「豊臣秀長(堺屋太一)」より、秀吉の弟で名補佐役・豊臣秀長の名言・台詞をまとめていきます。
(作中ではいろいろと名前を変えていくが、ここでは「豊臣秀長」で統一する)
上巻
「素手の摑み合いなど戦さの用に立たんわ。これで俺を斬ってみろ」
「梢が高こう茂れば根も深こう拡がらにゃなるまい」
「決まっている。兄者が秀吉なら、俺はその一字を頂き、丹羽様から一字を頂く」
(当初は丹羽長秀を上とし「長秀」と名乗るが、同じのため後に「秀長」に改名する)
「俺は、一人では大した武将にはなれん。どうせ補佐役なら兄のそれになり、生涯主役になろうとは望まぬことだ」
「当然や。兄者がやるなら仕方がない」
「よし、ここは一つ、半兵衛を大いに立ててやろう。大事の前の小事じゃわい」
「なんの、俺は兄者の弟じゃからなあ」
「これが織田家の風にゃろが」
下巻
「時の流れとはこんなもんか」
「ここで俺まで騒いでは羽柴の弱さを見透され、ますますまずくなるわ」
「家中の安定を得るにはいかにあるべきか」
「真偽いずれとも考えられまするが、とに角、事は重大。まずは毛利その他に漏れぬようにするのが第一でございましょう」
「やくたいもないことをいう奴。自分の知恵を売り物にする軽はずみな男。自己顕示欲の強い策謀家」
「左様、官兵衛殿の申される通り、何はともあれ仇討ちでございまする。秀勝様をして御父・信長様の仇、惟任日向守光秀殿を討ち取って頂かねばなりませぬ。これができぬようでは、わが殿も御養父としての立場がありませぬぞ」
(信長の死が天下を取るチャンスと話す黒田官兵衛、そして秀吉に)
「退かせよ。俺の陣で防ぐ」
「阿呆なことを申すな。今、跳び出しては総崩れになるわ。ここで防げばよいことよ」
「だから、そなた参られよ。存分に手柄になされい。俺は秀吉の実の弟。第一の補佐役じゃもん。今、戦さ手柄など立てては目立ち過ぎるわ」
「それができるのは俺だけだなあ」
「兄者と俺は一つじゃ。どちらが勝っても羽柴の勝ち、兄者が勝って俺が負けることはないのよ」
「何事も何事もこのようであるから心安くなされ。うちうちのことは利休に、おおやけのことはこの小一郎に申されよ」
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