「竜馬がゆく」より坂本竜馬(龍馬)の名言まとめました

「竜馬がゆく(司馬遼太郎)」より、坂本竜馬(龍馬)の名言をまとめていきます。
(「竜馬」と「龍馬」がありますが、ここでは作品通り「竜馬」で統一しています)

1巻

学問

「学問のほうで、そっぽをむいている」
「縁がない、ということさ」

操船についてすぐ要領を得た竜馬は、教えていた舵取に学問ができそうと言われた。
しかし学問自体には興味が無いことを話す竜馬。
竜馬は学問的な細かいことに興味を示さず、大枠を把握することを重視している。

取り柄

「事情をきこう。ことわっておくが、わしが人にほめられているたった一つの取り柄は、口がかたいということだ」

道で斬りかかられた竜馬は相手を取り押さえたが、その相手は知っている岡田以蔵。
そのため事情を聞こうとした時、まず他言しないことを示す。
口がかたいことを話す人物で、口がかたい人は少数の気がするが?

商才

「こうとわかっておれば古道具屋でもやっておくのだったなあ」

黒船が来襲し、甲冑や刀槍の値段が急騰した。
それを見ていた竜馬は儲けそこなったと感じ、商才の一端を見せる。

黒船

「その前に、黒船というやつに乗って動かしてみたい」
「ペリーというアメリカの豪傑がうらやましいよ」
「たった四隻の軍艦をひきいて、日本中をふるえあがらせているんだからなあ」

黒船が来襲し、誰もが倒す方法を考えるか、それとも右往左往するだけ。
その中で竜馬は、黒船を動かすことに興味を持つ。
敵で合っても、相手の良い所を吸収するのは必要なこと。

命がけ

「あたりまえです。わしは船がすきだから好きなものを見にゆくのに命を賭けてもよい」

黒船に乗り込み実際に見たいと考えた竜馬だが、見つかれば切腹もの。
それでも「好き」という理由だけで、実行したいと考える。
好ましい考え方だが、最悪の結果もあり得るので判断は難しい。

よき友

「なるほど外夷が来るような時代になると、長州も土州もない。いまにそういう時代がくる」
「きっと天下に風雲がまきおこるだろう」
「そのとき頼むべきは、よき友だけだ。男子、よき友は拝跪してでも求めねばならない」

ある偶然により桂小五郎と出会った竜馬。
これからの時代を見越して、桂との友誼を求める。
「藩」の壁がある時代に、「人」を見ることは簡単なようで難しい。

眠り

「眠っちょりませぬ。この坂本竜馬だけは、たったいま眼をさまされた」
「もっとも眼をさましてもなにも見えちょりませぬ。しかしわしの眼もいずれ見えるじゃろ」

桂小五郎に土佐が眠ってると言われた竜馬。
しかし自分は「今」眼を覚ましたことを話す。
実質的なことは別にして、このようなことをさらっと言えるのが竜馬の魅力になる。

泥棒

「驚くことはありませんよ。盗賊とはいえ、あそこまで長い年期が入ると、人間に妙な底光りがしてきて、四書五経をなまっかじりしている駈けだしの儒者などより、ずっと人間も話もおもしろい」

来ていた人物について竜馬に尋ねると、「泥棒」と言われて驚くさな子。
しかしその人物の良さを話し、身分や職業にこだわらない。

太平の世

「おれは無事太平の世ならきっとそうしている男だろう」
「しかし今の世にうまれておれは猫になりたくない」
「やはり名のとおり千里を征く竜馬になりたい」
「おれが千里の竜馬にならなければ日本はどうなる」

猫のように気ままに生きる自由さを持っていると言われた竜馬。
その点に自覚はあるが危機感も感じていて、自分のすべきことを考える。
逆の見方をすれば、現代においても埋もれている才能は多いだろう。

噂話

「わしなどは不用心で、瓜田に履(くつ)を入れっぱなしのような男じゃ」
「それでうわさが立つならやむをえん」
「行動はわしにまかせ、うわさは人の口にまかせる。その式でゆきます」

人々に誤解を招くような噂が立っていることを、お田鶴に指摘された竜馬。
しかし噂などは一向に気にもならない。
噂をする暇があるなら、自分の行動をする方がいい?

