「蟹工船(小林多喜二)」の名言まとめました

「蟹工船(小林多喜二)」より名言をまとめていきます。

蟹工船

地獄

おい地獄さ行ぐんだで!

冒頭の言葉になります。
随分インパクトがある。こういう書き出しだと、どうしても先が気になってしまう。

人情味

人情味なんか柄でもなく持ち出して、国と国との大相撲がとれるか!

近くの船からのSOSを受けた時、船長が話したこと。
人命より結果という考え方。
領海侵犯しての作業のため余裕が無いのも事実だが、これはあまりにも酷い行動。
ただ残念ながら、自分が関わると人の命を軽く考えてしまうことがある。
多くの人が人身事故により電車が遅れた時、自分の予定が狂ったとして怒るのだから。

監獄

監獄だって、これより悪かったら、お目にかからないで!

労働条件が監獄より酷いと感じている。
普通に働きに来た人が犯罪者より条件が悪いとしたら、もうやってられない。
ただ現代でも環境によっては、そう感じてる人はいるかも?

危険

生命的だな!
やっぱり炭山と変わらないで、死ぬ思いばしないと、生きられないなんてな。
瓦斯も恐ッかねど、波もおっかねしな。

炭鉱で死ぬ思いをしたが、ここでも死ぬ思いをし、どこでも同じと感じてしまう。
この考え方は非常に危険。
どこでも同じと考えてしまうと、抜け出すという気力すら無くしてしまう。
変わらないと感じてしまうと、現状がどんなに悪くても受け入れてしまう。
「違う」ということだけは信じていたい。

覚悟

皆は死ぬことを覚悟した。
漁夫は何時でも「安々と」死ぬ覚悟をすることに「慣らされて」いた。

暴風雨に合ってしまった時の漁夫の心境になる。
危険を受け入れるならまだしも、危険に慣らされるは酷すぎる。
前者は自分の判断だが、後者は他人からの強要だからだ。
こんな環境と心境にはなりたくないものだ。

余分

ものを云うだけのぜいたくな「余分」さえ残っていなかった。

作業中に同僚が監督に殴られているが、黙っている作業員の状態になる。
最初はそうでは無い。しかしある一定を越えると、無関心になってしまう。
ブラック企業に勤めている人なら、おそらくよく分かるだろう。
ただ分かっているなら、かなり危険な状態であることも分かって欲しい。

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歴史と現在

歴史が何時でも書いているように、それはそうかも知れない気がする。
然し、彼の心の底にわだかまっているムッとした気持が、それでちっとも晴れなく思われた。

仲間の一人が、昔はもっとひどくて今はマシになっている話をする。
だからといって今が酷いことには変わらないので、気持ちが良くなることは無かった。
この手の論法を、今でもよくする人がいる。
事実かもしれないが、聞いてる人がどう思っているかは知っておいた方がいい。

遮断

内地では、黙って「殺されていない」労働者が一かたまりに固って、資本家へ反抗している。
然し「殖民地」の労働者は、そういう事情から完全に「遮断」されていた。

これを読むと「知らない」ということは、自分の環境を悪くするのがよく分かる。
知らなければ、「他も一緒」として受け入れるしか無くなる。
しかしいろいろ知っていれば、「他には違う所がある」として拒否することが出来る。
受け入れるのを否定はしないが、受け入れない選択肢があることは知って欲しい。

日本人

然し、大部分は監督にそう云われると日本人はやはり偉いんだ、という気にされた。

日本人の良い所、凄い所を話す監督。
大部分の人はその気になっているが、一部の批判的な人は違うと考えている。
現代でも日本人を褒める記事や番組は多い。
また「日本人は働き者」というアピールも多い。
「働き者」は悪くはないが、何か利用されているように感じる。

公平

公平に云って、上の人間はゴウマンで、恐ろしいことを儲けのために「平気」で謀んだ。
漁夫や船員はそれにウマウマ落ち込んで行った。

船長や監督と労働者の両方を見ている、給仕が感じたこと。
経営者は労働者を搾取してるとよく言われ、確かに事実でもあるが一つ問題がある。
それは「では経営者がそれをしなければどうなるか?」ということだ。
残念ながら自分では出来ない人が、経営者に使ってもらっているのも事実。
そして経営者の中には、使ってやってると考えている人がいるのも間違いないだろう。

死後

俺達、死んでからも、碌な目に合わないんだ...

亡くなった仲間に対して、多くの人が邪険に扱うため感じたこと。
ここでは大勢の人がいるのに、少数しか対応しなかったことによる不満となる。
ただ現代では、少数でも人に対応してもらえればマシなのかもしれない。

反抗

そんなことが「俺達に」出来るんだろうか?
然し、成る程出来るんだ。

労働条件の改善に向けて、作業員が団結を呼びかける。
最初は考えられなかったが、聞いている内にその気になっていく。
反抗する、もしくは反抗できることを知らなければ、何も出来ないし何よりしない。
しかし誰かに伝えれば、少数でも反応する人が現れる。
こういう時にはいきなり全員に話すのは無意味である。
必要なのは少数でもいいので、コアとなる人を作ること。
そして少しでも結果を出せば、飛躍的に伸びていく。

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呼びかけ

殺されたくないものは来れ!

監督たちに要求するためには、みんなの団結が必要。
それを呼びかけた言葉になる。
短くてインパクトのある言葉は、相手の心にストレートに入っていく。
現代ならさらに倒置法でも使うだろうか?

親子関係

労働者が働かねば、ビタ一文だって、金持の懐にゃ入らないんだ。

金持ちと俺達とは親と子なんだ...

お互いで成り立っているのは事実である。
しかし残念な真実もある。それは多くの場合、労働者には代わりがいることだ。
ブラック企業が成り立つ理由は、そこで働く人がいるからである。
仕方ないとして働き続ける人、知ってか知らずか入ってくる人。
もし誰もそこで働かなければ、簡単にブラック企業など無くせるのだが。

寝返り

たった一人の寝がえりものは、三百人の命を殺すということを知らなければならない。

先程の言葉の対になると考えて良い。
全員が団結しないといけない。逆に相手は一人を切り崩そうとする。
このせめぎ合いは、永遠に変わらない。

色よい返事

色よい返事だ?
この野郎、フザけるな! 生命にかけての問題なんだ!

労働者の要求に対して、色よい返事をすると話す監督。
怒った労働者が叫んだ言葉になる。
またこの時には多数で押しかけ、さらに怒りから殴っている。
怒りはよく分かる。ただこういう展開で、物事が上手くいった事例を自分は知らない。
叫ぶことで個人としてはスッキリするし、去ることで上手く行くこともある。
しかし組織を変えたい時、この方法ではまったく効果が無いことも覚えていたい。

味方

俺達には、俺達しか、味方が無えんだな。始めて分った。

結局、国家権力も入ってきて、反抗は失敗に終わる。
その時に労働者がつぶやいたこと。
残念ながら国家が労働者の味方をする事例は少ない。
なぜなら国家を運営しているのは、金持ち階級だからだ。
そして残念ながら下層の人間が国家に入った場合でも、下層の人間を助けることは少ない。

成算

本当のことを云えば、そんな先きの成算なんて、どうでもいいんだ。
死ぬか、生きるか、だからな。

いろいろ考えて、再び反抗する労働者たち。
結果よりも、まずすることを優先する。
事前に考えることは必要だが、100%のことなどあり得ない。
可能性を見つけたら、まず実行することも大切である。
また難しいと感じても、実際に行わなければ成功は訪れない。
しかし問題は守るべき存在がいる時で、行動の多くは制約される。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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