「海賊とよばれた男(百田尚樹)」の名言・台詞まとめ

「海賊とよばれた男(百田尚樹)」より名言・台詞をまとめていきます。

 

海賊とよばれた男(上)

序章

「愚痴をやめよ。愚痴は泣きごとである。亡国の声である。婦女子の言であり、断じて男子のとらざるところである」(国岡鐵造、以降無記入)

 

「日本は必ずや再び立ち上がる。世界は再び驚倒するであろう」
「しかし──その道は、死に勝る苦しみと覚悟せよ」

 

第一章 一

「もし国岡商店がつぶれるようなことがあれば、ぼくは店員たちとともに乞食をする」

 

「財産を全部失ってもいいか」
「私はかまいませんよ」(国岡多津子、後妻)
「お前が嫁に来るときに持ってきた着物も売り払うことになるかもしれん」
「生活のためなら、残念ですが、仕方ありませんよ」
「うん、生活のためもあるが、店員の給金を払わねばならん」
「それでしたら、喜んで手放しましょう」

 

「ほお、これが、ぼくの財産目録か。国岡商店は何もかも失ったという者もいるが、それはとんでもない間違いだ。国岡商店のいちばんの財産はほとんど残っている」
(復元した店員名簿を見て)

 

「銀行は単なる金貸しではない。採算ある事業、たしかな未来のある事業と思えばこそ、融資もする。ラジオのことを何も知らない経理部長が行って、銀行家を納得はさせられない」

 

「融資は金を貰ったわけじゃない。きっちりと返済しなければならない。つまり絶対に事業を成功させなければならないのです」(柏井耕一)

 

戦争に負けるということはこういうことなのか。兵隊が死ぬだけではない。国中が破壊され尽くすのだ。(東雲忠司)

 

「軍隊は戦争に負けましたが、私どもは負けませんでした。国岡商店の店員として、店主から与えられた使命は果たして参りました」(東雲)

 

「馬鹿もん! 国岡商店は、お前が軍隊に行っている間、ずっとうちに給金を送り続けてくれたんだ。辞めるなら、その四年分の恩返しをしてから辞めろ!」(店員の父親)

 

「たしかに困難な仕事であることはわかる。しかし困難な仕事だからやり甲斐もある。よそがやれないと尻ごみする仕事だからこそ、うちがやる」

 

「国岡商店のモットーのひとつは『黄金の奴隷たる勿れ』だ。仕事は金で選ぶものではない」

 

「あのときの戦いに比べたら、タンクの底に潜ることなどなんでもありません。それに、こうして働けることは無上の喜びです」(重森俊雄)

 

「これはお願いすべきことではない。君はぼくの言葉を正しく伝えろ。彼らに喋っているときは、全国国岡商店の代表として喋っているのだ」

 

「無実の罪だから抗議するのは当然である」

 

「もし、うちの店員たちが労働組合を結成し、ストライキを起こしたなら、ぼくはただちに国岡商店をたたむ。会社のすべての資産と全財産を清算し、全店員に退職金を渡して、乞食をする」

「店員たちはぼくの息子だ。息子に裏切られるような親なら、親たる資格はない」

 

「互いに身分も名前も明かさないで会談する以上、君は国岡商店のことを考える必要はない。一日本人として、石油業界はどうあるべきかを率直に語ればいい」

 

「これは日本のすべての組織について言えることですが、日本ではまず『組織』が先に作られ、トップが決まります。そして下部組織が作られ、その管理者が決まります」

順次、そうして下部組織が作られていくために、最終的に非常に大きな組織になってしまうのです」

「大事なことは、まずその仕事にどれくらいの人数が必要なのかということです。そしてそれを適材適所に配置する。あとはそれを管理する上の者を最低限揃えればいい」(東雲)

 

十一

「いや、情報は速さが何よりだ。よくぞ、素早く行動してくれた。ありがとう」

 

第二章 二

「そうかもしれません。でも、もしかしたら、誰もやらなかっただけかもしれません」

 

「返済って何のことや。ぼくは国岡はんにお金を貸すとは言うてへんで。あげると言うたんや」

「国岡はん、六千円は君の志にあげるんや。そやから返す必要はない。当然、利子なども無用。事業報告なんかも無用」

「ただし、条件が三つある。家族で仲良く暮らすこと。そして自分の初志を貫くこと。ほんで、このことは誰にも言わんこと」(日田重太郎)

 

「武士の心を持って、商いせよ」
「士魂商才」(水島銕也、校長)

 

「したこともないものを、実感があるほうが不思議やろう」(日田)
(結婚に躊躇する鐵造に対して)

 

「夫の苦労を一緒に背負える嫁をもらえたら、本当の果報者や」(日田)

 

「なあ、とことんやってみようや。わしも精一杯応援する。それでも、どうしてもあかなんだら、一緒に乞食をやろうや」(日田)

 

「鐵造さんには新しか奥様が必要です。どうか、私にお暇をいただきたかとです」
「死ぬまで後悔いたしません」(国岡ユキ、前妻)
(自分が子を産めぬため離婚を願い出る)

 

十五

「店主は、国家のことを第一に考えて国岡商店のことは考えるなと申されたが、われわれの使命は国岡商店の名前を高めることだと思う」(長谷川喜久雄)

 

海賊とよばれた男(下)

第三章 一

「ビジネスの提携はしても、経営に口出しされたくはない」

 