坂本竜馬

「坂本竜馬じゃ」

強敵に対して負けると話し、武市半平太に「武士ではないのか」と強く聞かれた竜馬。
その時に竜馬は、自分以外の誰でもないことを話すのだった。

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2巻

金と命

「なるほど金とは大事なものじゃ」
「うかうかすると、三文餅のかわりに命を渡さねばならぬことになる」

江戸から土佐に帰る時、修行として金を持たずに出発する竜馬。
途中で剣術の稽古をつけることで稼げると考えていた。
しかし早速の休憩で餅一つ食べれなかったが、ある男からごちそうになる。
餅一つで男の用心棒的な立場になる竜馬は、お金の大切さと怖さを改めて感じる。
お金が全てでは無いが、少しのお金が無いばかりに人生が狂う時もある。

自分のこと

「まだ自分が、わかりません」
「しかし、まあ夢中で日をすごしておれば、いつかはわかるときが来るじゃろ、と自分では思うちょります」

旅の途中に、自分が宮本武蔵のように自分だけを極めるタイプか、伊藤一刀斎のように理をたて万人に伝えるタイプかを問われる竜馬。
今は分からないが将来には分かることを、はっきりと伝える。
分からないことを分かっているのは大切なこと。

武士

「まあ、やります」
「武士はそれだけです。坂本竜馬はいずれ機会をみて、天を駈け、地を奔るときがくるでしょう。まあ、待って賜んせ」

土佐時代から知っているお田鶴さまに、天下のために働くように問われる竜馬。
ここでも覚悟だけで、今では無いことを語る竜馬だった。

人斬り

「武士はそれによって人を斬り、ときにはおのれを斬る」
「盗賊の殺人とおのずからちがう」

一緒に旅をしていた盗賊の藤兵衛が、自分たちを探っている相手を殺害する。
それをとがめたが、盗賊は竜馬も人殺しの技を使う剣客と指摘する。
その時に竜馬は、武士と盗賊の違いを語る。
言ってることは理解できるが、都合のいい武士の理屈のようにも感じる。

学問の怖さ

「知ってたまるか。知れば、小心翼々たる腐れ儒者ができるじゃろ」

土佐に帰った竜馬は学問として本を読み始めるが、師匠は求めなかった。
武市半平太は、そんな竜馬に学問の怖さを話そうとする。
しかし竜馬にとっての学問とは、学者になることではなかった。
学問のための学問を求めれば、ただの学者になってしまう。

竜馬の頭

「わからん。わしは文字を見ちょると、頭に情景が絵のように動きながら浮かんで来おる」
「それを口で説明しちょるだけじゃ」

竜馬は本を読んでいるが、笑いが起きるほど無茶苦茶な読み方。
しかし内容は正確に把握しているので、不思議に感じる仲間たち。
その時に竜馬は細かい読み方ではなく、流れから理解していることを語る。
学問から知恵を得るためには、細かい所はむしろ邪魔かもしれない。

倒幕

「しかし、誓って幕府は倒す」
「地に坂本竜馬があるかぎり、幕府は倒してみせる。が、わしの法でやる」

武市半平太は倒幕の盟約として、竜馬に「金打(きんちょう)」を望んだ。
しかし拒んだため、疑問に感じる半平太。
その時に竜馬は、半平太とは考え方が違うことを語る。

悪人の限界

「悪人ならなお打てぬ」
「半平太、お前が悪謀家じゃということになれば、もはや人がまわりに集まって来るまい」
「人が集まらぬと大事はできぬ」
「されば半平太、悪人というのは、結局、小事ができる程度の男のことだぞ」

暗殺や策謀を目的のために実行しようとする武市半平太。
本人も善人ではなく悪人であることを自覚していたが、それを良しとしている。
小事ではなく大事を行いたいと考えている竜馬。
今の半平太のやり方を、どうしても認めることが出来なかった。

剣術

「剣術なんてものは、しょせん、これだけのものさ」

他流試合を申し込まれ、不公平ながらもギリギリ勝利する竜馬。
相手に対して、剣術の勝ち負けを「これだけのもの」と語る。
剣術を追求したからこそ、限界を感じるのかもしれない。

