「三国志」の名言まとめました

「三国志(吉川英治)」より名言をまとめていきます。

中国後漢末期、政治は乱れ黄巾賊ははびこり、民衆は苦しんでいた。
劉備・関羽・張飛の3人は桃園で義盟を結び、世を救うための誓いを立てる。

1巻

一剣の勇

一剣の勇では、百人の賊を斬ることもむずかしい。
百人の賊を斬っても、天下は救われはしないのだ。

劉備は黄巾賊に虐げられている民衆を見て、退治しようかと考える。
しかし無駄に死ぬ可能性があり、母のことを考えて止めることを決める。
またここで退治できたとしても、世の中が変わらないことも分かっていた。
勇気と無謀は違う。力なき者の勇気は、称賛どころか嘲りさえ受けてしまう。
それは加害者だけでなく、被害者でも同じである。

劉備の素性

「風に耳、水にも眼、大事は路傍では語れません」
「けれど自分は何をつつもう、漢の中山靖王劉勝の後胤で、景帝の玄孫にあたるものです」
「なにをか好んで、沓を作り蓆を織って、黄荒の末季を心なしに見ておりましょうや」

以前に助けられた張飛と再び出会う劉備は、張飛から本心を問われる。
最初ははぐらかす劉備だが張飛の心を知り、自分の素性を話していく。
空気の読めない張飛だからこそ、劉備のような人物から聞けることもある。

桃園の誓い

「まだ兵はおろか、兵器も金も一頭の馬すら持たないが、三名でも、ここで義盟を結べば、即座に一つの軍である」

「ああ、こんな吉日はない。実に愉快だ。再び天にいう。われらここにあるの三名」
「同年同月同日に生まるるを希わず、願わくば同年同月同日に死なん」

劉備・関羽・張飛は桃園で義兄弟となり、その時に関羽と張飛が話したこと。
知性のある関羽、豪快な張飛は変わらない。

賊と佞臣

「黄巾の賊はなお討つに易し。廟堂の鼠臣はついにおうも難し──か」

黄巾賊の討伐に功のあった劉備たちだが、将軍からは無下に扱われる。
その状況から関羽と張飛は不満を話す。
上がしっかりしていれば、下の乱れは正すことが出来る。
しかし上が乱れれば、正すことは難しい。
ダメな人が権力を握るのか、それとも権力を握れば人がダメになるのか?

鉄則

「皇室を重んじ、秩序をみだす賊子を討ち、民の安寧を護らんとは、われわれの初めからの鉄則である」
「官の士風や軍紀をつかさどる者に、面白からぬ人物があるからというて、官軍そのものが潰滅するのを、拱手傍観していてもよいものではない」

劉備たちは命令により別の戦場へ移動するが、途中で味方が敵に負け敗走しているのを知る。
張飛は腹立たしいので助けないことも考えるが、劉備は初志を話していく。
こういう時の判断は非常に難しい。
助けても喜ばれるとは限らず、遅いとして叱責されることすらある。
しかし助けないと、後々面倒になることも多い。
残念ながらここで大切なのは、「助けること」ではなく「助け方」になる。

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小人

「小人の小人ぶりに、いちいち腹を立てていたひには、とても大事はなせぬぞ」
「天下、小人で満ちいる時だ」

官位が無いため、董卓から無下に扱われた劉備たち。
いつものように張飛が怒っている時、関羽は諭すように話していく。
残念ながら世の中は、自分の立場によって相手の態度が変わる。
当然自分の立場が下なら、見下すような小人で溢れている。
しかし怒っても何も出来ないので、苦しくなるのは自分だけ。
難しいのは理解するが、無視するのが一番となる。

用兵

「登れそうに見える所から登ったのでは、奇襲にならない」
「誰の眼にも、登れそうに見えない場所から登るのが、用兵の策というものであろう」

敵の守りが強固のため、絶壁を登って攻撃することを提案する張飛。
難しいと考える周りに対して、登ることの意味を話していく。
当たり前のことで勝てればいいが、戦力差がなければ簡単にはいかない。
また知られていることは、対策されていると考えるべきである。
そういう点で考えれば、全員が賛成する案も当たり前のことが多い。
それが採用され成功できると考えるのだから、人の考えは昔から変わらない。

