「蜘蛛の糸・杜子春(芥川龍之介)」の名言まとめました

「蜘蛛の糸・杜子春(芥川龍之介)」の名言をまとめていきます。

蜘蛛の糸・杜子春

蜘蛛の糸

自分ばかり地獄から抜け出そうとする、犍陀多の無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰をうけて、元の地獄へ落ちてしまったのが、御釈迦様の御目から見ると、浅ましく思召されたのでございましょう。

本作の主題は言うまでもなく、自分だけが助かろうとして元の地獄に落ちてしまうこと。
ただ他にも示唆があると考えている。
一つ目は、御釈迦様の行動です。
一度は助けようとしながら、落ちた後は悲しそうな顔をしながら立ち去っている。
優しさも二度は続かないという、厳しい現実となる。
二つ目は、犍陀多の後に続いている人達の行動です。
他の人を助けようとしているのに、自分が助かりたいと考える浅ましい行動。
そして結局、自分たちを含む誰も助からない。
誰かの話に乗っかかり、そして自滅する。笑えない人も多いだろう。

蜜柑

私はこの時始めて、云いようのない疲労と倦怠とを、そうして又不可解な、下等な、退屈な人生を僅かに忘れる事が出来たのである。

疲労と倦怠感を持っている男が、列車の二等客席に乗っていた。
そこに清潔とはいえず、また三等客席の切符を持っている少女が現れる。
弟たちに対する少女の行動を見ていた男が、最後に感じた感想となる。
正確には、なぜこういう感想をになったかは書かれていない。
ただ個人的な解釈としては、自分に気持ちが向いている男が、幼いながらも弟たちを思いやる少女の行動に自分に無いものを見たためと考えている。
落ち込むような悩みのほとんどは、自分のことだけを考えていることが多い。
たまには自分を忘れるのがよい。

魔術

私の魔術を使おうと思ったら、まず慾を捨てなければなりません。
あなたはそれだけの修行が出来ていないのです。

魔術を習いたいと話す男は、相手に欲を捨てる必要があることを言われる。
出来ると話すが、結局は出来ずに教えてもらえなかった。
この話には、二つの示唆が含まれてると考えている。
一つ目は、自分の欲のためには人は平気で嘘をつけること。
実際に男も出来る自信は無かったが、「出来る」と話している。
二つ目は、少しでもプラスになると、人は失うことを恐れてしまうこと。
または少しでも損失を出すと、取り返そうとして必死になること。
投資で失敗する人のほとんどは、心理面での敗北である。

杜子春

そうすると人間は薄情なもので、昨日までは毎日来た友だちも、今日は門の前を通ってさえ、挨拶一つして行きません。

一夜にして大金持ちになる杜子春の所には、連日人が押しかけてきた。
しかし貧乏になってくると誰も来なくなる。
これはお金の使い方が、いかに難しいかを示唆している。
お金を持っていない人は、いくらでも綺麗事が言える。
しかし実際に持ってしまうと態度が変わってしまうもの。
成金趣味だけにはなりたくないものですね。

何、贅沢に飽きたのじゃありません。人間というものに愛想がつきたのです。

二度まで大金持ちになり、貧乏も経験する杜子春。
三度目を言われた時、いらないと伝えた後に話したこと。
お金に寄ってくる人なんて、99%までは浅ましい。
といってお金を持ってしまうと、その人達を排除することも難しい。
お金持ちなんて、一度で十分かもしれない。

何になっても、人間らしい、正直な暮しをするつもりです。

大金持ちの次には、仙人になりたいことを話す杜子春。
いろいろな試練を越えたが仙人にはなれず、最後にたどり着いた境地となる。
人間らしい幸せな暮しを求めるには、普通が一番かもしれない。
しかしその気持ちになれるのは、いろいろなことを経験した後になる。

トロッコ

行きに押す所が多ければ、帰りに又乗る所が多い。

上りでは押すが、下りでは乗れるトロッコ。
当たり前のことだが何ごとにも通じる考え。
初めに楽をするか、後に楽をするか。
どちらが正しいかは分からない。どちらを選ぶかだけになる。
残念ながら、初めも後も楽な人は稀であろう。

猿蟹合戦

とにかく猿と戦ったが最後、蟹は必天下の為に殺されることだけは事実である。
語を天下の読者に寄す。君たちも大抵蟹なんですよ。

猿蟹合戦の後日談として、蟹の行為は犯罪扱いになってしまう。
世間すら敵になり、弱者の難しさが書かれている。
個人的な見解としては、猿と戦ったことが問題ではない。
問題は猿に勝利した後、どうなるかを考えていなかったことだ。
勝利は目的ではなく、何かを達成するための手段に過ぎない。
世の中の大半の人は、手段と目的の区別がついていない。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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