仕合せ

「礼はいわぬ。いいかげんな礼言葉をならべれば、うそになるだろう」
「人の一生の仕合せというのは、こういうことらしい」

少しの間だが、世話になった女性と分かれる竜馬。
相手の気持ちを知りながらも、あえて言葉を尽くさない。

未来

「えらくはならん。しかし百年後に、竜馬という男はこういう仕事をした、と想いだしてくれる人がいるだろう。そんな男になる」

「えらくなる」と言われた竜馬。
その時に自分の未来を語るのだった。

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3巻

手品

一生に一度ぐらい手品もいいだろうが」
「物事にゃ実がなくちゃ、ひとはついてこないですな」

世間を振り回してる清河八郎に対して、竜馬が話したこと。
結果として失敗しているが、このような人物がいないと始まらないのが難しい所。

脱藩

「もう土佐には帰りません。天下を棲家として暮らします」

土佐藩を脱藩し、江戸の千葉道場に来た時に竜馬が語ったこと。
現代で言えば日本人を辞めて無国籍になることなので、重い言葉になる。

「いや、ものには機というものがありましてな」
「いまはこうでも、機に乗じてこの竜馬が出れば、天下を驚倒させるような大ごとがおこりますぞ」

脱藩までしながら、毎日ぶらぶらしているように見える竜馬。
問いかけるさな子に対して、これからの未来を語っている。
結果としては事実となるが、同じことを言いながら何も出来ない人がほとんど?

軍艦

「しかし北辰一刀流ではあの軍艦は動かせないよ」
「動かせなきゃ、国が守れないし、幕府も倒せない」

千葉重太郎に誘われて勝海舟を斬りに向かっている竜馬は、停泊している軍艦を見る。
軍艦が欲しいと考えている竜馬は、剣では何も出来ないことを語っていく。
現代の日本でも自国の強みばかりを考えて、他国との比較が出来ていないように感じる。

議論

もし議論に勝ったとせよ。
相手の名誉をうばうだけのことである。

個人レベルの議論の勝敗には意味が無いどころか、マイナスだと考えている竜馬。
よほどの重大なこと以外は、議論自体をしないように心がけている。
国家や企業間の交渉だとしたら、議論に勝つことには意味がある。
しかし個人レベルでは自己満足に過ぎず、負けるぐらいがちょうどいい。

偏見

「偏見をもつな」
「相手が幕臣であろうと乞食であろうと、教えを受けるべき人間ならおれは受けるわい」

幕臣である勝海舟から教えを受けている竜馬は、武市半平太から非難される。
しかし竜馬にとっては幕臣という立場など、何の関係も無かった。
敵、気に食わない人、立場が下の人から教えを受けるのは、多くの人がなかなか出来ない。

芝居

「人生は一場の芝居だというが」
「芝居とちがう点が、大きくある。芝居の役者のばあいは、舞台は他人が作ってくれる」
「なまの人生は、自分で、自分のがらに適う舞台をこつこつ作って、そのうえで芝居をするのだ」
「他人が舞台を作ってくれやせぬ」

竜馬の基本的な考え方は「機を待つ」ことにある。
しかしただ待っていても、自分の舞台が出来上がるとは考えていない。
周りからはどのように見えていても、竜馬なりに状況を作ってきたことが分かる。

時流

「時流に同調することが正道ではない」
「五年後には、天下靡々(ひひ)としてこの竜馬になびくでしょう」

お田鶴さまから間違った道に踏み外しそうと言われる竜馬。
その時、高言ぎみに語った言葉になる。
大法螺でもあるが、自分が正しいことを信じてもいるのだろう。

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4巻

敗北者

「わずかに他人よりすぐれているというだけの知恵や知識が、この時勢になにになるか」
「そういう頼りにならぬものにうぬぼれるだけで、それだけで歴然たる敗北者だ」

竜馬が土佐藩の大殿・山内容堂を評した言葉になる。
山内容堂が優れていることは、自他ともに認めるところ。
しかし問題は他人が馬鹿に見えていること。
身分や知識に関係なく人の中にある良さを見つけ、教えを請うことが出来る竜馬。
このような人物は頭が良くても馬鹿に見えるのだろう。

剣術の末

「剣術なんてものは学ぶべきもので使うべきものじゃない」
「この道でめしを食うつもりだったおれでさえこうだからな」

刺客に襲われた竜馬は、あるミスにより手傷を負う。
宿に帰ってきた後、おりょうに対して自嘲するように話したこと。
正直な所、本当の意味は理解できない。
おりょう相手だったので、刺客に襲われたことを冗談で流したのかもしれない。
この点は読み手の判断に任せたい。

人斬り

「藤堂君、君は日本人だろう。徳川人じゃあるまい」
「それでも日本人の敵にまわって、人を斬る稼業をする気かね」

新選組の藤堂平助に対して、竜馬が語ったこと。
藤堂とは江戸での剣術修行時に面識があるため、このような踏み込んだ話をしている。
新選組は日本を守るためではなく、徳川幕府を守るために人を斬り続けている。
現代の人からすれば分かりやすいが、当時の人にとっては理解に苦しむ内容になる。
作中でも実際、藤堂は衝撃を受けている。
現代で言えば、「君は地球人だろう。日本人じゃあるまい」に近いだろうか?

