「銀河英雄伝説」の名言まとめました

「銀河英雄伝説(田中芳樹)」より名言をまとめていきます。

宇宙暦796年、銀河では二つの国が争いを続けていた。
銀河帝国と自由惑星同盟。
その永遠とも思える争いが続く時、二人の天才が現れた。
銀河帝国には戦争の天才、ローエングラム伯ラインハルト。
自由惑星同盟には不敗の魔術師、ヤン・ウェンリー。
この二人を中心に、銀河の歴史が急速に動き出していく。
30年以上前の作品だが、今読んでも色褪せることない名作です。

スポンサーリンク

1巻

提督の嘆き

私は前面の有能な敵、後背の無能な味方、この両者と同時に闘わなくてはならなかった。

さかのぼること昔、宇宙海賊討伐を行ったウッド提督の嘆きになる。
有能な敵は仕方がない。しかし無能な味方は、なんとかして欲しい。
本当に、無能な味方は有能な敵より厄介だ。

自覚

民衆がルドルフ万歳を叫ぶ声が私の部屋にも聴こえてくる。
彼らが絞刑吏(こうけいり)に万歳を叫んだことを自覚するまで、どれほどの日数を必要とするだろう。

ルドルフとは後に銀河帝国の皇帝になった人物。
民衆に支持され皇帝になった時、民衆は喝采を送っていた。
それを懸念した言葉がこれになる。
勘違いを恐れずに書けば、民衆は民主主義を求めていない。
民衆が求めているのは、自分たちが楽に生活出来ることである。
楽に生活出来るなら、わざわざ面倒くさい選挙などしたくないのが本音である。
しかし残念ながら、その楽をしたいという気持ちは、後々自分に返ってくる。

好機

吾々は包囲の危機にあるのではない。敵を各個撃破する好機にあるのだ。

現在の状況に対して、ラインハルトが語ったこと。
具体的なことは省略するが、ものごとは見方ひとつで大きく変わってくる。
視野は広く持ちたいものである。

決意

ルドルフに可能だったことが、おれには不可能だと思うか?

ラインハルトがある事件の後、皇帝を目指すことになる。
そのことについて、親友であり盟友のキルヒアイスに問いかけたこと。
特に説明は不要だろう。

戦いの本質

要するに3,4000年前から戦いの本質というものは変化していない。
戦場に着くまでは補給が、着いてからは指揮官の質が、勝敗を左右する。

ヤンが用兵について考えていること。
戦いの多くは、数や装備によって決定する。しかし最後に必要なのは、やはり人となる。
物には限りがある。しかし人には限界がない。

固定観念

硬直した固定観念ほど危険なものはない。

世の中には常識というものがある。専門家であればあるほど、それに縛られることがある。
そして固定観念は、新しい考えを受け付けない傾向がある。
そのため専門家であればあるほど、新しい天才に太刀打ちできない。

宣言

心配するな。私の命令に従えば助かる。生還したい者は落着いて私の指示に従ってほしい。
わが部隊は現在のところ負けているが、要は最後の瞬間に勝っていればいいのだ。

敗北が濃厚である自軍に対して、ヤンが語ったこと。
これは自信もあるが、自信ありげに見せかけているだけでもある。
命令を下す者は、常に自信を持っていなければいけない。
少なくとも、自信ありげに見せなければいけない。

名将と愚将

本来、名将と愚将との間に道義上の優劣はない。
愚将が味方を100万人殺すとき、名将は敵を100万人殺す。

これを見ると、いかに戦争が救いがたいかが分かる。
そして称賛と非難は、見方の違いに過ぎない。

子供

生意気言うな、子供のくせに。子供ってのはな、おとなを喰物にして成長するものだ。

ヤンが養っているユリアンに対して語ったこと。
遠慮したことを言ったユリアン。
それに対して、ヤンは気を使わせないようにしているのだが、
立派?な大人が言うことではない?

