「子産(宮城谷昌光)」の名言まとめました

「子産(宮城谷昌光)」より、子産の名言をまとめていきます。

子産(上)

巻一 天才の季節

「大成する者は、ことごとく凶運から発し、晩年に幸運をつかんでおります」

父親の子国は戦場での幸運に恵まれていると聞く子産。
礼と徳を重要と考えているため、幸運を先に使い果たすことに不安を感じる。

巻六 弑逆

「ひとつの事件にひとつのわけしかないと考えるほうがおかしい」

予想していた展開とは違う結果になり、子国は理由が分からなかった。
子産はこちらの思惑とは異なる思惑は、あらゆることに存在するのを話していく。

「そうなろう。いまの世は、まごころがない」

政治や戦争の全てが、うわべの駆け引きになっていることを知る子産。
世の中にまごころが無いことをつぶやく。

「国費のむだづかいは、民を苦しめる」
「普君にはそれがわからず、楚王はわかっていながらどうすることもできない」
「わが君は、どうかな」

無駄な戦争が繰り返されることについて、普君と楚王の資質を分析する子産。
さらに自国の君主を見極めようとする。

巻七 司馬の職

「はい、賀辞は申します。が、祝辞は申しません」

司馬の重職を任命された子国に、賀(過去)は祝うが祝(未来)は祝わないことを話す子産。
司馬になれたことは喜ぶが、今の司馬の職がいかに危ういかを理解していた。

巻十 永訣の時

「目にみえる敵より、目に見えない敵のほうが数倍恐ろしい」
「父上が幸せなのは、いままで目にみえる敵ばかりを相手にしてきたということだ」

国内の政争に巻き込まれる子国。
子産は戦場での勇者である父親を評価するが、政争での駆け引きに難があると感じていた。

「小国にとって、文徳もないのに武功があるのは、最大の禍です」

大きな戦果を挙げ喜んでいる子国だが、子産は分を超えたものと考える。
文徳の無い今の鄭国に武功があるのは禍を招くと指摘する。

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子産(下)

巻十一 独裁者

「君の一言は地の神の一言でもあり、何人もとりけすわけにはいかぬのです」
「君の一言はそれほど重く、その一言が人民を生かしもし、殺しもするがゆえに、一言を宣べられるまえに万全の思慮が要るのです」

君主・簡公は戦いを許可するが、子産は敗北を予言する。
簡公は命令を撤回したいが、一度許可したことは取り消せないことを子産は語っていく。

巻十二 貴門の明暗

「衆の怒りは犯し難く、欲を専らにするはなり難し」
「二難を合わせてもって国を安んじるは、危きの道なり」

執政は自分の要求を満たすための命令書を作るが、民衆は怒りを感じていた。
それでも強硬しようとするため、子産は危ういことを話していく。

巻十三 大夫の時代

人を許すとは、むずかしいことだ。

人は怒りを持ちながら相手を許すのは難しい。
さらに何事も許せば上手くいくとは限らないことが難しさを助長する。

巻十四 仇敵

「徳に輔けられるのも徳であり、徳を輔けさせるのも徳です」

国を治める基本は「徳」と考えている子産。
簡公に徳の奥深さを語っていく。

巻十五 政変

「軽と驕をいましめることが、それです」

用兵の要訣を聞かれた子産。
軽く考えたり驕らないことが大切なのを語っていく。

巻十六 廟堂の器

「徳あらばすなわち楽しむ。楽しまばすなわち能く久し」

大国・普の宰相に徳が無いことを直言する子産。
徳を持つことで楽しむことができ、楽しむことで永続できることを話していく。

「あなたのおかげでわれわれが生きている、と人にいわせるようになさい」
「われわれの財をさらって生きている、と人にいわせてよいでしょうか」
「象は牙があるため、殺されてしまう。財をもっているからです」

普は小国から搾取していることを話す子産。
奪わないことが長続きの秘訣であると語っていく。

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巻十七 草の思い

しょせん、われわれの思考は矩形にとらわれているのか。

囲われた城内ではなく解き放たれた城外で初めて、能力を発揮する人物と話す子産。
多くの人の思考は何かにとらわれていることを感じる。

「鄭の民はよく耐えてきたし、いまも耐えている」
「民は父祖の忍耐をおしえられて育ち、生きることは忍耐することだ、となかばあきらめている」
「この国には、希望がなさすぎる」

大国・普と楚に挟まれる小国として、耐えるしかない日々を過ごしてきたことを話す子産。
今は希望が無さすぎるとし、希望ある未来を思い描く。

「政治は農作業のようなものだ」
「日夜、それについて考え、最初に心をくばり、最後に完成する」

本来、政治とは地味なものであり、本当に民のことを考えれば自身への実りも少ない。
善を行えば楽しみ少なく利益も少し、悪を行えば楽しみ大きく利益も大きい。
残念ながら本当に民を思う政治家など、少なくて当たり前なのかもしれない。

巻十九 宰相の席

「ほんとうの公平とは、峻烈なものです。正義を樹てるより、むずかしい」

平等は優しいだけでも可能だが、公平は優しさと共に厳しさも必要になる。
人に恨まれることも多くなり、本当に公平を実現するのは難しい。

「欲をなくすのはじつにむずかしい」
「まず大を安定させ、それからどうなるかを、見守ることにしたい」

宰相になる子産は、いきなり有力者に邑を贈ることを決める。
批判された時、小利を与えて安定させることを選んだと話していく。

巻二十 礼の宇宙

人々の批判こそ、わたしの師である。

民のことを考えた施策を実行する子産だが、厳しいため批判が噴出する。
批判の封殺を提案されるが、子産は批判を聞くことの大切さを語っていく。

「思い通りにならぬからといって無理におしつけてなりません」
「人が望むことを望んでおこなえば、成らぬことはひとつもありません」

大国・楚の霊王は天下に号令を下したいと考えていた。
問いかけられた子産は、人が望んでいることを考えるように話していく。

「人はたれでも死ぬ。凶人は天命をまっとうすることはできぬ。凶事をなすから凶人という」
「わたしが天を助けずに、凶人を助けるとおもうか」

叛乱を起こした人物だが、余命が短いとして助命を嘆願する。
しかし子産は凶人として受け付けず自裁を命じる。

「どうして害があろう。もしも社稷に利があれば、わたしの生死などはとるに足らぬ」
「善をなす者は、いちどきめた制度を改めず、それゆえ成功する、といわれている」
「民を甘やかしてはならず、制度を改めてはならぬ。わたしは変更しない」

君主の利益を上げて力を回復させるため、民の税を増やす改革を行う子産。
多くの非難を浴びるが国の安定を第一とし、自身の危険を無視して変えることはしない。
民のことを常に考える子産だが、甘やかすことが良い結果を生むとは考えていなかった。

「政治をおこなうには、真意に反して人民に媚ることをせねばならぬときがある」
「媚なければ、信じてもらえず、信じてもらえなければ、民は従ってくれぬ」

理不尽と考える人事を行ったため、理由を問われる子産。
正しいか正しくないか以前に、民の理解を得る必要もあることを話していく。

「徳のある者だけが寛大なやりかたで民を服従させることができる。次善のやりかたは、猛しくすることである」
「火は烈しいので、民は遠くから眺めて畏れる。それゆえ、焼死するものは鮮い」
「ところが水は懦弱であるから、民はそれに狎れて翫ぶ。すると水死者が多くでる」
「であるから、寛大な政治はむずかしいのだ」

次の宰相となる人物に対して子産が伝えたこと。
厳しいのは次善の方法と言いながらも、寛容な政治が難しいことを知っていた。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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