信念

「こんな時勢に悩んでいてもはじまらない。自分の信念だけが頼りなのだが」

竜馬の話を聞いた藤堂は悩みを抱えて帰っていく。
その姿を見た寺田屋のお登勢は、新選組の組員が悩んでいることを不思議に感じる。
その時に竜馬はお登勢にいろいろ話し、最後の締めくくりの言葉となる。
おそらく当時の考え方に正解は無かった。
幕府、新選組、勤王志士、竜馬を含めて、100%の正解は無かっただろう。
その事実を踏まえた言葉だと理解している。

徳川幕府

「日本人は三百年、低い身分にしばられ、なんの政治の恩恵も受けていない」
「この一事だけでも、徳川幕府は倒さねばなりませんよ」

「幕府もまた日本人のじゃ。わしは敵とは思うちょらん」

徳川幕府に対して竜馬が考えている言葉を並べてみました。
一見、矛盾しているように見えるがどうだろうか?
「幕府は倒さねばならない」「幕府は敵では無い」
個人的は意見としては矛盾していないと考えている。
竜馬の敵とは徳川家でも幕府でも無く、幕府というシステムだったのではないだろうか?

慎重と大胆

「慎重もええが、思いきったところがなきりゃいかん」
「慎重は下僚の美徳じゃ。大胆は大将の美徳じゃ」

後に日清戦争で連合艦隊司令長官になる伊東祐亨に竜馬が話したこと。
緻密な頭と慎重すぎる性格の伊東に対し、竜馬は大将修行を命じている。
伊東の中に大胆な面が育つことを理解している発言ともいえるだろう。

「わしには、天がついちょる。大事をなそうとする者にはみな天がついちょるもンじゃ」

不穏な時期に道を堂々と歩いている竜馬を心配する仲間たち。
その時に竜馬が話したこと。
全くその通りかもしれないが、そうじゃ無いこともある。
もし結果として殺害されていたら、馬鹿な話として片付くだけだろうか?

気と気

「ああいう場合によくないのは、気と気でぶつかることだ」
「闘る・闘る、と双方同じ気を発すれば気がついたときには斬りあっているさ」

新選組と出会う竜馬だが、上手く気をそらせて何事もなく通過する。
驚く仲間に対して竜馬が話したこと。
しかし気をそらすのは、なかなか難しいこと。
剣の修業による戦いの呼吸と、本人が持つ性格から出来ることだろう。

朝敵

「日本の歴史をみたか。足利時代数百年、楠木正成はずっと朝敵であったぞ」
「なぜか。負けたからじゃ」

このままでは勤王を掲げる長州藩が朝敵になると話す竜馬。
驚く仲間に対して、竜馬は理由を語りだす。
「正義は勝つ」もしくは「正義は勝たねばならない」とよく言われる。
しかし実際は「勝てば官軍」であり、「勝つから正義」となる。
だからこそ竜馬は周りが慌ただしく動いてる時、勝てるまで待つことが出来たと考える。

世界

「京のさきは大坂にすぎず、江戸のさきは小田原にすぎませんが」
「長崎のむこうは上海ですな」

軍艦を手に入れ、勝海舟と長崎に来ている竜馬。
既に視線は世界に向いている。
結果として実現しないが、竜馬にとっての倒幕とは世界で商売するための手段に過ぎない。

5巻

倒幕

「わしが倒す。吉村らの天誅組はほろび、国もとの武市党はほろび、京の北添らはほろんだが、世に坂本竜馬があるかぎり、徳川幕府は無事ではない」

「池田屋ノ変」で新選組などにより、多くの土佐の仲間が死んだことを知る竜馬。
いずれは自分が倒すことを明言する。
幕府は倒さなければいけないとは考えても、自分が倒すと考えている人は少ない。

志士

「志士とは」
「すでにその名が冠せられたときに、いのちは無きものとおもっている者のことだ」

実際に動いている志士は、無名の者が多いことを話す竜馬。
名をあげるほどの働きをした時には、既に命が亡くなっている苛烈さを話していく。
良いことだとは思えないが、悪いことだとも思えない。

