統一を好む者である」

元親の四国統一に向けての動きにより、各地では激戦が繰り広げられていた。
悲劇もたくさん生まれたが、元親は統一のため必要なことを訴える。

「わしがもし京に遠からぬ土地にうまれておれば、世に覇をとなえる者は信長にあらず、わしであったかもしれない」

四国での戦いは着実に進んでいたが、信長の勢力拡大により負けたと感じる元親。
それは実力の差では無く、生まれた場所の違いに過ぎないと考えていた。

「美しくほろんでやる」

「かれはわしをほろぼそうとしている」
「わしのやった道だからだ」

信長は領土割譲だけで許す提案をするが、勝てないのを覚悟で戦うことを決める元親。
理由を問いかけられた時、自分が同じようにして相手を滅ぼしてきたことを話す。

夏草の賦(下)

運命

「そなたは敵という一面しか見ぬ。味方が見えぬのか」

息子の信親は信長が殺害された後の敵の動揺を見て、攻撃するように進言する。
しかし止めた元親は、味方が疲弊していて出来ないことを伝える。

「これが、治国の道だ」

一領具足こと農民兵から戦いを進言されたため、それをよしとする元親。
しかし兵を動かさないため不思議に思う信親が問いかけた時、人心の掌握を話す。

「殺さねば、負けるからだ」

戦による哀れを話す信親に対して、その心情を殺すように話す元親。
その心情が戦いに負ける原因になると考えていた。

天下

「大将というものは、ほうびをあたえる者をいうのだ」

秀吉から土佐一国を安堵する条件での降伏勧告が届くが、拒否を示す元親。
勝てるとは思っていなかったが土佐一国では兵士に褒美を与えることは出来なかった。

「おれが酒に痴れ、女に痴れるようなただそれだけの男にうまれておれば」
「土佐の者は幸いだったろう。人は死なず、それほどの苦労もせずにすんだ」
「いささかの志を持ったがために、かれらの死屍はるいるいと野に満ちている」

秀吉との戦いに敗北し降伏を受け入れる元親は、土佐一国のみの所領となる。
今までの犠牲が全て無駄になったため、自分のしてきたことに疑問を感じてしまう。

これから、おれは何を望み、何をして生きてゆくべきか。

これからは秀吉の臣下として生きてゆかねばならない元親。
将来的には全国制覇も目指していたため、土佐一国の存在では何の魅力も感じなかった。

のぼるときは征服するときだ。

これまでは上方に直接行くことを拒んでいた元親。
この地には征服者として足を踏み入れたいと願っていた。

「ひろい世間をみた。われらは田舎ものだ」

実際に上方に来て秀吉の存在の大きさを知る元親。
自分が田舎者で世間を知らなかったことを実感し、全てを受け入れることを決める。

若者

腹中に三百の悪徳を蔵った一つの美徳を行じよ。それが大将の道だ。

外見・行動・美徳の全てを兼ね備えている信親だが、元親は大将としての不安を感じる。
それはあまりにも悪徳が無さすぎることだった。
もし現実を変えたいのなら、正義感だけでは間違いなく潰されてしまう。

遠征

「土佐は僻地でございますが、それも物の考えようで、海ということを考えますると、世に僻地などはございませぬ」

山の上に立っている岡豊城から、海沿いの地に城を移そうと考えている元親。
以前は防御を主に考えていたが、これからは商業が主になることを話していく。

戸次川

「智恵とは、臆病心から湧くものだ」

信親に勇気はあるが臆病心が足りないことを話す元親。
智恵を働かせる能力があっても、勇を優先してしまう気質を心配する。

「無理をせぬというのが名将なのだ」
「いくさは負ければ終いなのだぞ」

薩摩軍を攻める先鋒として九州に入る元親たちだが、味方の数が不足していた。
少数でも戦いにはやる味方を見て、元親は味方の無能を嘆く。

「将の戦法に、勇敢も臆病もござらぬ」
「勇敢である、臆病であるというのはそれは槍ばたらきする武者どものことでござる」

少数での戦いに無謀を説く元親に、軍監は臆病と罵る。
しかし元親は大将の心得を説くのだが、その言葉は届かなかった。

「男は、夢のあるうちが花だな」
「その時期だけが、男であるらしい。それ以後は、ただの飯をくう道具さ」

無謀な戦いに巻き込まれ、結果として息子・信親は戦死する。
元親はなんとか生き残ったが、そこに往年の覇気は存在しなかった。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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