「ローマ人の物語」よりユリウス・カエサルの名言まとめました

「ローマ人の物語(塩野七生)」より、ユリウス・カエサルの名言をまとめていきます。
ジュリアス・シーザーとも呼ばれている。

ローマ人の物語Ⅳ ルビコン以前

第四章 青年後期

「アレクサンドロスが世界を制覇した齢になったのに」
「自分は何ひとつやっていないではないか」

ジブラルタル海峡に近いガデスに寄るカエサルは、アレクサンドロス大王像の前に立つ。
そして自分はまだ何もしていないことを考えてしまう。

「理性に重きを置けば、頭脳が主人になる」
「だが、感情が支配するようになれば、決定を下すのは感性で、理性のたち入るすきはなくなる」

「普通の人にとっての怒りっぽさは権力者にとっては傲慢になり残虐になるのである」

「元老院議員諸君、われわれの祖先は、勇敢でありつつも分別を忘れなかった」
「拒絶するよりも、模倣するほうを選んだのだった」

反ローマの勢力に加わっていた5人に対して、どのように処分するかが話されていた。
処刑の方向で話は進むが、カエサルは財産没収の上での追放が好ましいことを熱弁する。
しかし結果は処刑となり、さらに会議後にカエサルは人々から暴行を受けてしまう。

「カエサルの妻たる者は、疑われることさえもあってはならない」

男が侵入したことを知るカエサルは、妻ポンペイアと離婚する。
明確な証拠は無いことを問われた時、カエサルはこのように答える。

第五章 壮年前期 ガリア戦役一年目

「ガリアは、そのすべてをふくめて、三つに分かれる」
「第一は、ベルギー人の住む地方、第二は、アキテーヌ人の住む地方」
「第三は、彼らの呼び方ならばケルト、われわれの呼び名ならば、ガリア人が住む地方である」

カエサルが書いた「ガリア戦記」の書き出し。
前置きも導入部もなく、いきなり本題に入っていることを著者は評価している。

「もしも彼が狂気に駆られてわれわれに戦いを挑んできたとしても」
「お前たちはなぜ怖れねばならないのか」
「なぜ、お前たちの勇敢さとわたしの思慮に、疑いをいだかねばならないのか」

「戦いに勝つには、不屈の意志こそが最上の武器であることは明らかだろう」

「今ここで言う。明日の夜、第四歩哨時に入るや、わたしは宿営地を引き払う」
「お前たちの心の中で、恥入る想いと義務感が勝つか」
「それとも恐怖が勝つかを知るためでもある」