殺し文句

君にできなければ、他の誰にも不可能だろうと考えておるよ。

ヤンの上司が無茶な命令と共に語ったこと。
このように言われれば、嬉しいとは考える。しかしとても、本気にすることは出来ない。
こんなことを言う人は、誰にでも同じことを言ってそう。

予定

予定通り事が運ぶことは、めったにありませんよ。
といって予定をたてないわけにも行きませんしね。

作戦準備中のヤンが語ったこと。
予定は未定と言われるように、なかなか決めた通りには行かないもの。
そしてそれを見越した予定を立てるのも必要なこと。
このように偉そうに言っているが、ヤンは人選が終わったら本人は何もしない。

平和

恒久平和なんて人類の歴史上なかった。だから私はそんなもの望みはしない。
だが何十年かの平和で豊かな時代は存在できた。
吾々が次の世代に何か遺産を託さなくてはならないとするなら、やはり平和が一番だ。

ヤンによる平和の考え方になる。
歴史と現代を見ると、恒久平和が人類に無かったのは実感する。
そして残念ながら、未来にも存在しないだろう。
そしてこれを語っているのが、軍人であることに注目したい。
残念ながら人類には、平和は出来るものではなく、作るものになる。

みごと

「まったくみごとだ、ローエングラム伯」
自分にはここまで徹底的にはやれない。やれば勝てるとわかっていてもやれないだろう。

ラインハルトのある作戦を見たヤンが語ったこと。
世の中には知っている人は多数いる。しかし、出来る人は少ない。
まして実際に行動し、成功を収める人はほとんどいない。

失敗

ひとつの失敗をもって多くの功績を無視なさるようでは、人心をえることはできません。

部下の失敗を叱責したラインハルト。
それに対して、盟友のキルヒアイスが諭した言葉になる。
以下に優秀な人でも失敗することはある。それをいちいち非難していてはキリがない。
本人に対してはもちろん、周りに対しての悪影響も懸念される。
もちろん失敗を許してばかりでは問題がある。
必要なのは、相手や周りが納得できる内容に抑えることである。

確認

「...おれは宇宙を手に入れることができると思うか?」
「ラインハルトさま以外の何者に、それがかないましょう」

ラインハルトの問いかけに対して、キルヒアイスが返したこと。
子供時代から親友の二人。
人を寄せ付けないラインハルトだが、キルヒアイスには本音を話している。
そしてキルヒアイスは、その全てを受け入れている。

悪辣

他人に言えるようなことじゃないよ。
まったく、人間は勝つことだけ考えていると、際限なく卑しくなるものだな。

帝国軍の内乱に対して、作戦を考えているヤン。
そのあまりにも悪辣な方法に対して、自分で呆れている。
分かるということは、ある意味不幸への道標なのかもしれない。

感想

今回取り上げるに関して改めて読んでみたが、相変わらず面白い。
古い作品だが、今読んでも変わらない面白さがある。
設定が細かかったり、登場人物が多かったり、初めて読む時は少し苦労するかもしれない。
しかし理解出来てくれば、さらに面白さは広がる。
読んでいない人なら、間違いなくおすすめしたい一冊です。

2巻

用心

用心しても、だめなときはだめさ。

自分に護衛を付けないヤンが語ったこと。
厳重な警備をしていても、ダメな時はダメなもの。
逆に前線に出ていても、不思議と大丈夫な時もある。
これは運なのか、それとも人的なものなのか?
ただ本人は、護衛はうっとうしいと思っているだけだが。

地位

地位が上がるにつれて、発想が不純になっていくのがよくわかるよ。

対外的なことを意識しているヤンが語ったこと。
地位の低いうちは自分のことだけを考えれば良い。
しかし地位が上がると、自分ではなく周りのことを考えなければならない。
それは相手が望むことを、考えて実行すること。
たとえそれが、自分の考えとは違ってもである。

形式

形式というのは必要かもしれないが、ばかばかしいことでもありますね。

帝国軍と同盟軍との調印式の場。帝国軍のキルヒアイスがヤンに語ったこと。
実質的な意味では、決まりごとは結果だけを聞けば良い。
しかしある種の決定には、形が必要な場合が多い。
たとえウソでも、みんなが賛成している形を作らないと、先に進めない。

スピーチ

皆さん、楽しくやってください。

特に名言ではないが、これはヤンのスピーチの全て。
俗に言われる、「ヤン提督の二秒スピーチ」
スピーチはするのもされるのも嫌いなヤン。
スピーチが苦手な人は、このような自分の一言で終わるのが、自分と周りにとって幸せかも?

