「モモ(ミヒャエル・エンデ)」の名言・台詞まとめ

「モモ(ミヒャエル・エンデ)」の名言・台詞をまとめていきます。

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モモ

時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語

 

第一部 1章

ふしぎなことに、ただの芝居にすぎない舞台上の人生のほうが、
じぶんたちの日常の生活よりも真実にちかいのではないかと思えてくるのです。

 

「(生まれたのはいつ?) わかんない」
「いくらまえのことを思いだしても、いつでもあたしはもういたもの」(モモ)

 

まずしい人たちだけがやり方を知っている、心のこもったたのしいお祝いになりました。

 

2章

モモが役にたつことをまだ知らない人がいると、みんなはこう言ってあげたものです。
「モモのところへ行ってごらん!」

 

小さなモモにできたこと、それはほかでもありません、あいての話を聞くことでした。
ほんとうに聞くことのできる人は、めったにいないものです。

 

友だちがみんなうちにかえってしまった晚、モモはひとりで長いあいだ、
古い劇場の大きな石のすりばちのなかにすわっていることがあります。

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まるで星の世界の声を聞いている大きな耳たぶの底にいるようです。

 

そして、ひそやかな、けれどもとても壮大な、
ふしぎと心にしみいる音楽が聞こえてくるように思えるのです。

 

3章

「はじめから偏見をもってかかるのはよくないね」
「民族の言いつたえの奥ふかくには、真実がひそんでいることがおおいんだ」(教授)

 

4章

「世のなかの不幸というものはすべて」
「みんながやたらとうそをつくことから生まれている」(道路掃除夫のベッポ)

 

「それもわざとついたうそばかりではない」
「せっかちすぎたり」
「正しくものを見きわめずにうっかり口にしたりするうそのせいなのだ」(ベッポ)

 

「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?」
「つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸(いき)のことだけ」
「つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ」
「いつもただつぎのことだけをな」(ベッポ)

 

「するとたのしくなってくる。これがだいじなんだな」
「たのしければ、仕事がうまくはかどる」
「こういうふうにやらにゃあだめなんだ」(ベッポ)

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5章

「みなさま、人の言うことをあまりかるがるしく信じるとどういうことになるか」
「これでおわかりでございましょう!」(観光ガイドのジジ)

 

第二部 6章

とてもとてもふしぎな、それでいてきわめて日常的なひとつの秘密があります。
この秘密とは──それは時間です。

 

時間とは生きるということ、そのものだからです。
そして人のいのちは心を住みかとしているからです。

 

「おれは人生をあやまった。おれはなにものになれた?」
「たかがけちな床屋じゃないか」(床屋のフージー)

 

「おれだって、もしもちゃんとしたくらしができてたら」
「いまとはぜんぜんちがう人間になってたろうになあ!」(フージー)

 

「だがな、そんなくらしをするには、おれの仕事じゃ時間のゆとりがなさすぎる」
「ちゃんとしたくらしは、ひまのある人間じゃなきゃできないんだ」
「自由がないとな」(フージー)

 

「2,207,520,000秒(70年分)」
「これがつまり、フージーさん、あなたがおもちの財産です」(時間貯蓄銀行の外交員)

 

倹約した時間は、じっさい、手もとにすこしものこりませんでした。
魔法のようにあとかたもなく消えてなくなってしまうのです。

 

「時間節約」をはじめる人の数は日ごとにふえてゆきました。

 

その数がふえればふえるほど、ほんとうはやりたくないが、
そうするよりしかたないという人も、それに調子を合わせるようになりました。

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毎日、毎日、ラジオもテレビも新聞も、
時間のかからない新しい文明の利器のよさを強調し、ほめたたえました。

 

こういう文明の利器こそ、人間が将来「ほんとうの生活」ができるようになるための
時間のゆとりを生んでくれる、というのです。

 

時間節約こそ幸福の道!
けれども、現実はこれとはまるっきりちがいました。

 

たしかに時間貯蓄家たちは、あの円形劇場あとのちかくに住む人たちより、
いい服装はしていました。

 

お金もよけいにかせぎましたし、つかうのもよけいです。
けれども、ふきげんな、くたびれた、おこりっぽい顔をして、とげとげしい目つきでした。

 

余暇の時間でさえ、すこしのむだもなくつかわなくてはと考えました。

 

ですからその時間のうちにできるだけたくさんの娯楽をつめこもうと、
もうやたらとせわしなく遊ぶのです。

 

時間は貴重だ──むだにするな!
時は金なり──節約せよ!