長州人

「思っていませんな」
「ここでやすやすと勝てば、長州人は驕って自分勝手な政府をつくるでしょう」

「蛤御門ノ変」で敗北した長州は、さんざんな状態に陥っていた。
勝海舟は「長州が勝てばよいと思っているだろう」と竜馬に聞く。
倒幕を考える竜馬だが、勝つことによる弊害も見ていた。
結果として負けるべき時に勝ってしまったために、崩壊した事例はたくさんある。

人気・不人気

「人間、不人気ではなにも出来ませんな。いかに正義を行なおうと、ことごとく悪意にとられ、ついにはみずから事を捨てざるをえなくなります」

負けはしたが人気のある長州。勝ちはしているが不人気の薩摩。
これによりどん底の長州だが、復活の可能性を示唆している。
見方を変えれば、もし薩摩が負ければ復活できないともいえる。
ただ現代においては、人気の質によれば逆効果になるが。

浪人会社

「なるほど浪人会社をおこすにはこのさき金が頼りだが、金よりも大事なものに評判というものがある。世間で大仕事をなすのにこれほど大事なものはない」
「金なんぞは、評判のあるところに自然とあつまってくるさ」

神戸の塾が解散することになり、資金を塾生たちに分けるように話す竜馬。
これからのために渋る陸奥に対して、独特の金銭感覚を話していく。
竜馬の考えるのは現代の「株式会社」であり、周りから資金を集めることを基本とする。

別れ

「いつか日本は一つになる。そのときはともどもに艦船をならべて世界を経めぐろう」
「坂本竜馬はその日を楽しみにしている」

塾生たちへの別れのあいさつとなる。
終わりだが、あくまで一時的なものと捉える竜馬だった。

引き渡し

「いまはいったんお前さんらにあずける」
「いずれ世が変わって天朝様の世になれば、わしがあらためて受けとりにくる」

塾で使っていた艦船を、幕府に引き渡す竜馬。
普通のことを話すように、世の中が変わることを予言する。
こういうことは何を言うかより、誰が言うかの方が大きいですね。

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6巻

得手不得手

「人間というものはいかなる場合でも好きな道、得手の道を捨ててはならんものじゃ」

時代が大きく動いているのに、船が手に入るまでは具体的な行動をしない竜馬。
中岡慎太郎から指摘をされるが、得意分野で行動できるまでは動かないことを話していく。
待つということは難しい。まして人が動いているならなおさら。
しかし相手のペースで動くと、何一ついいことは無いですからね。

天下の情勢

「いま天下は、幕と薩と長に三分されている」
「他の藩などは見物席で声をひそめちょるだけで、存在せぬのもおなじですらい」

西郷に現在の情勢を話す竜馬。
物事を単純化し、今すべきことを明確にする。
この時に竜馬が提案したのが薩長同盟であり、2対1にするという単純な考え方。

儲け話

「金が儲かることなら、薩摩も長州も手をにぎるだろう」

誰もが望みながらも、薩摩と長州が手を組むことは無いと考えていた。
しかし竜馬は、利益で持って手を握らせることを考える。
思想や大義で手を結ばせることばかりが論じられる中、武士らしくない意見となる。
ただ竜馬は平和な日本にして商売をしたいだけなので、むしろ当然かもしれない。

異国の商人

「相手は金をもうけにきている」
「金もうけのことだからこちらの言うことは、むこうがわかろうとしてくれるわい」

長崎に来ている異国の商人と親しくなるように、仲間に話す竜馬。
言葉が分からないと話す仲間に、今の方言のまま話していいことを伝えていく。
自分が外国に行けば、相手の国の言葉で話すのが当たり前。
しかしなぜ日本で外人に会えば、相手の言葉で話そうとするのだろうか?

自己分析

「実のところ、おれの足が半日早ければそのぶんだけ日本は救われる、というような気になってきた」
「ひろい日本に、おれだけしか天下の騒乱をおさめる者がいない、というような気になっている」

同じ場所にとどまらず、移動も急ぎで行い続ける竜馬。
理由を問われた時、自分の今の立場を話していく。
俗にいう「大言壮語」だが、「心意気」ともいうだろうか?