妄言

理想を失い、腐敗の極みに達した衆愚政治を、吾々の手で浄化しなくてはならない。
これは正義の戦いであり、国家の再建に避けては通れない関門なのだ。

軍部によるクーデターのトップが語ったこと。
本人は真面目に話しているのだろうが、妄言以外の何物でもない。
民主主義ではいかなる理由があっても、力による行動はプラスにならない。
まして自分で正義を語る人間など、絶対に信用できない。

決意

そう、これこそが現実なのだ。では現実を変えなければならない。

ラインハルトが幼年時代に考えたことになる。
同盟軍とは長きに渡る戦争状態にあり、民衆の苦しみは続いているが、貴族達は自分の栄華を誇るばかりである。
この現実に対して、普通は仕方なく受け入れる。
しかし現実は、現実だからこそ変えることが出来る。
それが困難な道でも、始めなければ変わらない。

司令官

「戦わずに降伏させることを考えてみよう。そのほうが第一、楽だ」
「兵士は楽でしょうけど、司令官は苦労ですね」
「ところが、世の中の半分以上は、兵士を多く死なせる司令官ほど苦労をしていると考えるのさ」

ヤンと同居し養っているユリアンの会話になる。
人は簡単に敵が降伏した戦いを評価することはない。「簡単な戦いだった」と考えるだけ。
しかし本来は、敵を降伏に追い込んだ手腕を称えるべきである。
それに対して、激戦の末勝利した戦いを評価する。「難しい戦いを勝利に導いた」と考える。
しかしもしかしたら、簡単な戦いが混戦になっただけかもしれない。
戦いを結果だけで評価すると、ロクなことにならない。

ベターな選択

私はベストよりベターを選びたいんだ。
いまの同盟の権力がだめだってことはたしかにわかっている。
だけど、救国軍事会議とやらのスローガンを君も見たろう。
あの連中は、いまの連中よりひどいじゃないか。

現在のダメな政治家達と、クーデターを起こしたよりダメな軍人達。
このろくでもない選択を迫られた時、ヤンが考えたことになる。
ただ本人も、このろくでもない選択とは別の第3案があることを知っている。
ただその第3案を実行すると、さらにろくでもない結果が待っている。

勝算

ヤン・ウェンリー提督は、勝算のない戦いはなさいません。

未来が読めない現状に対して、民衆が勝算を聞いてきた時、ユリアンが返した言葉になる。
不敗の名将と呼ばれるヤンだからこそ、この言葉に意味は出る。
ただ勝算とは作るものであり、出来るものではない。
そのためこの言葉は、本来矛盾を含んでいる。しかし民衆は、事実よりも希望を好んでいる。
だから扇動者に簡単に乗せられてしまう。

情報

喜んでくれ、作戦が決まったぞ。どうやら勝てそうだ。

ある情報を入手した時にヤンが語ったこと。
これだけでは何で取り上げたか分からないだろう。
ここで注目したいのは、情報を手に入れた時に語ったこと。
多くの人は情報を入手した後、分析や行動を考えていく。
しかし本来情報とは、何を知りたいかを決めて調査していくものである。
今回の場合、ある確証を得たくて調査を行い、情報がそれを確定してくれた。
情報とは多ければ良いわけではないのです。

権利

かかっているものは、たかだか国家の存亡だ。
個人の自由と権利に比べれば、たいした価値のあるものじゃない。

クーデター側の艦隊との戦いに挑む時、ヤンが全員に語ったこと。
「国家の存亡はこの一戦にあり!」。このように語る将官は多い。
しかし国などは、人が生きていくための手段に過ぎない。
極端に言えば、生活が成り立てば国など要らない。
しかし、「国のために国民が犠牲になる」のが戦争の場合、普通と考えられえている。
やはり何か、焦点がズレている。

