「ホームズシリーズ」ジェームズ・モリアーティ教授の名言・台詞をまとめていきます。
回想のシャーロック・ホームズ
最期の事件
「きみは思いのほか前頭葉が発達していないみたいだね。部屋着のポケットのなかで、装塡した銃の引き金に指をかけたままでいるなんて、習慣としても危険きわまりない」
「どうやらわたしという人間を知らないようだね?」
「わたしの言い分なら、先刻承知のはずだ」
「あくまでも邪魔をする気か?」
「一月の四日、きみはわたしの邪魔をしてくれた。同月二十三日には、またしてもわたしを妨害」
「二月なかばには、きみのおかげでとんでもない迷惑をこうむり、さらに三月末には、計画を完全に狂わされた」
「そしていま、四月も終わり近くなって、気づいてみると、きみの絶えざる迫害によって、一身の自由を失う寸前まで追いつめられている」
「まことに由々しい状況になりつつあると言わねばならんのだよ」
「すぐに手をひきたまえ、ホームズ君。実際、ひくべきだということは自分でもよくわかっているはずだ」
「きみほどの知性の主なら、この結果はひとつしかありえないぐらいのことはわかるだろう。それを避けるには、きみが手をひくしかないのだ」
「きみがやりすぎたせいなのだよ──われわれが最後の手段をとらねばならぬところまできてしまったのは」
「きみがこの問題と取り組むようすを見ているのは、わたしとしてもひとつの知的な楽しみだったし、だからこそ、きみの出かた次第で非常手段にも訴えねばならんというのは、まことにつらいし、悲しいことでもある」
「ほう、笑っているね──しかし、あらためて言わせてもらうが、こちらはあくまで本気なのだぞ」
「これは危険などというものではない。避けられない破滅なのだ」
「きみはひとりわたし個人のみでなく、ひとつの強大な組織の邪魔をしている──あいにく、それだけの明敏な頭脳を持ちながら、その組織の力がどれほどのものか、いまひとつ認識しきれていないようだがね」
「妨害はやめたまえ、ホームズ君。さもないと、容赦なくわれわれの足に踏みにじられるのがおちだぞ」
「やれやれ、残念だが、こちらとしてもできるかぎりのことはしたんだ。きみの手のうちはすっかり読めている。月曜日までは、きみもなにひとつ手出しはできん」
「これはきみとわたしとの決闘なんだよ、ホームズ君。きみはわたしを被告人席に立たせたがっている。だがあいにくこっちには、そうされるつもりはこれっぽっちもない」
「きみはわたしをたたきつぶしたがっている。だがあいにくこっちは、きみにたたきつぶされるのなんかまっぴらだ」
「かりにきみによほどの才覚があって、このわたしに破滅をもたらすようなことでもあれば、こちらもきみにおなじ運命を背負わせてやると、ここではっきり言っておく」
「そのあとのほうなら、きっとそうすると約束するが、もうひとつのほうは、さて、どうなるかな」
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