恨みと現実

「恨みは恨み、現実は現実」

竜馬は桂小五郎に薩長同盟を打診するが、感情的なことが優先し上手く話が進まない。
竜馬は今までの恨みを理解しながらも、今の現実を話していく。
多くの人はどうすればいいのか知ってても、いろいろな理由で出来ないことが多い。
その理由を理解しながらも取り除くのが、交渉人の仕事かもしれない。

運命

「それはちがう。人の運命は九割は自分の不明による罪だ」

ある出来事について、人の運命は分からないということを聞いた竜馬。
しかし運命と済ますことをよしとせず、あくまで自分の結果だということを話していく。
確かに運命としてしまうと、今までの自分が無意味になってしまう。

日本人

「薩長の連合に身を挺しておるのは、たかが薩摩藩や長州藩のためではないぞ」
「君にせよ西郷にせよ、しょせんは日本人にあらず、長州人・薩州人なのか」

どうしても長州という立場を抜けることが出来ない桂。
竜馬は自分が動いている理由を、ハッキリと告げていく。
ただこの時代の「長州」は今でいう「日本」なので、切り替えが難しいのは事実。

訴え

「長州が可哀そうではないか」

現在では立場の弱い長州から同盟を言い出すのは、屈辱と考える桂。
それを理解しながらも、西郷も立場から自分たちからは言おうとしない。
その状況を見て竜馬は長州に同情し、薩摩側から言い出すことを願い出る。

逃亡

「三吉君、逃げ路があるかないかということは天が考えることだ」
「おれたちはとにかく逃げることだけに専念すればいい」

寺田屋で幕吏に囲まれた竜馬と三吉だが、何とか脱出に成功する。
それでも完全に包囲されており、逃げるのは無理として三吉は切腹を考える。
竜馬は無理かどうかを考えるのではなく、逃げることだけに専念することを提案する。
竜馬が切腹が嫌いなのと同時に、自分は生き延びなければいけないという使命でもある。

町人と百姓と侍

「いや、長州が勝っちょるのじゃない。町人と百姓が侍に勝っちょるんじゃ」
「あれが、おれのあたらしい日本の姿だ」

幕府と長州の戦いにおいて、高杉晋作の率いる奇兵隊が押しまくっていた。
その光景も見た竜馬は、これからの日本の姿を見る。
効率化を求めた奇兵隊と、昔ながらの幕府軍。客観的に見れば明らかなこと。

7巻

世界の浪人

「坂本は世界の浪人だ。それでいい」

長州と幕府の戦いに参加したため、船を失ってしまう亀山社中。
長州藩の支藩である長府藩が取り込むことを約束するが、断った時に竜馬が話したこと。
脱藩もして組織を立ち上げたのに、まさに今さらですよね。

討幕資金

「金さ。討幕を無料でやるとは、中岡、そりゃ、強欲ぞ」
「幕府も無料でつぶされてはかなうまい」

早く討幕をしたいと語る中岡に、焦らずに金儲けをすることを話す竜馬。
すぐに理解する中岡だが、土佐藩を取り込むという別の案も持っていた。

大仕事

「おれにはもっと大きな志がある」
「日本の乱が片づけばこの国を去り、太平洋と大西洋に船団をうかべて世界を相手に大仕事がしてみたい」

土佐藩の後藤象二郎に、政治的な野心を聞かれる竜馬。
後藤にとって政治的野心は当たり前だが、竜馬にとっては何の興味も無いことだった。
ほとんどの人にとって討幕は目的だが、竜馬にとっては手段に過ぎない。

平等

「このさい、そんな議論は無用だ。要するに人たる者は平等だといっている」
「人はみな平等の権利をもつ世におれはしたい」

竜馬の目指す同格の世について、天皇の存在を確認する後藤。
しかし竜馬にとっては、それすらも問題には考えていなかった。
書くまでもないが、ないがしろにするという意味とは全く違う。

説明

「説明すれば、わしの言葉や態度がつい懇願になる。それを怖れた」

土佐藩との提携を考える竜馬は、起草案を作り後藤に渡す。
説明せずに渡すだけなのを不思議に思う仲間に、竜馬が語ったこと。
ここでは相手に考えさせ、また検討させることを優先している。

大政奉還

「回天はついには軍事力によらずば成りがたいだろう。その肚はある」
「しかし万に一つ、それを回避できるとすれば、その策をまず施さねばならぬ」

誰もが幕府を倒すには、武力しか無いと考えていた。
竜馬もその1人だが、幕府に大政を奉還させることにも希望を見つけている。
もちろん武力があるからこそ、戦わないという選択肢があるのも事実。
また歴史に「もし」は無いが、戦いが完全に終わっていたらどうなっていただろうか?