人物

「やはり世間はひろい。秀でた人物がいないではない」
「ただ、世の平静なる時は、いないように見えるだけだ」

以前に曹操を見て、今は孫堅を見た関羽と張飛が感じたこと。
人の根本的な能力が、時代で変わるとは考えにくい。
それなのに動乱になると、有能な人物が多数出ると見られている。
これは安定してる時はチャンスが無いからだろう。
日本で言えば、年功序列の時代ではチャンスを活かすことは出来なかった。
そう考えれば、今の方がチャンスは大きい。
ただし能力が無ければ、チャンスはより小さくなることを意味しているが。

曹操の思考

「我をして、天下の人に反かしむるとも、天下の人をして、我に反かしむるを休めよ──だ」

曹操は助けてくれた懇意の家族を、自分が害されると考えたため殺害してしまう。
後に勘違いを知るが、さらに出かけていた人物も殺害する。
一緒にいた陳宮が問いただした時、曹操が話した言葉になる。
優秀であり仲間思いでもある曹操だが、その判断基準が自分中心なのがよく分かる。
ただ現代的な物事で見るべきではなく、それぞれの視点によって感じ方も変わってくる。
結局、どの考え方を話しても、誰かの反対は受けてしまうだろう。

大きな仕事

「大きな仕事を手軽にやってのけるのが、大事を成す秘訣ですよ」

挙兵するために故郷に戻った曹操が、軍費の問題について父親に話したこと。
難しいからといって、難しく話した所で状況が良くなる訳では無い。
むしろ悪くなるといって間違いない。
どうせ難しいなら、簡単に話したほうが相手も簡単に考えやすくなる。

「ありがたい御意ですが、そこにお預かりおき下さい」
「ひと走り行って、華雄の首を引ッさげ帰り、お後で頂戴いたしますから」

董卓討伐の連合軍は、敵の華雄によって押されまくっていた。
関羽が討伐を願い出た時に曹操は酒を出すが、飲まずに話した言葉になる。
すぐに討伐は終わり関羽が戻ってきた時、まだ酒は温かかったという逸話。
特に意味は無いが、無名の人物には演出が必要となることは間違いない。

敗北の後

「アア我誤てり。──かりそめにも、将たる者は、死を軽んずべきではない」
「もしゆうべから暁の間に、自害していたら、この部下たちをどんなに悲しませたろう」
「戦にも、負けてみるがいい。敗れて初めて覚り得るものがある」

董卓を追撃したが待ち伏せに合い、命からがらに逃げてきた曹操。
途中で自害すら考えたが、助かって部下たちを見た後に感じたこと。
助けてくれる部下がいて、その後に話しているのだから、曹操に将器があるのは間違いない。
客観的に見ても、負けることもあるが、それ以上に勝っている。
ただ人として冷酷な一面も持っているため、好き嫌いが分かれるのであろう。

2巻

王允

「貂嬋。おまえに礼をほどこしたのではない。漢の天下を救ってくれる天人を拝したのだ」
「...貂嬋よ、世のために、おまえは生命をすててくれるか」

美貌の養女・貂嬋を使って、董卓と呂布の仲を裂く策略を考えている王允。
その貂嬋に対して頓首再拝し、その意味を話していく。
美人として生まれてくれば、普通に考えればプラスとなる。
しかし美人であるゆえの問題も発生する。どちらが幸せなのだろうか?

貂嬋

「いたします」
「もし、仕損じたら、わたしは、笑って白刃の中に死にます」
「世々ふたたび人間の身をうけては生れてきません」

王允から策略を聞かされた貂嬋は、自分にしか出来ないこととして受けることを決める。
失敗すればもちろんだが、成功してもその先は無い策略。
養父及び周りの人のためとはいえ、苛烈な世界である。

許し

「なるほど、不届きな呂布です。──けれど大師」
「天下へ君臨なさる大望のためには、そうした小人の、少しの罪は」
「笑っておゆるしになる寛度もなければなりません」

董卓に贈られたが、呂布と密会する貂嬋。
その光景を見て激怒する董卓に、李儒が意見したこと。
バカバカしく思っていても、相手の否定から入ると通じる話も通じない。
まず相手の意見を正しいとした後、自分の意見を言っている点に注目したい。

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臣下

「貴様は我が張子房である」
「ウーム、古の悪来にも劣らない男だ」
「これだこれだ。そちはまさに当世の樊噲だ。樊噲の化身を見るようだ」

臣下を得た時に、それぞれ曹操が語ったこと。
最初から、荀彧、典韋、許褚であり、過去の名臣を例えに出している。
しかし見方を変えれば、そんな名臣を使っている自分を例えてるのかもしれない。