ゲルマン民族との戦いを前にして、パニック状態になるローマ軍。
カエサルは味方を鼓舞する演説を行なう。

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ガリア戦役二年目

「わたしが敵を許すのは、その敵に許される資格があるからではなく」
「それがわたしのやり方であるからだ」

籠城している敵に対して、大型兵器で城を攻めようとするローマ軍。
敵は武装を解除しないでの降伏を申し出るが、カエサルは武装解除こそ条件とする。

「わたしの許で幸運をつかめると思うなら、送ってくるのを遠慮しないでくれたまえ」

キケロから若者を紹介することの連絡を受けるカエサル。
広大なガリアを統治するためには多数の事務官僚が必要のため、受け入れることを伝える。

ガリア戦役三年目

「ローマ人の使用人になるよりも」
「祖先から受け継いだ自由をもちつづけるほうを選んだからである」

ガリア西部の諸部族はローマに戦いを挑むことで一致する。
その現状に対して、カエサルはこのように書いている。

ガリア戦役七年目

「だが、わたしが、お前たちの命よりも自分の栄光を重く見たとしたら」
「指揮官としては失格なのだ」

要塞化さらたブールジュの町の攻略を実行するカエサルだが、困難が予想された。
中止を打診するが兵士たちはやる気を見せたため、カエサルは改めて問いかけていく。

「今日こそ、長くつらかった日々の実を収穫する日になる」

朝から激しい雨が降る日こそ、ブールジュへの総攻撃の好機と判断したカエサル。
兵士たちに今日が勝利の日になることを明言する。

「わたしはお前たちに、勇気と誇り高い精神を望むと同じくらいに」
「謙虚さと規律正しい振舞いを望む」

進むにしても退くにしても、兵士たちが勝手に判断したことを叱責するカエサル。
ただ勇敢さを称賛もし、最後にこの言葉で締めくくる。

「ヴェルチンジェトリックスは、自ら進んで捕らわれの身になった」

勝利したカエサルは、敵の指導者ヴェルチンジェトリックスを迎える。
ガリア戦記では、この言葉のみで記している。

ルビコン以前

「ここを超えれば、人間世界の悲惨。超えなければ、わが破滅」
「進もう、神々の待つところへ、われわれを侮辱した敵の待つところへ」
「賽は投げられた!」

ルビコン川を前にして、すぐには渡らないカエサル。
しばらくして振り返り、幕僚そして兵士に伝え叫ぶ。

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ローマ人の物語Ⅴ ルビコン以後

第六章 壮年後期

「自分はスッラではない」

ルビコンを超え、わずか二ヶ月でイタリア半島を掌握するカエサル。
しかし自分はスッラとは違い、敵対する人達に対しても寛容であることを伝える。

「もしもあなた方がこのわたしの要請をしりぞけるならば」
「この重荷を投げ出すようなことはわたしはしない。国政は、わたし一人でもやっていく」

元老院でルビコンを超えたこと、その後も会話を望んでいたことを話すカエサル。
あくまめ求めたのは権利と主張し、それを認めないことは許さなかった。

「武器の時代は、法の時代とはちがう」
「わたしの行為がきみの意に沿わないとしても、今は黙っていたまえ」
「戦時は、自由に何でも発言することを許さない」

資金に不足するカエサルだが、神殿の国庫には残っていることを知る。
護民官は立ちふさがるが、戦時として意見を退ける。

「お若いの、きみにもわかっているとおり、わたしにとってはそのようなことは」
「やらせるほうが言うよりもよほど労が少なくてすむのだ」

護民官は鍵が無いとして再び抗議するが、カエサルにそのような策を聞く気は無い。
護民官を脅し、実際に手を下す方が簡単なことを話していく。

「もはや、行軍速度の競争であった」

戦いの主導権を握るため、山地を目指すカエサル軍。
敵も同じことを考えているため、単純明快に結論づける。

「とはいえわたしは、この期におよんでも勝者の権利は行使しない」

「わたしの側からの条件は、軍勢はスペイン属州から出て解散する、の一事しかない」
「これが実現するならば、誰であろうとその者の命にはふれない」

敵より圧倒的優位に立つカエサルは、敵将及び敵兵に対して訴える。
それは勝者の権利を行使して、無益な殺害は行わないことだった。

「わたしが自由にした人々が再びわたしに剣を向けることになるとしても」
「そのようなことには心をわずらわせたくない」
「何ものにもましてわたしが自分自身に課しているのは、自らの考えに忠実に生きることである」

「だから、他の人々も、そうあって当然と思っている」

新秩序を確立するため戦いを選んだカエサルだが、敵も同じローマ人のため被害は抑えたい。
そのため許した人々が再び裏切っても仕方ないと、割り切った考えを持っていた。

「刑の執行は延期する」
「諸君の顔を次の集結地のブリンディシで見出すかどうかは、諸君しだいである」

カエサルにとって信頼の厚い軍団が、従軍拒否のストライキを起こす。
それは敵対ではなく要求に過ぎなかったが、カエサルは強い態度を取る。
驚いた軍団側はストライキを止めたが、それでもカエサルは執行を延期するに留めた。

「彼の若さ、彼の勇気、それまでの戦闘での勝利、そして」
「任務をより忠実に果そうとした責任感とカエサルから軍をまかされたことへの強い自覚が」
「彼をして早まった判断をくださせたのであった」

カエサル軍の司令官クリオは作戦の不備により敗北し、自身は戦死する。
かなり大きな敗北であり状況も不利になるが、カエサルがクリオを非難することは無かった。

「彼のくだした決断は、非難されるべきものではないとわたしは思う」
「なぜなら、軍団長の任務は、最高司令官のそれとはちがうからである」
「前者の任務は指示された戦術を実行することにあるが」
「後者の責務は、戦術を考え、それを実施するに必要な諸事全般を整え」
「その後で実行者に指令を与えることにあるからである」

