「斜陽(太宰治)」の名言・台詞まとめました

「斜陽(太宰治)」の名言・台詞をまとめていきます。

 

斜陽

「爵位があるから、貴族だというわけにはいかないんだぜ」(直治)

 

「おむすびが、どうしておいしいのだか、知っていますか。あれはね、人間の指で握りしめて作るからですよ」(母)

 

悪漢は長生きする。綺麗なひとは早く死ぬ。(かず子)

 

ああ、お金が無くなるという事は、なんというおそろしい、みじめな、救いの無い地獄だろう。(かず子)

 

もう私たちは、何も要らない。私たちの人生は、西片町のお家を出た時に、もう終ったのだと思った。(かず子)

 

「普通の病気じゃないんです。神さまが私をいちどお殺しになって、それから昨日までの私と違う私にして、よみがえらせて下さったのだわ」(母)

 

ああ、何も一つも包みかくさず、はっきり書きたい。この山荘の安穏は、全部いつわりの見せかけに過ぎないと、私はひそかに思う時さえあるのだ。(かず子)

 

いまはもう、宮様も華族もあったものではないけれども、しかし、どうせほろびるものなら、思い切って華麗にほろびたい。(かず子)

 

「夏の花が好きなひとは、夏に死ぬっていうけれども、本当かしら」(母)

 

「他の生き物には絶対に無くて、人間にだけあるもの。それはね、ひめごと、というものよ」(かず子)

 

どうしても、もう、とても、生きておられないような心細さ。これが、あの、不安、とかいう感情なのであろうか。(かず子)

 

不良でない人間があるだろうか。(直治)

 

人間は、嘘をつく時には、必ず、まじめな顔をしているものである。この頃の、指導者たちの、あの、まじめさ。ぷ!(直治)

 

人から尊敬されようと思わぬ人たちと遊びたい。けれども、そんないい人たちは、僕と遊んでくれやしない。(直治)

 

いま思うと、私も夫も、若かったのだ。私は、恋も知らなかった。愛、さえ、わからなかった。(かず子)

 

私に、リアリズムは、ありません。こんな具合いで、生きて行けるのかしら、と思ったら、全身に寒気を感じました。(かず子)

 

私には、常識という事が、わからないんです。(かず子)

 

待つ。ああ、人間の生活には、喜んだり怒ったり悲しんだり憎んだり、いろいろの感情があるけれども、けれどもそれは人間の生活のほんの1パーセントを占めているだけの感情で、あとの99パーセントは、ただ待って暮らしているのではないでしょうか。

 

私は自分の嘘を信じようと思った。命取りなどというおそろしい言葉は、忘れようと思った。(かず子)

 

私は確信したい。人間は恋と革命のために生れて来たのだ。(かず子)

 

死んで行くひとは美しい。生きるという事。生き残るという事。それは、たいへん醜くて、血の匂いのする、きたならしい事のような気もする。(かず子)

 

私には、是非とも、戦いとらなければならぬものがあった。新しい論理。いいえ、そう言っても偽善めく。恋。それだけだ。(かず子)

 

敵。私はそう思わないけれども、しかし、この奥さまとお子さんは、いつかは私を敵と思って憎む事があるに違いないのだ。(かず子)

 

ああ、何かこの人たちは、間違っている。しかし、この人たちも、私の恋の場合と同じ様に、こうでもしなければ、生きて行かれないのかも知れない。(かず子)

 

僕は、僕という草は、この世の空気と陽の中に、生きにくいんです。生きて行くのに、どこか一つ欠けているんです。足りないんです。いままで、生きて来たのも、これでも、精一ぱいだったのです。(直治)

 

僕は下品になりました。下品な言葉づかいをするようになりました。けれども、それは半分は、いや、60パーセントは、哀れな附け焼刃でした。へたな小細工でした。(直治)

 

人間は、みな、同じものだ。これは、いったい、思想でしょうか。(直治)

 

人間は、みな、同じものだ。なんという卑屈な言葉であろう。(直治)

 

姉さん。僕には、希望の地盤が無いんです。さようなら。(直治)

 

いまの世の中で、一ばん美しいのは犠牲者です。(かず子)

 

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