「階段島シリーズ(河野裕)」真辺由宇の名言・台詞をまとめていきます。
いなくなれ、群青
「名前の問題じゃありません。私は心で納得できないことは嫌です」
「納得いかないな」「たとえば、壁がないことだよ」
「閉じ込められていたとしても、壁があったらそれを壊せばいいじゃない。でもここには壁がない」
「まずはルールの方を変えないと、どうしようもない。困っている人を順番に助けて回っても、根本的な問題は解決しない」
「感情的な問題を、冷静に解決しても仕方ないじゃない」
「でもあの子は、泣いていたんだよ。窓ガラスとか、叱られるとかが、それよりも重要なことかな」
「できるだけ気をつける。もし忘れていたら、君が思い出させてくれればいい」
「きみと別れるのが悲しいわけじゃない。それはもちろん悲しいことだけど、そういうんじゃない。たぶん私は、思っていたよりもずっと、きみのことを理解していなかったんだと思う」
「約束しよう、七草。私たちはまたここで会うの」
「いつでもいい。来月でもいいし、100年後でもいい」
「私の方は約束だと思ってる。いつかきみの気が変わったら、いつでも本当の約束になるでしょ?」
「手を握っていればいいなら、私はそうするよ。ケーキを買ってくればいいなら、私はそうする」
「でも悲しいと泣くのは当たり前なんだから、無理やりに涙を止めても意味がないよ。目的がすり替わっている。一番根っこをどうにかしないと」
「七草のことは、結構知ってるよ。秘密主義だし、平気で嘘をついて誤魔化すし、たまに意地悪だし、無駄に好き嫌いとか隠そうとするし、全体的に素直じゃない」
「それに、とっても優しい」
「普通にものが見えて、普通に耳が聞こえていたら、きみに感謝していないわけないじゃない」
「きみが独りで苦労しているのを、私は絶対、許さない」
「こんなの理想論でもなんでもない。ただ当たり前のことだよ」
「なにかを捨てて進むのが成長だとは、認めたくない」
「約束しよう、七草」
「私たちは必ず、また出会うんだよ」
その白さえ嘘だとしても
「でも、どうしようもないことなんて、それほどないと思う。一人じゃ難しいことだって、相談してみたら解決するかも」
「あんまり、常識っていう言葉に納得したことはないよ。わかりやすくリストになってるわけでもないし」
「人に合わせてばかりだと、自分にできることがわからなくなるよ」
「だってみんな嘘なら、もっとクリスマスっぽい話にするでしょ。まったく無関係な噂が混じってるのは、それが真実だからかもしれないよ」
「私にもあるよ、マニュアルみたいなもの。足を踏み出すタイミングっていうか、そういうの。私はたぶん馬鹿だから、とりあえず信じることに決めている」
「嘘は見破られた方が、楽だよ。そりゃ、一時は苦しいかもしれないけど、放っておいたらずっと苦しいままだから」
「帽子に、本物とか偽物とかないと思うけど」
「本物のサンタクロースがかぶっていれば、それが本物だよ」
「笑うわけがないじゃないですか」
「あんなにも傷ついた顔で、それでもここに来た彼をみて、一体だれが笑えるっていうんですか」
「ルールは守らないといけないと、私も思う。本来なら」
「でもどうしようもない事情があればやっぱり、例外も認められるべきだよ。世の中で起こることは、みんなルールブックに書いてしまえるほど単純じゃないから」
汚れた赤を恋と呼ぶんだ
「嫌いじゃないけど。毎日放課後に同じことするのって、上手く想像できないよ」
「そんなのどうだっていいことだよ。偶然か、そうじゃないかなんて、どっちでも」
「ねぇ、七草。私はきみを傷つけたことなんて、一度もないと思ってたんだよ。それが大間違いだったなら、私はこれまで、なにもかも間違えていたのかもしれない」
「私は変わらないといけないんだと思う。間違いは正す必要があるよ」
「秘密にするって約束したから、私が勝手に喋ってしまうわけにはいかない。それに私自身の意思でも、できれば答えたくない」
「七草が秘密だと言うなら、私は訊かない」
「何度もありがとうって言ったつもりだけど、それを100倍にしても足りないくらい、私はきみに感謝している」
「目にみえるどれを選んでも後悔するかもしれないけれど、でも、それならみえないところに正解があるのだと思う」