退路

「引っ返す道はありません。ここの門が幽明の境です」
「てまえが先に駆け抜けて通りますから、すぐ後からお続きなさい」

敵の策略によりピンチに陥る曹操。
弱気になる曹操は戻ろうとするが、典韋は前にこそ活路を見つけて切り開いていく。
敵の策略に掛かってしまう場合、一刻も早く逃げるのは正しい。
しかし逃げることも想定している敵なら、より状況が悪くなる。
策略を恐れて何もしないのも問題のため、勝利するということは難しい。

誠実

「通じる通じないは人さまざまで是非もない。わたしはただわしの真心に奉じるのみだ」

呂布に呼ばれたが、関羽と張飛は危険として断ることを提案する。
しかし劉備は、相手に関わらず誠実と真心を持って接したいことを語っていく。
結果として助かっているからいいようにとらえるが、当然その逆もある。
ただ受けても断ってもいろいろ問題があるのが、この結論の難しい所になる。

説得

「人生は百年に足らず、汚名は千載を待つも取返しはつきませんぞ」
「良禽は木を選んで棲むというのに」

敵の武将・徐晃を寝返らせたいと考える曹操。
臣下の満寵が徐晃を訪ねた時に話したこと。
相手が上の人に心服していれば難しいが、不満をいだいていれば言葉は通りやすい。
相手がこちらの上に興味を持っていれば、さらに容易となる。

二虎競食の計

「そんな常套手段では、むしろ玄徳に利せられるおそれがあります」
「それがしの考えているのは、二虎競食の計という策略です」

呂布と劉備の動きを止めるため、交友関係を結ぶことを話す曹操。
しかし荀彧は2人を争わせることで動きを封じ、上手く行けば戦力を減らす策略を話す。

駆虎呑狼の計

「駆虎呑狼の計です」
「十中八九までは大丈夫です。──なぜならば、玄徳の性質の弱点をついておりますからな」

前回の二虎競食の計が失敗した後、次の策として荀彧が提案したこと。
帝の命令として劉備を領地から遠ざけ、呂布に襲わせる策略。
劉備は呂布の危険を考えても、帝からの命令なら断れない。
分かっていても対策を立てるのが難しい点が、この策略の悪辣さになる。

蛟龍の淵

「身を屈して、分を守り、天の時を待つ。──蛟龍の淵にひそむは昇らんがためである」

呂布により苦境に陥るが、その呂布から助けるような提案をされる劉備。
卑屈ともいえる提案を受けて小沛の田舎城に移動するが、内心では大望を秘めていた。
出来るのなら強気もいいが、出来ない時の強気は無謀である。
漢の将軍として有名な韓信も、「股くぐり」の屈辱を選んだため大成している。
本当の大望があるなら、卑屈も屈辱も受け入れられるのかもしれない。

玉璽

「いかに大事な品であろうと、この孫策は、一箇の小筐の中になど大志は寄せぬ」
「わが大望は天地に持つ」

失地を回復したいと考える孫策だが、袁術の元にいて兵士を有していない。
兵士を借りることは出来ないと話す臣下に対して、玉璽を使って借りることを話していく。
物を惜しんで行動に出れない人がいる。
しかし本当に必要であり大切な行動なら、物など所詮は物に過ぎない。
もちろん物に限らないが、本質は見誤りたくない。

賢人

「権力をもってのぞんでもだめだし、財物を山と運んでも動くまい、人生意気に感ず」

孫策は江東にいる2人の賢人の話を周瑜より聞く。
招くための方法を問いかけた時、周瑜は孫策本人が伺い真心を見せることの必要を説く。
自分が欲深いと、相手も欲深いと考えて失敗してしまう。
必要なのは相手に合わせた対応となる。

太史慈

「なに、帰って来るさ。彼は信義の士だ」
「そう見たからこそ、予は彼の生命を惜しんだので」
「もし信義なく、帰って来ないような人間だったら、再び見ないでも惜しいことはない」

敵の武将・太史慈を捕らえたが、太史慈の進言を信じた孫策は解放する。
唖然とし問いかける臣下に対して、孫策は自分の考えを話していく。
もちろん太史慈は帰ってきて、これかの孫策にとって大きな力となる。
孫策は甘い人物では無いため、これは太史慈だから信じたこと。
もし人を信じると決めたなら、とことんまで信じないといけない。
ただ楽だからといって信じているのは、単なる放漫に過ぎない。

