「ステップ(重松清)」の名言・台詞をまとめていきます。
ステップ
ケロ先生
今日から、僕と美紀の新しい生活が始まる。楽ではない、と覚悟はしている。
それでも始めるしかない。(武田健一、父親、以降無記入)
ほんの一年前まではあたりまえすぎて気にも留めなかったことが、
いまは、かけがえのないものだったのだとわかる。
気づいたときには、もう取り戻せない。
いや、もう取り戻せなくなったからこそ、それがとても大切なものだったのだと気づく。
幸せとは、そういうものなのかもしれない。
もしも美紀が僕になにかのサインを発していて、
僕がそれに気づいていなかったのだとしたら…と考えると、いてもたってもいられなくなる。
なにかが足りない、とはずっと思っていた。
それはたぶん、僕では──父親では、どうにもできないものなのかもしれない。
「同じでも、違うんですよ」(ケロ先生)
「パパの抱っこって、いそがしい」(武田美紀、娘)
ライカでハロー・グッドバイ
もしも美紀に新しいママができたら、義父母や良彦さんたちとは、
いままでのようには付き合っていけなくなるだろう。
「一所懸命、甘やかしてる」
「だから一所懸命に間違えちゃうんだ」
「よけいなことしなくていいのに、しちゃうから、間違えるんだ」
「この瞬間でしょ」
「泣きやんだあとの笑顔…子どもにとって、最高の笑顔、ですよね」(大橋礼香)
あじさい
わが家には、とてもたいせつなものが欠けている。
だが、家族はまんまるでなければならないのか?
子どもが夢を見て、なにが悪い?
現実にはかなえられない夢であればあるほど──僕はそれを守ってやりたい。
サンタ・グランパ
そのつながりが、ときどき重くなる。わずらわしいとは言わない。
ただ、重いのだ。
「子どもの思い出すら残せない人生なんて…おい、むなしいもんだぞ、まったく…」(義父)
「子どもの頃も、わたしが生まれてからも、ぜんぶ」
「ママのこと、ぜんぶ知りたい」(美紀)
「そうしないと──わたし、うそつきになっちゃうかもしれない…」(美紀)
彼岸過迄
少しずつ、子どもは大きくなる。
おとなの世界を知りはじめる。
おとなの寂しさだって、ほんとうはもう、
僕がびっくりするぐらいよくわかっているのかもしれない。
バトン
「たまには、パパにデートさせてあげてもいいよね?」(美紀)
ホップ、ステップ
「美紀ちゃんがつらいんだったら、きみもつらいんだ」
「親っていうのはそういうものだろ」(義父)
「ステップなんだよ。わかるか?」
「ただぼーっと突っ立ってるだけじゃ、親子にはなれないんだよ」
「踏み出さなきゃ」(義父)
ジャンプ
僕たちの幸せは、お互いの悔いの上に成り立っている。
どんなに気持ちの整理をつけても、それが消え去ることはない。
悲しみを胸に抱いたまま生きていくのは、決して悲しいことではない。
そのひとがいないという寂しさを感じる瞬間は、
そのひとのいない寂しさすら忘れてしまった瞬間よりも、ほんとうは幸せなのかもしれない。
「でも、溶けて、消えても、雪ウサギがきれいだったなあって思ってくれれば…」
「ウサギさんは、うれしいんだよ」(美紀)
最後まで読んで頂きありがとうございました。