凶器は壊れた黒の叫び(河野裕)より言葉と名言の紹介

凶器は壊れた黒の叫び(河野裕)

 階段島の柏原第二高校に安達が転校してきた。

 

 階段島に来る前の記憶を持っている安達は、ある提案をする。

 

 それは魔女を追い込むためのものだった...

 

 階段島シリーズの第4弾。

 

 

 →シリーズ一作目「いなくなれ、群青」へ

優しさの問題

 

 優しさにはたったひとつだけ問題がある。それは一歩目を踏み出さないことだ。
 だって優しい人は、誰かを傷つけることを怖れているから。

 優しい気持ちを持っている人は大勢いる。

 

 しかしそれが優しい人であるがゆえに、それを発揮できないことが多いのも事実だ。

 

 これは優しさなのか、それとも弱さなのだろうか?

 

鈍感力

 

 泣いている人がいたなら、まず味方になるべきなのだ。そこから始めるべきなのだ。
 一歩目は鈍感でいい。

 先程の対になる言葉となる。

 

 後に起こる何かを考えない方が、行動には移りやすくなる。

 

 しかしそれが善意であっとしても、結果がついてくることが少ないのも事実だ。

 

 ただ善意に結果を求めること自体が、実は間違っているのかもしれない。

 

透明な壁

 

 それはそうだけど、でもいちばん嫌なのは、そんなことじゃなくって。
 私はこの島にある、透明な壁が許せない。

 メインヒロインである真辺由宇の言葉になる。

 

 階段島は抜け出すことは出来ないが、壁で囲われている訳ではない。

 

 まるで透明な壁に囲まれているみたいに、逃げることが出来ないだけだ。

 

 ここで言いたいのは、「明確な敵が見つからない」

 

 敵が分かれば対策を立てることが出来る。

 

 しかし敵自体がいなければ、対策以前の問題になる。

 

 ただ人々が望むのは、透明な壁がある世界かもしれない。

 

誤魔化し

 

 とても優しいけど、そこを誤魔化しちゃいけない。

 あることに対する、真辺由宇の言葉になる。

 

 具体的に何と言えないが、このようなことは多いと考えている。

 

 何か思いつくことはありますか?

 

クラスメイト

 

 強制力がある人間関係が必要なんだよ。
 クラスメイトっていうのはさ、そこそこ不自由だからいいんじゃない?
 なにがあっても、翌日も顔を合わせないわけにはいかない。 
 だからケンカだって、仲直りだってできる。

 強制力のない関係だと、少しのことで離れることが出来る。

 

 逆に強制力がある関係だと、少しのことでは離れることが出来ない。

 

 そのためここでは後者を意味のあることとして話しているが、そのための問題もある。

 

 単純に「仲直り出来なければ?」という問題だ。

 

 学校が強制で無いことだけは間違いない。

 

会話

 

 会話っていうのは、なにを言うのかだけが重要なわけじゃない。
 本当に大切なのは、なにを言わないでいるのかだ。

 この言葉自体は正しいと考える。会話で「バカ」と言っていいはずがない。

 

 しかしこう考える人には、一つだけ問題がある。

 

 それは相手にも同じことを求めてしまうことだ。

 

 自分が言わないことを相手が言うと、それだけで全てが終わってしまう。

 

 自分が言わないのと、相手が言うのは別問題と考えたい。

 

悲しさの捉え方

 

 もちろん悲しいよ。でも悲しいのは、受け入れるべきことだよ。

 悲しい現実を知るかどうかの問題になる。

 

 悲しい現実を知らなければ、悲しくない日々を過ごすことが出来る。

 

 悲しい現実を知ってしまえば、悲しい日々を過ごさなければ行けない。

 

 ここで真辺由宇は、悲しくても知るべきと捉えている。

 

 自分の時と相手にアドバイスする時では、意見が変わるかもしれないですね。

 

解決と問題

 

 解決できない問題なんてない。まだ解決方法がみつかっていない問題があるだけだよ。

 確かに純粋な理論だけで言えば、この言葉は正しい。

 

 自分や世間、または現代では解決できなくても、未来では解決できるかもしれない。

 

 その期間が永久であれば、間違いのない事実になる。

 

 ただ今だけを考えれば、問題を解決しようとすること自体が問題になることもある。

 

 解決するだけが、正解とは限らない。

 

夢と幸福

 

 夢と幸福が矛盾したとき、どちらを追いかけるべきなの?

 真辺由宇がある人物に問いかけられた質問になる。

 

 これについては何も書かない。あなたはどちらですか?

 

不幸と幸せ

 

 不幸か、幸せかなんて、彼女のほかには決められない。

 不幸か幸せかなにて、自分の価値判断に過ぎない。

 

 現状もただの状況に過ぎない。

 

 人にどのように見られても、どのように考えるかは個人の問題となる。

 

苦しいこと

 

 苦しくても続けるのは、悪いことじゃない。素晴らしいと思う。
 でも苦しいまま続けるのは間違っている。

 これを別の視点でみれば、我慢も努力も有限であると捉えている。

 

 人は無限に我慢も努力も出来ない。

 

 我慢の先にも我慢が、努力の先にも努力とすれば、とてもやりきれない。

 

 苦しければ変えなければいけない。

感想

 

 前作の「汚れた赤を恋と呼ぶんだ」で、少し階段島シリーズに疑問を持ったが、今回の作品で持ち直した感じです。

 

 やはり個人的に、メインヒロインである真辺由宇の存在が大きい。

 

 もちろん階段島にいる真辺由宇である。

 

 やはり階段島シリーズは、階段島での話が好ましい。

 

 シリーズ最初となる「いなくなれ、群青」が好きなら、間違いなくおすすめです。

 

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