信望

「一人の劉備を怖れて、将来の患いを除くために、四海の信望を失うなどは」
「下の下策というもので、私は絶対に賛成できません」

曹操の元に劉備が頼って来たため、将来のために排除が好ましいと進言する荀彧。
しかし郭嘉は信義を重視し、反対の姿勢を示す。
結果から考えると、どちらが正しかったのかは分からない。
しかし危険だからといって排除ばかりしていては、際限が無くなってしまうのも事実。
やはり結果でしか判断できないだろう。

3巻

梅の林

「もうすこしだ! この山を越えると、梅の林がある」
「疾く参って梅林の木陰に憩い、思うさま梅の実をとれ。梅の実をたたき落して喰え」

張繡討伐に向かう曹操軍だが、水が足りなくなり兵士が疲弊していた。
何とか持ちこたえさせたい曹操は、梅の実をイメージさせ喉の渇きを忘れさせる。
名言というより、有名な故事のためピックアップしている。

美点

「もうよせ。そうこの身の美点ばかり聞かせると、予も袁紹になるおそれがある」

臣下の郭嘉は曹操と袁紹を比較し、曹操の方が10個の美点があることを話していく。
しかし途中で止めさせた曹操は、自分が袁紹のようになってしまうことを指摘する。
この言葉は言う方にも言われる方にも、聞くべき点がある。

眼球

「これは父の精、母の血液。どこも捨てる場所がない。あら、もったいなや」

曹操軍の夏候惇は敵の矢で眼を撃ち抜かれるが、引き抜いた時に眼球が出てしまう。
それを見た夏候惇は叫んだ後、自分の眼球を食べてしまった。
何ともはや、苛烈なことで。

英雄

「君と、予とだ」
「今、天下の英雄たり得るものは大言ではないが、予と足下の二人しかあるまい」

現代の英雄について語る曹操と劉備。
劉備が話す英雄をことごとく否定する曹操だが、最後に自分たち2人だと話す。
これは見方を変えれば、一方が亡くなれば英雄は1人になるということでもある。

原則

「義兵は勝ち、驕兵はかならず敗る。誰もが知る戦の原則です」

袁紹軍は曹操との決戦を協議する時、審配は戦うべきことを主張する。
しかし沮授は「自己の驕慢」と話し、今では無いことを語っていく。
正しい意見かも知れないが、自軍を「驕兵」として受け入れられることは少ない。

敵の虚

「足下は、一を知って二を知りたまわず」
「敵を軽んずるのと、敵の虚を知るのとは、わけがちがう」

曹操軍は袁紹との決戦を協議する時、孔融は袁紹の強大さを指摘して軽んじないように話す。
しかし荀彧は、袁紹軍の強大さは見かけだけであるとして反論する。

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出陣

「予は戦うであろう! 議事は終わりとする。はや出陣の準備につけ!」

孔融と荀彧の意見を聞いた曹操。
速やかに断を下し、出陣の指示を出す。
いろいろ問題もあるが、この判断力と決断力は曹操の魅力である。

選ぶ道

「不信の末はかならず非業に終るし、信ならんとすれば、またこうなる」
「世に選ぶ道というものは難しい!」

劉表は韓嵩に曹操の調査を依頼するが、韓嵩は結果として自分が苦境に陥ると指摘する。
実際に曹操にもてなされ自身も評価した報告をすると、劉表から疑われ投獄されてしまう。
どのように選んでも上手くいかなかった結果を嘆いている。
このような理不尽は、過去も現代も変わらない。

大道

「主上を奉じて人望を従う大順こそ、あなたの運命をひらく大道でもあります」
「他人に先んじられぬうちに早く決行なさい」

少し過去にさかのぼり、曹操に対して帝を確保することの重要性を荀彧が指摘する。
群雄割拠の時代でも、やはり大義名分に意味はある。

条件

「いまは劉皇叔の消息も知れぬが、一朝お行方の知れた時は」
「関羽は一日とて、曹操のもとに晏如と留まっておるものではござらん」
「千里万里もおろか、お暇も告げず、直ちに、故主のもとへ立ち帰り申すであろう」

曹操軍に包囲されるが降伏は選ばない関羽。
しかし張遼の説得により、3つの条件を受け入れれば降伏する意思を示す。
降伏する相手は曹操ではなく漢朝であること、劉備の親族の安全を確保すること。
そして最後がこれである。

戯言なし

「決して、広言ではない証拠をいますぐお見せしましょう」
「軍中に戯言なしです」

袁紹軍の顔良が猛威をふるい、苦戦する曹操軍。
関羽は自分なら勝利できることを伝えるが、曹操より広言と言われてしまう。
その言葉を聞いた関羽は、証拠を見せるとして戦いに向かいあっさり勝利する。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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