「本当に、信頼している。きみは約束を守ってくれる、という意味ではなくて、もっと強く。もし七草が約束を破るなら、きっとそうした方が正しいんだろうと思う」
「約束を破るのは、間違ってるから。だから満点ではないけど、でもただ守っているよりは正しいこともあると思う」
「目標は考えて作るものだよ。でも理想は考える前に生まれているものだよ。たまにみつけるのに時間がかかるけど、頭の中で作るものじゃない」
「あの子はなにを尋ねても、大丈夫だっていうの。さすがに私にだって、嘘だとわかった。だからできるだけ、信用できる友達になろうとした」
「ねぇ、七草。そんなことはどうでもいい。あとで考えるよ。小さな子がいなくなったなら、私は全力で捜す」
「七草。きみがいたからだよ。きみはいつも私の先回りをして、間違えていたならそれを正してくれた。だから私は間違いを怖れる必要がなかった」
「私はどんな問題でも、世界中の人がそれを問題だと知っていれば、必ず解決できると信じている」
「今思えば、私の時間は、二年前の夏に止まって、またそれを動かすには、あの公園できみに会うしかなかったっていうことなのかもしれない」
「大地はあんなにも優しいんだよ。あんなにも優しい子が泣いているんだよ。だとすれば、あの子のほかの、なにかが間違っているんだよ」
凶器は壊れた黒の叫び
優しさにはたったひとつだけ問題がある。それは一歩目を踏み出さないことだ。だって優しい人は、誰かを傷つけることを怖れているから。
泣いている人がいたなら、まず味方になるべきなのだ。そこから始めるべきなのだ。一歩目は鈍感でいい。
「でもね、私は諦めることが、非情だとは思わないよ」
「うん、そうかもしれない。大地が泣くことになるかもしれない。でも泣いたあとで、もっと幸せになればいい」
「他人の人生を勝手に切り取って、本来よりも手前にゴールを置いてしまうのは、未来を奪うのと同じだよ」
「もし本心じゃなくても、優しいことを喋れるのは、優しい視点を持ってるからだよ」
「とても優しいけれど、そこを誤魔化しちゃいけない。捨てられる私と捨てる私は、痛くても真剣に争わないといけない。その痛みも、私なんだよ」
「できるならきみのまま、私から目を逸らさないでいて欲しい。私の声が届くところにきみがいて、きみの声が届くところに私がいる。それが大切なんだよ」
ルールが神さまであってはならない。だってルールは、ルール自体の正しさを保証しない。
「私は、名言集なんかいらない。普通の言葉がたくさんあればいいよ」
「やっぱり私は、秘密が嫌い」
「七草のことは好きだよ。大好きだよ。私には恋愛がよくわからないけれど、これが恋なのかもしれない」
「でも、なにか優先順位が違う気がする」
「もちろん悲しいよ。でも悲しいのは、受け入れるべきことだよ」
よりよい答えを得るためには、対立する意見はぶつかり合うべきだ。ぶつかって生まれる問題よりも、無理にぶつからないように縛りつけて生まれる問題の方が危険だ。
「解決できない問題なんてない。まだ解決方法がみつかっていない問題があるだけだよ」
「私は、幸福だと思います。夢というのは、幸せを手に入れるための方法のひとつでしかないんだと思います」
「私に反論する權利があるなら、私は階段島のすべてを肯定できます」
「恋愛を理由に、なにかが決まって欲しくない。もっと純粋であって欲しい」
「言葉にするのが難しいな。でも、いちばんしっくりくるのは、尊敬かな。だから彼の恋人になるのは、嬉しいことでもあるけれど、なんだかもったいない」
「私も大好きだよ。大切なものに順番をつけたくないけれど、無理につけるなら、やっぱりきみが最初なんだと思う」
「苦しくても続けるのは、悪いことじゃない。素晴らしいと思う。でも苦しいまま続けるのは間違っている」
「だから、いいんだよ。順番に、合わない意見を確認していくんだよ。互いに相手の問題をみつけて、丁寧に話し合えば、とても良い答えがみつかるかもしれないよ」
夜空の呪いに色はない
私は言葉をみつけなければならない。ナイフのように鋭くなくていい、ただ、素直な言葉を。
私は現実になにを求めているのだろう?