「銀行はこういう男たちがいる会社こそ援助しなくてはならないのではないか」(大江常務)

 

「石油のために戦争を始めて、石油がなくて戦いに敗れ、今度は石油によって支配されるわけか」

 

「私の将来よりも、日本の将来を心配していただきたい。私は原理原則を捻じ曲げることによって、将来の日本の石油産業に禍根を残すようなことはしたくない」(人見孝)

 

「たとえ99人の馬鹿がいても、正義を貫くひとりがいれば、けっして間違った世の中にはならない。そういう男がひとりもいなくなったときこそ、日本は終わる」

 

「お前にはアメリカの素晴らしいところを学んできてもらいたい」
「しかしけっして日本人としての誇りを失ってはならん。日本人の良さを持ちながら、アメリカ人の長所を身につけよ」

 

「われわれはもう一度タンク底に戻るべきではないかと思う。日本は今、重油を必要としている。そのために国岡商店は立つ。利益を考える必要はない」

 

「あなたの会社の資本金に対しては、とても融資はできない。しかしあなたの会社の合理的経営に対してなら融資できる。われわれはあなたの会社と取り引きすることを名誉と思っている」(タールバーグ)

 

「いや、もうすでに十分すぎるほどの情報を得た。これ以上慎重を期すれば、時宜を失う。コフマンが言っていたように、時は今だ」

 

「皆が恐れるからこそ、行くのではないか」
「リスクのない商売はない」

 

「国岡商店はそんな信義のない会社ではない! われわれは信頼を裏切ることは絶対におこなわない。これが国岡商店の信念である」(武知甲太郎)

 

「われわれは不当な要求はしていない。ビジネスは双方が納得する形でなければ、成立しない」(国岡正明)

 

「海図さえあれば、どこへでも行きますよ。陸地でないかぎりね」(新田辰夫、船長)

 

十一

「戦争中は月夜が怖かったよ。明るい夜は米潜の魚雷攻撃があったからな」(新田)

 

「俺の使命は彼ら全員を無事に連れて帰ることだ」(新田)

 

「宴は終わった。いよいよ命を懸けた戦いが始まる」(新田)

 

十二

「海軍が徴用船に命じた之字航行には致命的な欠陥があった。というのは、一定の機械的な動きであり、それを把握されると未来位置を予測されてしまう」
「出鱈目な動きだ。俺の勘で右へ行ったり左へ行ったりだ。だから、付きっきりで見張っていないかぎり、動きは予測できん」(新田)

 

十四

「勝つとわかっているものを勝っただけのことだ。喜びはない」

 

第四章 二

「あなた方がわが社から買いたい原油の量と価格を、ここに書いてほしい」(バートレット)
「あなたがたが、われわれに希望することを書いてもらいたい。どんな希望でも叶えたい」

 

「出来が悪いというだけで家族の縁を切ることがないように、国岡商店も首にはしない。むしろ、そういう店員をいかにして教育していくかということが会社の使命ではないかと思っている」

「出来の悪い社員を辞めさせ、すぐれた社員ばかりでやっていく、これを少数精鋭主義と呼んで尊重する風潮もあるが、そんなものは私に言わせれば、単なる利己主義である」

 

「大きな利益を得ることは会社にとっては台風の卵ができたようなものだと、ぼくは思っている。ここで店員たちが驕り高ぶれば、国岡商店は滅ぶ」
「終戦のときには楽観したぼくだが、このときは悲観していた」

 

「国岡はんのお陰で、わしは素晴らしい夢を見ることができた。妻を亡くした今のわしにとって、国岡商店の発展を見ることが何よりの喜びなんや」
「あの日のわしのわずかな金が、世界を驚かすような大きな会社になったんや。こんな夢を見られる老人はどこにもおらん。そやから、礼を言うのは、わしのほうなんや」(日田)

 

「保険金で儲けようと思うことがあってはならん」
「君は保険会社に行ったら、まずはお詫びの言葉を述べなさい。そしてこの仕事をやりとげるためのベストを尽くしなさい」

 

「国岡商店が50周年を迎えるということが、夢のようである」

「50年は長い時間であるが、私自身は自分の50年を一言で言いあらわせる。すなわち、誘惑に迷わず、妥協を排し、人間尊重の信念を貫きとおした50年であった、と」

「この人間尊重の精神は、これからの時代にこそ、より強く求めていかねばならない。私は若い君たちに、人間尊重のバトンを渡したい」

 

「わしは国岡はんを商売人と思うたことは一度もない」
「国岡はんは鍛冶屋や。ふいごに火ぃ入れて、たたら吹きで槌をがんがん打つ鍛冶や。わしは、国岡はんが鉄床でどんな鍬や鋤を打つのかが見たかったんや」(日田)

 

「思えば、戦い続けた人生であった。しかし、もう戦うことはないだろう」

 

「言いたい奴には言わせておけ。こんな下らない訴訟で、遺族の心の平安を乱したくない。中傷を気にして、遺族に対する補償が損なわれることがないようにしろ」

 

「いったん統制が始まったら、突発的な状況には対応できない。それが統制の怖さです」

 

「それは駄目ですね。社長を辞めても、店主は辞めることはできません」(正明)

 

終章

自分は39年も仕えてきたにもかかわらず、一度も言われたことがない言葉がある。
それは、「儲けよ」という言葉だった。(東雲)

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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