君の膵臓をたべたい(住野よる)より言葉と名言の紹介

君の膵臓をたべたい(住野よる)

 僕は偶然、病院で一冊の日記を見つけた。

 

 そこにはクラスメイトである山内桜良の秘密が綴られていた。

 

 唯一の秘密を知る僕と桜良は、その後日常を共に過ごすのだが...

 

 残酷な現実と向き合いながら、時に楽しく、そして悲しい短い物語。

彼女と僕

 

(彼女)「なんだあ、[秘密を知ってるクラスメイト]くんも私にちゃんと興味
    持ってくれてるんだねえ」
 (僕)「...そりゃあ、重病に罹ってるクラスメイトなんて興味がつきない」 
(彼女)「そういうんじゃなくて、私っていう人間には?」
 (僕)「・・・さあ」
(彼女)「なんだよそれ!」

  何気ないクラスメイトとの会話になります。

 

  余命短い彼女の問いかけに、「...さあ」は僕の性格がよく出ていますね

 

未来

 

(先生)「二人とも未来のことはきちんと考えないとね。気を抜いてると、
    私と同い年になってるかもしれないわよ」
(彼女)「うわははっ、それはないですよ!」
 (僕)「.....」 

  病気を知らない人(図書係の先生)からの何気ない一言。

 

  それに対する返事。

 

  そして沈黙。

 

  この後の作中では、細かい心の動きや想いが描かれている。

 

  こんなこと言われたら、どうしたらいいんですかね? 

 

余命少ない彼女の考え方

 

(彼女)「でも今、それをやってないじゃん。
    私も君も、もしかしたら明日死ぬかもしれないのにさ。
    そういう意味では私も君も変わんないよ、きっと。
    一日の価値は全部一緒なんだから、何をしたかの差なんかで私の
    今日の価値は変わらない。
    私は今日、楽しかったよ」

  「強い言葉」ですが何故かそう感じない。

 

  強がりとも違う。

 

  悟ったのとも違う。

 

  その時、その時に向き合っている人の言葉かな?

 

希望

 

(彼女)「どうしてもっていうなら[秘密を知ってるクラスメイト]くんに残り少ない
    私の人生の手助けをさせてあげてもいいよ」

  この言葉を実際に言われたら、どう捉えることができるだろうか?

 

  素直に相手のためを思えるか?

 

  重さに耐えられるか?

 

  正直なってみないと分からない。

 

  作中では会話が続いた後、僕の考えが続いていく。

 

  この作品は、本当に心の声が丁寧に描かれている。

 

告白

 

(彼女)「どんだけ悪趣味な奴だって思われてんの、私。
    そんなのブラックジョークにもなんないよ?
    書いてあるのは本当、私は膵臓が使えなくなって、
    あとちょっとで死にます、うん」

  病気のことが僕にバレたのを知った時、話した言葉になります。

 

  後々この重い現実に対する、軽口の意味が分かってくる。

 

  強いわけでもなく、強がっているわけでもない不思議な感じ。

 

  自分なら強がりでもこのようには言えないでしょう。

 

彼女の本心

 

(彼女)「いや、私も君以外の前では言わないよ。
    普通はひくでしょ?でも、君は凄いよ。
    もうすぐ死ぬっていうクラスメイトと普通に話せるんだもん。
    私だったら無理かもしれない。
    君が凄いから私は言いたいこといっているの」

  この「普通に話せる」や「普通に見る」ことは難しい。

 

  どうしても言葉に気を使ってしまう。

 

  よくあるのが、車椅子に乗っている人を見かけた時。

 

  やはりどうしても見てしまうし、何か手伝わなければというプレッシャーを感じる。

 

  でも逆に、自分がその立場ならどうだろうか?

 

  自分ならあまり見られたくは無いし、できるだけひとりで出来ればと考える。

 

  それでも必要な時は、協力してほしいという希望もありますが...

 

  できるだけ意識せず、それでいて必要な時に協力できるようになりたいものですね。

 

彼女の優しさ

 

(彼女)「あれは本当に私が好きで払ったんだからいいよ。
    まあコーヒーくらいは奢られてあげよう」

  この感覚、すごく好き。

 

  全て拒否するのではなく少しは受け入れる。

 

  けどこれだけは譲らない感じ。

 

  言う側も言われる側もこうありたいですね。

 

  作中この後、二人で座った時の僕の言葉はクール過ぎ...

 

興味

 

(彼女)「私は君のことに興味があるって言ってるの。
    私は興味がない人を遊びに誘ったりしない。馬鹿にしないで」

  怒った彼女の言葉になります。

 

  めったに怒らない彼女のストレートな表現。

 

  こういう語り口は結構好き。

 

  作中ではこの後、なぜか不思議な会話が続いていく。

 

堂々巡り

 

(彼女)「誤魔化さなくてもいいでしょー。
    大事なのは中身の本当のことって昨日言ったくせに」
 (僕)「大事なのは中身だから、誤魔化してもいいんだよ」
(彼女)「堂々巡りだなー」

  二人で一緒にいるところを他のクラスメイトに見られてたので、
 「偶然」と嘘を付いた後の会話になります。

 

  何かよくわからない内容ですが、テンポが良いですね。

 

  作中ではもっと色々な方面に話が飛んでいく...

