「神様のカルテ(夏川草介)」の名言・台詞まとめました

「神様のカルテ(夏川草介)」の名言・台詞をまとめていきます。

 

神様のカルテ

第一話 満天の星

無茶と思うであろう?
無茶なのである。その無茶をなんとか切り回しているのが、地方病院の現状と言うしかない。(栗原一止、通称:イチまたはドクトル、以降無記入)

 

「先生のそういうところは長所ですけど、今の救急部の状況では短所です」
「簡単なことです。ゆとりはないということです」(外村、看護師長)

 

理念は完璧である。しかし内実はそう単純ではない。
(24時間365日対応について)

 

「あの状態でのさじ加減の難しさはわかっておるだろう。痛みが止まっても、呼吸まで止まったら意味がない」

 

「大阪や東京のような大都会ならいざ知らず、こういう信州の田舎町では医者の数が極端に少ない。医局制度がなければ田舎の少病院などあっというまに崩壊する」

 

「良い医者」にはなりたい。だが何をもって「良い医者」とするのか。これは我が脳中に蟠踞する至上の難題である。

 

「余計な心配をするな。それより患者だ」

 

「バカヤロウ、こんなに楽しいことやってるってのに、のんびりパターなんぞ振ってられるか」
「死にかけてる人間をなんとかして助けるってことだ」(板垣源蔵、通称:大狸先生)

 

「どうでもいいことを噂するのが大学病院ってとこだ」(砂山次郎、外科医)

 

人が死ぬとはそういうことである。
私は改めて実感する。悲しむのは苦手だ、と。

 

「挨拶のできない人になってはいけないと、イチさんがいつも言っていることですよ」
「ついでにイチさんが背負い込んでいる重い荷物も、少し減らしてもらうようお願いするつもりです」(栗原榛名、通称:ハル)

 

「私はここからイチさんと見上げるこの町の空が一番好きです。一年に一度くらい、こうして散歩できる日がつくれるとよいですね」(ハル)

 

第二話 門出の桜

「治療法を考えるのではない。本人にどう話すかを考えるんだ」

 

「看護師まで徹夜で働くようになったら、そんな職場など、気持ち悪くてやっておられん」

 

「まだまだです。なかなか良い月が出ませんので」
「ありますよ。空の向こうには、良いお月様と悪いお月様がいて、どちらが出てくるかは実際に会うまでわからないんです」(ハル)

 

「先生、世の中には二種類の医者がいるんです。酒を憎んでいる医者と、酒を愛している医者です」(患者さん)

 

「人間にとって心臓が一番大事な臓器だ、などというのはただの幻想だ。そんなものより大事なものは山ほどある」
「人は機械ではないのだ」(自若先生)

 

「かまわぬ。生きている。そこに意義がある」

 

「少しばかり的外れでも、先生の熱い言葉はきっと伝わってるわよ」(東西直美、看護師)

 

「こいつは敗北ではない、門出だ、学士殿!」
「この一歩は前への一歩だ。前進なんだ。そのための花道だ。絶対忘れるな!」(男爵)

 

第三話 月下の雪

思えば私の仕事も同じようなものかもしれない。
点滴やら抗生剤やらを用いて、絶える命を引き延ばしているなどと考えては傲慢だ。もとより寿命なるものは人知の及ぶところではない。

 

どう正論を投げつけられても、我々はとにかくひとりでも病者を救うため”少しでもまし”な選択肢を選ぶだけである。

 

「医局がどんなに奇妙な組織でも、そのおかげで成り立つ医療が確かに存在し、そのおかげで助かる人々が確実にいるのです」(内藤鴨一、通称:古狐先生)

 

人生の岐路というものは、いつでも急に目の前に現れて人を動揺させる。

 

「大学ってのは妙なところだろ」
「たくさんの医者がいて、少しの患者を見ている。とんでもない金を出してとんでもない機械を買い、とんでもない検査をしている。最先端医療というやつだ」(大狸先生)

 

「そんなことは自分で決めな。人の進路に口を挟んであとで責任をとるの、おれ嫌だから」(大狸先生)

 

「でも、最後の最後にこんな幸せな時間が待っていたなんて、本当に人生というものはわからないものです」(患者さん)

 

死にゆく人に、可能な医療行為全てを行う、ということが何を意味するのか、人はもう少し真剣に考えねばならぬ。

これらの行為の結果、心臓が動いている期間が数日のびることはあるのかもしれない。だが、それが本当に”生きる”ということなのか?

 

命の意味を考えもせず、ただ感情的に「全ての治療を」と叫ぶのはエゴである。そう叫ぶ心に同情の余地はある。しかしエゴなのである。

 

「……正直言ってわからん。だが、高度医療とやらを学んでいる間にも、そんなものを必要としない患者たちがひとりぼっちで死んでいるのは事実だ」

 

病むということは、とても孤独なことなのだ。

 

惑い苦悩した時にこそ、立ち止まらねばならぬ。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 
 
 
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