8巻

人材

「おれが気楽者だからだろう」
「たすけてやらねばどうにもならぬと思って奴等はあつまって来るらしい」

中岡は海援隊に優秀な人材が多いことを感じ、竜馬に問いかける。
竜馬は自分にダメな所が多いことを理由にあげる。
規模も時代も全然違うが、中国・漢帝国の高祖・劉邦も似たようなことを言っている。

忠義と愛国

「この未曾有の時代に、鎌倉時代や戦国時代の武士道で物を考えられてはたまらぬ」
「日本にとっていま最も有害なのは忠義ということであり、もっとも大事なのは愛国ということです」

幕臣・永井尚志に大政奉還について問いかける竜馬。
しかし永井にとって大切なのは主家に対する忠義であり、日本がどうなるかは気にならない。
竜馬は大切なのは主家に対する忠義ではなく、国に対する愛国だと訴えている。
もちろん竜馬の大切なのは国ではなく、そこに住む人の平和である。

酒間

「男子はすべからく酒間で独り醒めている必要がある」
「しかし同時に、おおぜいと一緒に酔態を呈しているべきだ」
「でなければ、この世で大事業は成せぬ」

人をバカにする感じのある陸奥に対して、竜馬が語ったこと。
本当に酒の席は難しい。

次の世

「いまの世でうそだと思われていることが、次の世では当然なことになる」
「そうならねば、回天というものの意味がなくなる」

幕府を倒した後に議会を作ると話し、泥棒の藤兵衛でも議員になれると話す竜馬。
藤兵衛は信じないが、竜馬にとってそれは当たり前のことだった。
誰でもなれる訳ではないが、誰にでもチャンスがあるのは間違いない。

懸賞金

「額が大きければこそ、市中は沸く」
「沸けば幕も英も、なるほど土州があれほどの大金をかけている以上あるいは下手人は土州ではないかもしれぬな、と思う」

土佐藩の藩士が英国人を殺害したとして、幕府と英国から問題にされていた。
しかし無罪を信じる竜馬は懸賞金を提案するが、その額の大きさのため相手に驚かれる。
竜馬は額が大きいからこそ意味があることを語っていく。
行動よりも影響に重きを置いている。

古今東西

「古今東西、兵戦を用いず乱をおこさず、ただ国と民のためのみを思ってその政権を他に譲った例があったか」
「本朝にもなく、唐土にもなく、西洋にもない」
「そのかって無かった例を日本においてひらく名誉を徳川家は持たれよ」

立場的に出来なかったが、大政奉還について竜馬が徳川家に説きたかったこと。
確かに勝利できる状況において、放棄することは異例である。
ただ現実問題として、徳川家を保存することが目的であることも事実ではある。

一命

「大樹公(将軍)、今日の心中さこそと察し奉る」
「よくも断じ給へるものかな、よくも断じ給へるものかな」
「予、誓ってこの公のために一命を捨てん」

大政奉還が成ったことを知る竜馬が、声をふるわせながら話した言葉として紹介されている。
将軍・徳川慶喜を評価し、自分の命も惜しくないことを話している。
この決断がいかに危険なものかも現している。

退場

「ああ、それが物事を成就させる道だ」
「この新官制案を岩倉卿に渡し、岩倉卿の手もとで検討してもらう」
「西郷と大久保がよいようにするだろう」

最大の功労者でもある竜馬だが、これからは政治に関わらないことを話し出す。
驚く陸奥に対して、自分がいることにより対立が生まれることを語りだす。
古来より、功労者が不幸な未来を迎えることは多い。

海援隊

「左様さ。世界の海援隊でもやりましょうかな」

政治の役職に竜馬が入っていないことに対して、問いかける西郷。
竜馬は当然のように語りだす。
竜馬のことに詳しくなくても、この言葉は知っているのでは?

人生

「われ死する時は命を天にかえし、高き官にのぼると思いさだめて死をおそるるなかれ」
「世に生を得るは、事をなすにあり」

身の危険はあっても、藩邸ではなく町の宿に泊まる竜馬。
忠告されても持論は曲げない。
ただ結果を知るだけに、残念に感じてしまう。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 
アマゾンリンク
竜馬がゆく 全8巻 (文春文庫)

→「燃えよ剣」より土方歳三の名言
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