 

事件

 

(彼女)「うん、私は興味あるよ、だけど普通に生きてる皆はさ、生きるとか
    死ぬとかにあんまり興味ないでしょってこと」

  隣町で起きた事件について話してる言葉になります。

 

  確かにそうですね。

 

  遠くで起きた事件より、自分の晩御飯の方が気になるのが本音ですからね。

 

彼女の想い

 

(彼女)「死に直面してよかったことといえば、それだね。
    毎日、生きてるって思って生きるようになった」
 (僕)「どんな偉い人の言葉よりも心に響く」
(彼女)「でしょ?あーあ、皆ももうすぐ死ねばいいのに」

  もし自分がこれを言われたら、うまく受け止める自信はない。

 

  おそらく、言葉を失ってしまう重い言葉ですね...

 

  実写映画でも、内面の感情をうまく表現できるといいですけどね。

 

楽しいよ

 

(彼女)「[仲良し]くんにしか話さないよ。
    君は、きっとただ一人、私に真実と日常を与えてくれる人なんじゃないかな。
    お医者さんは、真実しか与えてくれない。
    家族は、私の発言一つ一つに過剰反応して、日常を取り繕うのに必死になってる。
    友達もきっと、知ったらそうなると思う。
    君だけが真実を知りながら、私と日常をやってくれてるから、
    私は君と遊ぶのが楽しいよ」

  彼女の病気は家族と僕しか知らない真実。

 

  彼女は明るく元気に振る舞ってるけど、この言葉を聞くと自分の立場に苦しんでいる。

 

  病気や不自由を持っている人にとって、相手の普通な態度が一番いいのかもしれない。

 

  ただ病気の人を悲しく思ったり、足が不自由な人を大変そうと思うことは、人として
 こちらも普通のことかもしれないが...

 

ふたたび噛み合わない二人

 

 (僕)「僕は両親に心配をかけないように、友達がいるって嘘ついてるからさ。
    友達の家に泊まるって言うよ」
(彼女)「ひどいし、寂しいね」
 (僕)「誰も傷つかないっていってくれない?」

  相変わらず話が噛み合わない二人ですね。

 

  仲が良いのか悪いのか...

 

普通

 

(彼女)「普通の理由で普通に断んないでよ!それじゃあ本当に誘われて
    嫌みたいじゃない!」
 (僕)「心外だなぁ、まるで僕が嫌じゃないと思ってるみたいだ」
(彼女)「なんだとぅ、まあいいよ、そんなことを言いながら君は結局、私と遊ぶのに
    付き合ってくれるもんね」

  相変わらず彼女に振り回されている。

 

  僕の方はイヤイヤって感じですけど、実はその流されているのが心地良さそう。

 

  最後は諦めてますもんね。

 

物分り

 

(彼女)「お、物分りがいいね。何かあったの?」
 (僕)「君から学んだんだ。草舟は大型船に立ち向かっても意味ないって」
(彼女)「相変わらず、時々意味分かんないこと言うね君は」

  この頃には完全に諦めています。

 

  楽しそうですけど。

 

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挨拶

 

(彼女)「家族誰もいないよ」
 (僕)「...誰もいない空間に元気に挨拶する人は頭のおかしなひとだよ」
(彼女)「今のは家に挨拶したの。私を育ててくれた大切な場所だよ」

  誰も居ないことを問題にせずに、「これ?」ていう感じ。

 

  また彼女も本当にそう思ってるかは別にして、いつも住んだり使っている物に
 感謝する感覚は好きですね。

 

真実か挑戦

 

(彼女)「何して遊ぶ?真実か挑戦?」
 (僕)「本を貸してくれるんでしょ?そのために来たんだよ」
(彼女)「落ち着きなさいよ、寿命縮んで私より先に死んじゃうよ」

  家に誰もいない状態で彼女の部屋に入ってるのに、「なんなんだか」という感じ。

 

  本当ならどうやって粘ろうかを考えるところだけど...

 

ふたたび僕の混乱...