烏合の衆

要するに烏合の衆です。恐れるべき何物もありません。

貴族連合の艦隊と戦う時、キルヒアイスが語ったこと。
けっして相手を侮ったのではなく、状況分析より判断したこと。
言葉は柔らかいが、辛辣です。

特権

特権を持つ者は、それを持たない人々の全存在、全人格を容易に否定することができる。

今回の場合は貴族が民衆に対して考えたことだが、それだけに留まらない。
会社の社長は、社員の人格を否定することが出来る。
家族の長は、自分に逆らう嫁や子どもを否定することが出来る。
「否定して良い」と言っている訳ではない。
「自分を特別と考えたら、勘違いすることがある」と言っている。
もちろんそれは、悪意を持って対抗されることになる。

信念

信念で勝てるのなら、これほど楽なことはない。誰だって勝ちたいんだから。

ヤンが「信念」について考えていること。
「必勝の信念が無くて勝てるか!」。このように言う人がいる。
確かに勝ちたいという気持ちは大切である。
それが原動力になって、勝った勝負もあるだろう。
しかしそれは勝つべき作戦がまずあって、その後の精神力として活用するもの。
決して、精神力の後に作戦があるわけではない。
指揮官が精神力を頼りにしてはいけない。
それは最後のギリギリの時、始めて頼りにできるものである。

政治の腐敗

政治の腐敗とは、政治家が賄賂をとることじゃない。
それは個人の腐敗であるにすぎない。
政治家が賄賂をとってもそれを批判することが出来ない状態を政治の腐敗というんだ。

軍事クーデターのメンバーにヤンが語ったこと。
どちらも政治の腐敗であることには変わりない。
しかし大小を付けるとするならば、言うとおりだろう。
また政治家の賄賂とは、政治家同士でするものではない。
賄賂は残念ながら民衆が行う。
企業であれ、個人であれ、民衆であることには変わりない。
政治家が受け取らなければ良いのだが、人である以上ゼロには出来ない。
それを監視する、もしくは監視できる状態は確保しなければいけない。
結局政治腐敗の原因は、どこにあるのだろうか?

なんだ?

お前はいったい、おれのなんだ?

ラインハルトのある作戦の理由を、問いただしているキルヒアイス。
答えに窮したラインハルトが語ったのがこれ。
形式上は部下であっても、無二の親友には絶対に言ってはいけない言葉。
一方的な決別の言葉となる。
しかしこれが、上から目線の言葉なら割り切りがつく。
残念ながらこれは、子どもがすねたようなもの。

時代

奴らの時代は終わった。これからは、おれたちの時代なのだ。

貴族連合を破ったラインハルト軍。
そのなかのロイエンタールが、落ちぶれた貴族達を見て語ったこと。
特権を持っている人たちを言葉で説得することは出来ない。
だからといって、暴力に訴えるのは間違っている。
正式な手段を悪辣に使える、若者が出てくると面白いのだが。

覚悟

卿らも同様だ。
私を倒すだけの自信と覚悟があるなら、いつでも挑んできてかまわないぞ。

ある決断をしたラインハルト。その報告に来たロイエンタールに語ったこと。
トップは実力が合ってこそであり、実力が無ければ資格が無いと考えるラインハルト。
その自信と覚悟から、このように語っている。
しかしこれを直接言うことは、精神的におかしな状態になっている。
あの事件さえ無ければ。

感想

1巻に引き続き、怒涛の展開である。
今回は帝国軍及び同盟軍とも内部抗争が中心になる。
しかし一方は明確な目的を持ち、一方は不毛なだけの戦いである。
この明暗がハッキリ分かれている。
そして最後にシリーズ通しても重要となる、あの事件が。
銀英伝は全10巻だが、イメージとしては4部構成である。
今回で1部が終了となり、次回からラインハルトとヤンの全面対決が始まる。
読んでいない人なら、間違いなくおすすめしたい一冊です。

スポンサーリンク

関連記事&スポンサーリンク