わからないなら、尋ねればいい。
「私はこれから言うことを、きみに否定されたいのかもしれない」
「できるだけ、きみに頼らないようにしたいのかな」
「なんでも、悩んでいたいよ。本当はなんにもできなくても、できることを探していたいよ。どこかでこれでいいって決めたら、それで満足しちゃいそうだから」
「なにかできるはずだ、って言っていたいんだ、私は」
「なんにもできないことを、証明する方法をまだ知らないから。そんなに頭がいいわけじゃないんだから、わからないことまで、わかった気になりたくないんだ」
これは悩むべきことじゃない。
解決を目指せないのだから。問題とさえ呼べないのだから。もっと意味のあることを考えるべきだ。
「きっと貴女は、優しくて。ただ優しいだけで、相手を信頼していないんでしょう? この島も同じだよ。私たちを信頼していないから、本当に大切なことを隠している」
「けっきょく貴女は、自分が傷つきたくないだけなんだよ。責任を負いたくないから、いろんな言い訳を並べて、なにも決めないだけなんだ」
「みんな、我慢ばかりしている」
「でも、我慢だけで解決することなんか、ないんだよ」
「私は貴方に、我慢を止めさせてみせる」
「ぜったい貴方を泣かせてやる」
「本当に変わりたければ、捨てちゃいけないんだよ」
「それでも、私は決めるよ。進むべきだと思った方へ進むよ」
「それが正しいと、信じているから。怖くても苦しくても、立ち止まってしまうよりは意味があると信じているから」
「私は目を逸らしているわけじゃない。反対だよ。進むほかに、それを直視する方法はない。少なくとも、私は知らない」
「諦める言い訳に、優しさを使わないで」
「ただうつむいて、その誰かを待っているのは、決して優しさじゃない」
「必ずどちらかが正しいわけでもないし、そもそも、正しいというのがどういう意味なのかもわからないから」
「たぶん私は、独裁者になりたいんだろうな」
私は彼を、信頼しているのだ。ほかの言葉では言い表わせない。
今は世界が、シンプルに見える。
「人と人との関係は、みんな勝手なんだよ。近づくのも、離れるのも」
きみの世界に、青が鳴る
「でも、今も幸せな方がいいよ。いつだって我慢しない方がいい。なのに今は苦しいのを受け入れるなら、やっぱり諦めているんだと思う」
「どこかで足を止めるのだって、正しいのかもしれない」
「ううん。真実っていうのは、勝手に出てくるものだよ」
「貴方が死んだことが、正しかったはずがないから。貴方の言葉は嘘です」
「けっきょく、現実はなにも変わらないまま、楽しい夢をみればいいって言ってるように聞こえる」
「矛盾なんて、存在しない」
「この世界のどこにも、矛盾なんてないんだよ。矛盾にみえるものならあるけれど、それはどこかで間違っている」
「私はまったく賢くないけれど、でも、ひとつだけ知ってるよ」
「正解がないなんて考えるのは、全部間違いだよ。ただの思い込みで、無意味だよ」
「私はなんて無力なんだろう、と毎晩思ったよ。でもそれを受け入れ続けてきた。その日を諦めて、翌朝に期待し続けてきた」
「私ひとりでみつけられるものよりも、きみとふたりでみつけたものの方に、価値があるに決まってる。だから、無敵だよ」
「私の絶望を作るなんて、簡単だよ。魔法もいらない。なんにもいらない。ただきみがいなくなればよかったんだ」
正解がわかっている問題に答えるのは、思い切りだけあればできる。でもちょっと問題が難しくなると、私には言葉をみつけられない。
「世界がみんなきみみたいなら、私はきみになりたかったよ」
「私はきっと、きみとの思い出だけで、どこまでだっていけるよ。きみがこの世界のどこかにいるだけで、なんにも捨てずに進める」
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。