 

 知らなかった、誰かに怒りを向けることが、こんなに誰かを傷つけるなんて。
 こんなに自分を傷つけるなんて。

  彼女に対して怒りをぶつけてしまった後の僕の気持ち。

 

  今まで怒りという感情を持っていなかった、僕の戸惑いと苦しみが出ている。

 

  「こんなに自分を傷つけるなんて...」

 

選択

 

(彼女)「違うよ。偶然じゃない。
    私達は、皆、自分で選んでここに来たの。
    君と私のクラスが一緒だったのも、あの日病院にいたのも、偶然じゃない。
    運命なんかでもない。
    君が今までしてきた選択と、私が今までしてきた選択が、私達を会わせたの。
    私達は、自分の意志で出会ったんだよ」

  病気という運命に合いながら、真剣に今を生きている彼女の言葉になります。

 

  「仕方がない」とよく言いますが、全ては自分の選択の結果とすれば前向きなれる。

 

人間関係

 

(彼女)「教えたら人間関係、面白くないでしょ。
    人間は相手が自分にとって何者か分からないから、友情も恋愛も面白いんだよ」

  「相手の気持ちが分かったら楽なのに」と思うことがある。

 

  しかし相手の本心をダイレクトに分かったら、おそらく続かないだろう。

 

  多少の嘘が必要ということかな?

 

いい人

 

(彼女)「[ ?????]くんがすっごくいい人だって、皆に教えてあげたい」

  僕は無口で友達がいないタイプ。

 

  しかしきちんと付き合ってみると、良さが分かってくる。

 

  これが分からないことが多いのは、どちらの問題何でしょうね?

 

臆病

 

 だけれど僕にはその一つか二つを訊く勇気がなかった。
 僕という人間は、臆病からできあがっていると、彼女といることで気づかされる。
 勇気ある彼女を鏡としてしまう。

  入院中の彼女が少し違って見えた時の僕の想いになります。

 

  本当のことを聞くのは勇気がいる

 

  また実際に、聞いていいものか悩んでしまう...

 

生きること

 

(彼女)「生きるってのはね、きっと誰かと心を通わせること。
    そのものを指して、生きるって呼ぶんだよ」

  彼女の生きることに対する考え方。

 

  人が人である以上、ひとりでは生きていけない。

 

  家族がいるとかいないとかではなく、その「誰か」に対しての考え方は素敵ですね。

 

君のこと

 

(彼女)「教えてあげようか?何かあったのか」
 (僕)「・・・うん」
(彼女)「なーんにもないよ。ただ、君のことを考えてたの」

  様子がおかしい彼女を僕が問い詰めた後の会話になります。

 

  気軽な感じで答えている彼女と、これは彼女の本当のことではないと
 知っていながら信じたい僕。

 

  このあと少し幸せな言葉が続きますが、それは実際に読んでのお楽しみ。

 

変わっていく僕

 

 たくさん冗談を言って、たくさん笑い合い、たくさん罵倒し合って、
たくさんお互いを尊重し合った。
 まるで小学生みたいな僕らの日常が、僕は好きになってしまって、
一体どうしたことだと第三者的な僕が驚いた。

 ずっと、周りの誰にも興味を持たないと思っていたのに。
 いや、違う。興味を持たないでおこうと思っていたのに。その、僕が。
 思わず、僕は一人で笑ってしまった。そうか僕は、こんなにも変わっていたのか。
 面白くて、笑ってしまった。

  僕が自分の変化に気づいた場面を二つ続けました。

 

  彼女との待ち合わせ場所での僕の心の声になります。

 

  はじめにあれほど人を拒んでいたのに、すごい変化ですね。

 

彼女の想い

 

 私が君みたいだったら、もっと誰にも迷惑をかけず、悲しみを君や家族に
ふりまいたりすることなく、自分のためだけに、自分だけの魅力を持って、
自分の責任で生きられたんじゃないかって。

 ありがとう。17年、私は君に必要とされるのを待っていたのかもしれない。

  彼女の手記に書かれていた、僕に対する想いになります。

 

  恋愛感情とは違う、人としての気持ち。

 

  明るく元気な彼女の中にある、暗い部分を普通に受け止めている僕に対して
 憧れに近い気持ちを持っている。

 

  また「待っていたのかもしれない」とは素敵な言葉ですね。

 

  これは手記のほんの一部です。

 

  彼女の想いがつまっています。

感想

 

  読み終わった時、少し魂が抜けたようになったのを覚えています。

 

  性格が反対の二人の軽妙でありながら、常に「何か」を抱えている雰囲気の会話は
 終始心を惹かれました。

 

  また彼女の余命短い命を大切にする姿勢や、当然抱えてる不安も感じとれたので、
 本当に友達が苦しんでいる錯覚すら感じた。

 

  これは余談ですが、主人公にただただ共感しました。

 

  自分を見ているようです。

 

  ただ違うのは、こんな素敵な彼女はいないことぐらいですかね...

 

  ストーリーやラストの残酷な現実など、全てを含め素敵な作品でした。

 

  映画は見ていませんが、微妙な心の動きが書かれている本でこそ分かる箇所もある。

 

  また、ここに紹介しているのは全体の数%に過ぎず、紹介出来ていない
 多くの素敵な会話が綴られています。

 

  間違いなくおすすめできる作品です。

 

 

 

→「また同じ夢を見ていた」へ

 

 

 

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