砦を守る兵士は敵を撃退した後に追撃するが、指揮官スッラは認めない。
兵士は勝利を逃したとして激昂するが、カエサルは違う見方をしてスッラを擁護する。

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「運命がすべてわれわれの望むとおりになってくれなかったとしても」
「われわれのほうが運命に、そうなるよう助けの手をのばしてやらねばならない」

敗北し撤退するカエサルは兵士たちに対して、今までの幸運を語りかける。
今回が不運であったしても神への感謝を忘れず、自分たちこそ手を伸ばすべきと訴える。

「とはいえ、今日の不運の責任は、他のあらゆることに帰すことはできても」
「わたしに帰すことだけはできない」

神への感謝を告げた後、今回の失敗は自分ではなく兵士たちにあることを明言するカエサル。
反感が出てもおかしくないが、今回は兵士が自分たちの恥を実感する。
この結果は、「何をした」より「誰がした」の方が大きいだろう。

「勝利か敗北かは、おまえたちの勇気一つにかかっている」

秘策を実行するため、敵の騎兵七千に対して歩兵二千で踏み留まることを要求するカエサル。
そして兵士には、能力ではなく勇気を訴える。

「今こそ、移動ではなく、戦闘だけを考えるときである」

敵軍の動きを見たカエサルは、自軍が有利な状況にあるのを知る。
兵士に対して明確な指示を出し、二度と恵まれない好機であることを訴える。

「わたしの推測では、ポンペイウスは」
「戦場に出されたときに兵士たちの胸にわきあがってくる戦闘意欲や感情的な衝動のような自然な気分の高まりを考えに容れないで」

「この戦法をとったのではないかと思われる」

戦いの開始に伴って進むカエサル軍、待ち受けるポンペイウス軍の構図になる。
疲労を考慮したポンペイウスに対して、カエサルは気持ちを優先する。

「指揮官のいない軍勢を攻めに行く」
「軍勢をもたない指揮官を攻めに行く」

前者はポンペイウスのいないスペインに向かう時に兵士に訴えたこと。
後者はポンペイウスがいるギリシアに向かう時に兵士に訴えたこと。
このことより著者はカエサルがポンペイウスを評価していたと判断している。

「アレクサンドリアで、ポンペイウスの死を知った」

敗北し逃げたポンペイウスはアレクサンドリアで殺害される。
同じくアレクサンドリアに着いたカエサルは、その死を知りこの一言のみを記す。

「来た、見た、勝った」

小アジアに来たカエサルは、ポントスの王ファルナケスと戦い勝利する。
その戦果の報告として元老院に届けたのがこの言葉となる。

「諸君は死罪に値することをくり返すのでも有名だが」
「そのたびに、輝かしい業績を遺した祖先に免じて許されるのでも有名だ」

ポンペイウス側に着いたアテネ市民に対して、罪は問わないことを話すカエサル。
しかし皮肉を言うことも忘れなかった。

「文章は、用いる言葉の選択で決まる」

過去にカエサルが書き残した言葉。どこで使ったのかは分からない。

「わたしは王ではない。カエサルである」

事実上の帝政を実現したカエサルは群衆から「王」と呼ばれる。
しかしカエサルはこのように答えた。

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第六章 三月十五日

「あの青年が求めているものが何であるかはわからなかったが」
「何であれ強烈に求めているということだけはわかった」

カエサル暗殺の首謀者マルクス・ブルータス。
以前の演説を聞いた時にカエサルが評したこと。

「ブルータス、お前もか」

カエサルが暗殺された時に話したと言われる言葉。
著者はこのブルータスを首謀者のマルクスではなく、元幕僚のデキウスのことと考えている。

「人間ならば誰にでも、すべてが見えるわけではない」
「多くの人は、自分が見たいと欲することしか見ていない」

カエサルが「内乱記」の中に記した言葉。

「どれほど悪い結果に終わったことでも」
「それがはじめられたそもそもの動機は善意によるものであった」

生前のカエサルが話したこととして紹介されている。
悪法を作った人も、本人は良かれと思っていることがある。だからこそ人の話を聞かない。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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ローマ人の物語Ⅳ ユリウス・カエサル-ルビコン以前
ローマ人の物語Ⅴ ユリウス・カエサル-ルビコン以後

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