「銀河英雄伝説」フレデリカ・グリーンヒルの名言・台詞をまとめていきます。
2巻 野望篇
第七章 誰がための勝利
「一時間、いえ、二時間だけいただけますか。わたしは、自分が立ちなおれることを知っていますけど、でも、いますぐはだめです。ですから……」
3巻 雌伏篇
第五章 査問会
「軍法会議には該当いたしません。国家機密保護法には、査問会なるものの規定はございませんし、したがって、その内情を公開したところで、犯罪を構成することはありえません」
「どうしてもヤン提督の人権を無視して秘密の査問会を強行なさるのでしたら、こちらも可能なかぎりの手段をとらせていただきます」
第六章 武器なき戦い
「政府は民主主義のたてまえを公然と踏みにじることはできません。いざというとき、武器に使えると思います」
4巻 策謀篇
第七章 駐在武官ミンツ少尉
「ヤン提督はそのころ中尉でね、黒ベレーも板につかなくて、いかにも駆け出しという感じだったわ」
「わたしはつくづく思ったの。こんなに頼りなげで、とっぽい感じで、軍服姿のままソファーで眠って、朝起きたら顔も洗わず、ひとりごとを言いながらバターもつけないパンをかじるような男の人、わたしが好きになってあげなきゃ、誰も好きになってくれないだろうって……」
「わたしは英雄だの名将だのを好きになったのじゃないのよ。でも、ひょっとしたら、天才的な先物買いの才能があったのかもしれないわね」
「いえ、ヤン・ウェンリーは変わらないわ。変わるのは周囲であって、あの人自身はすこしもね」
5巻 風雲篇
第二章 ヤン提督の箱舟隊
「あれでも一所懸命にやってるのよ。何もしない人たちがとやかく言う資格はないわ」
第七章 バーミリオン
「はい。11年間の時間を、ようやくとりもどせたような気がしますわ」
第九章 急転
「わたしにはわかりません。あなたのなさることが正しいのかどうか」
「でも、わたしにわかっていることがあります。あなたのなさることが、わたしはどうしようもなく好きだということです」
6巻 飛翔篇
第五章 混乱、錯乱、惑乱
「そういつも、いつまでも、おとなしく言いなりになっていると思ったら、大まちがいよ。一方的になぐりつづけていても、いつか手が痛くなるわ。見ていてごらんなさい」
第七章 コンバット・プレイ
「あら、ありがとうございます。でも、わたしは独占されたいと思ってるんですけど」
「あの人の軍服です。結局、あの人にはどんな礼服よりもこれが似あうと思って……」
「わたし、後悔もしてないし、あなたに対して怒ってもいません」
「結婚してからたった二ヶ月たらずだったけど、それは楽しかったし、これからもあなたといるかぎり、退屈な人生を送らないですみそうですもの」
「どうか期待させてくださいね、あなた」
8巻 乱離篇
第五章 魔術師、還らず
「気をつけていってらしてね。あ、ちょっと、髪が乱れてるわ」
「だめです、宇宙で二番めの美男子にお会いになるんだから」
第六章 祭りの後
「あの人はね、こんな死にかたをする人じゃないのよ。あの人にはあの人らしい死にかたがあったのに」
……戦乱が一世紀以上も過去のことになった平和な時代、ひとりの老人が生きている。
かつては名声を有した軍人だったというが、それを実見した証人たちもすくなくなり、当人も誇らしげに武勲を語ることはない。
若い家族たちに七割の愛情と三割の粗略さで遇されながら、年金生活を送っている。
サンルームに大きな揺り椅子を置いて、食事に呼ばれないかぎり、まるで椅子の一部になってしまったように静かに本を読んでいる。毎日毎日、時がとまったように。
ある日、外で遊んでいた孫娘が、サンルームの入口からなかにボールを放りこんでしまう。ボールは老人の足もとに転々とする。
いつもは緩慢な動作でボールをひろってくれる祖父が、孫の声を無視したように動かない。
駆けよってボールをひろいあげた孫娘は、下方から祖父の顔を覗きこんで苦情を言いかけ、説明しがたい何かを感じる。
「お祖父ちゃん……?」返答はなく、老人は眠りに落ちたような顔を、陽光が斜めから照らしている。孫娘はボールを抱いたまま、居間へ駆けこんで大声で報告する。
「パパ、ママ、お祖父ちゃんが変なの!」その声が遠ざかっていくなかで、老人はなお揺り椅子にすわっている。永遠の静謐さが老人の顔を潮のように満たしはじめる……。
そんな死にかたこそがヤン・ウェンリーにはふさわしい。
「あたりまえよ、ユリアン、ヤン・ウェンリーみたいなことは誰にもできないわ」
「いえ、(才能ではなく)個性の差よ、ユリアン。あなたはあなたにしかできないことをやればいい。ヤン・ウェンリーの模倣をすることはないわ」
「歴史上にヤン・ウェンリーがただひとりしかいないのと同様、ユリアン・ミンツもただひとりなのだから」
「わたしはあの人と12年間つきあったわ。最初の8年間は単にファンとして、つぎの3年間は副官として、つぎの1年間は妻として」
「そしてこれから、未亡人としての何年か何十年間かがはじまる」
「月日を自分で培わねばならないとしたら、わたしはあの人の築いた土台に、埃以外のものを1ミリでもいいから積みあげたいわ」
9巻 回天篇
「生きかえっていらっしゃい。自然の法則に反したって、一度だけなら、赦してあげる。そうなったら、今度は、わたしが死ぬまでは死なせてあげないから」
「わたしは、たしかにあなたを失いました。でも、最初からあなたがいなかったことに比べたら、わたしはずっと幸福です」
「あなたは何百万人もの人を殺したかもしれないけど、すくなくともわたしだけは幸福にしてくださったのよ」
10巻 落日篇
第九章 黄金獅子旗に光なし
「ありがとう、あなた、わたしの人生を豊かにしてくださって」
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。