「わたしの幸せな結婚(顎木あくみ)」の名言・台詞をまとめていきます。
わたしの幸せな結婚
序章
歓迎されていないことは、百も承知。
けれど、せめて礼儀知らずには思われたくなかった。(斎森美世)
人は見かけによらないものだ。
どんなに綺麗な外見でも、内に毒を含む者がいる。(美世)
もう後がない。
帰る家もなく、頼れる場所も人もない。(美世)
だから、いくらつらい目にあわされようと、ここでやっていくしかないのだ──。(美世)
一章
「幸次さんが謝ることではありません」
「ただ運が、悪かっただけ、ですから」(美世)
「……いいのです」
「わたしは今回のこと、別に気にしていません」(美世)
「だって、もしかしたら、嫁ぎ先で幸せになれるかもしれないのですから」(美世)
「恨んでなどいません」
「そんな気持ちは、もう忘れました」(美世)
「……坊ちゃんはいろいろと良くない噂があるようですけれど」
「本当は優しいお方なのですよ」(ゆり江)
「ですから、そう緊張する必要はありません」(ゆり江)
「……謝れとは言っていない」(久堂清霞)
「いいか」
「ここでは私の言うことに絶対に従え」(清霞)
「私が出ていけと言ったら出ていけ」
「死ねと言ったら死ね」(清霞)
「文句や反論は聞かん」(清霞)
「ふん、毒でも盛ったか」
「わかりやすいことだ」(清霞)
「こんな、何が入っているかわからないものは食えん」
「片付けておけ」(清霞)
「──次はもっと上手くやることだ」(清霞)
まったく、勤務中に女のことをあれこれ考えるなど。
我ながらたるんでいるな。(清霞)
「今のは、謝るところではない」
「お前は、息をするように謝るのだな」(清霞)
「なぜだ?」(清霞)
「謝るな」
「謝罪は、しすぎると軽くなる」(清霞)
「……と、取り乱してしまい、申し訳ありません」
「あ、あの、う、うれしくてつい涙が」(美世)
二章
「美世さま。泣くことは、悪いことではありません」
「むしろ涙を我慢して、お気持ちをため込んでしまうほうが、よほど悪いのですよ」(ゆり江)
「私への迷惑を考える必要はない」
「お前を誘ったのは他の誰でもない私だ」(清霞)
「……お前は本当に笑わない」
「いや、責めているわけではなくてだな」(清霞)
「ただ、笑っているところを少し見てみたいというか、興味があるというか」(清霞)
「旦那さまは、その、変わっていらっしゃいますね……?」(美世)
「私たちはこのままいけば結婚する仲だ」
「思ったことは何でも言え合えるほうがいいだろう」(清霞)
「私も、お前が今のように素直な言葉を口にするほうがうれしい」
「謝罪ではなく」(清霞)
でも、望んでしまった。
少しでも長く、この人と暮らしたい。(美世)
できるならば、支えたいと。(美世)
三章
誰かの喜ぶ顔を想像して何かをすることがこれほど楽しいとは知らなかった。(美世)
たとえ長くは続かないとしても、
こんな幸せな時間を味わわせてくれた清霞には感謝しかない。(美世)
「どうしたら、自信を持ってくれるのだろうな」(清霞)
「決まっています、坊ちゃん。女は、愛されて自信をつけるのですよ」(ゆり江)
「お前に出て行かれては困る」
「もう少ししたら、正式に婚約しようと思っているのだから」(清霞)
「わたし、ここにいたいです。旦那さまが許してくださるなら」(美世)
「私が、お前にここにいてほしいんだ。他の誰でもなく」(清霞)
「私たちは婚約者同士だ」
「前にも言ったはずだぞ」(清霞)
「思ったことは素直に言い合える仲になりたいと」
「もっと私に頼っていい、すがってもいい」(清霞)
「自分の感情をさらけ出して、甘えてもいいんだ」
「そうして支えあうのが夫婦だろう?」(清霞)
「だから、いくらでも泣け」
「そして涙が枯れたら、また笑ってほしい」(清霞)
「旦那さま」
「わたし、本当にずっと、このまま、あなたのそばにいても、いいのですか」(美世)
「当たり前だ」
「ここにいろ、死ぬまで」(清霞)
四章
「わたしは……わたしが、旦那さまの、久堂清霞の婚約者です」
「絶対に、譲れません!」(美世)
「お前のくだらん自慢は、もうたくさんだ」
「顔だの、才能だの、どうでもいい」(清霞)
「私がお前のような傲慢な女を選ぶことなど、天地がひっくり返ってもありえん」
「どけ」(清霞)
終章
「旦那さまがわたしのためにしてくださったことは、余計では、ありません」(美世)
最後まで読んで頂きありがとうございました。