 

時間をケチケチすることで、
ほんとうはぜんぜんべつのなにかをケチケチしているということには、
だれひとり気がついていないようでした。

 

じぶんたちの生活が日ごとにまずしくなり、日ごとに画一的になり、
日とごとに冷たくなっていることを、だれひとりみとめようとはしませんでした。

 

人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそっていくのです。

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7章

モモはいままでにいちども感じたことのなかったような気持ちになりました。

 

生まれてはじめての気もちだったもので、
それがたいくつさだとわかるまでには、だいぶ時間がかかりました。

 

「もうけっしてたいくつするなんてことはいらないんだ」
「いくらでも新しいものがあるんだから」(灰色の紳士)

 

モモはぼんやりとながらも、じぶんがあるたたかいに直面している、
いや、すでにたたかいのなかにまきこまれている、と感じました。

 

(たいくつになってくる)
話す声は聞こえるし、ことばは聞こえるのですが、話す人の心は聞こえてこないのです。

 

「この(同じ言葉を繰り返す)人形じゃ、すきになれない」
「でもあたしの友だちなら、あたしはすきよ」(モモ)

 

「人生でだいじなことはひとつしかない」
「それは、なにかに成功すること、ひとかどのものになること」
「たくさんのものを手に入れることだ」(灰色の紳士)

 

「ほかの人より成功し、えらくなり、金もちになった人間には」
「そのほかのもの──友情だの、愛だの、名誉だの、そんなものはなにもかも」
「ひとりでにあつまってくるものだ」(灰色の紳士)

 

9章

「子どもというのは、われわれの天敵だ」
「子どもさえいなければ、人間どもはとうにわれわれの手中にかんぜんにおちているはずだ」(裁判官)

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12章

「星の時間は気づかれないままにすぎさってしまうことがおおいのだ」(マイスター・ゼクンドゥス・ミヌティウス・ホラ、通称:マイスター・ホラ)

 

「けれどもし気がつく人がだれかいれば」
「そういうときには世のなかに大きなことがおこるのだよ」(マイスター・ホラ)

 

「時計があるだけじゃだめなんだ」
「この時計の読み方も知らなくては」(マイスター・ホラ)

 

「人間はひとりひとりがそれぞれじぶんの時間をもっている」(マイスター・ホラ)

 

「そしてこの時間は、ほんとうにじぶんのものであるあいだだけ」
「生きた時間でいられるのだよ」(マイスター・ホラ)

 

「あたしは、じぶんの時間をだれにもうばわせたりしない!」(モモ)

 

「言ってはだめだ!」
「モモはひとりでやれるんだから」(マイスター・ホラ)

 

「時間はある──それはいずれにしろたしかだ」(モモ)

 

「(時間は)一種の音楽なのよ」
「──いつでもひびいているから、人間がとりたてて聞きもしない音楽」(モモ)

 

「でもあたしは、ときどき聞いていたような気がする」
「とっても静かな音楽よ」(モモ)

 

「人間はじぶんの時間をどうするかは」
「じぶんできめなくてはならないからだよ」(マイスター・ホラ)

 

「だから時間をぬすまれないように守ることだって」
「じぶんでやらなくてはいけない」(マイスター・ホラ)

 

「もし人間が死とはなにかを知ったら」
「こわいと思わなくなるだろうにね」(マイスター・ホラ)

 

「そして死をおそれないようになれば」
「生きる時間を人間からぬすむようなことは、だれにもできなくなるはずだ」(マイスター・ホラ)

 

「あたし、ちっとも知らなかった」
「人間の時間があんなに……あんなに大きいなんて」(モモ)

 

「いいかね、地球が太陽をひとめぐりするあいだ」
「土のなかで眠って芽をだす日を待っている種のように、待つことだ」(マイスター・ホラ)

 

「ことばがおまえのなかで熟しきるまでには」
「それくらい長いときがひつようなのだよ」(マイスター・ホラ)

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第三部 13章

おぼれたものがわらでもつかむように、ジジはこういうやり方に必死でしがみつきました。
とにかくいまやお金もちで有名になっていたからです。

 

いまのジジは、聴衆の道化になりました。あやつり人形なのです。
そしてそれを自覚していました。

 

こうして、むかしの夢見るジジは、うそつきのジロラモになりはてたのです。

 

「モウダレモイナイ」
「スベテハスギサッタ」(カシオペイア、カメ)

 

「でもあたしは、あたしはまだここにいる……」(モモ)

 

14章

「食べるものはたくさんもらった、おおすぎるほどね」
「でも、満足した気もちにはちっともなれない」(モモ)

 

15章

「モモ、ひとつだけきみに言っておくけどね、人生でいちばん危険なことは」
「かなえられるはずのない夢が、かなえられてしまうことなんだよ」(ジジ)

 

16章

孤独というものには、いろいろあります。
でもモモのあじわっている孤独は、おそらくはごくわずかな人しか知らない孤独、
ましてこれほどのはげしさをもってのしかかってくる孤独は、
ほとんどだれひとり知らないでしょう。

 

それほどふかく、モモは時間の山にうずもれてしまったのです。

 

ほんとうの時間というものは、時計やカレンダーではかれるものではないのです。

 

「そんなのがおもしろいの?」(モモ)
「そういうことは問題じゃないのよ。それは口にしちゃいけないことなの」(マリア)
「(問題は) 将来の役に立つってことさ」(パオロ)

 

17章

「人間なんてものは、もうとっくからいらない生きものになっている」(灰色の男たち)

 

「この世界を人間のすむよちもないようにしてしまったのは、人間じしんじゃないか」
「こんどはわれわれがこの世界を支配する!」(灰色の男たち)

 

「たとえできたって、案内はしない」(モモ)

 

18章

「オソイホド、ハヤイ」(カシオペイア)

 

19章

「サキノコトハ、ワカリマス」
「アトノコトハ、カンガエマセン!」(カシオペイア)

 

「時間というものには、はじめがあったいじょう、おわりもある」(マイスター・ホラ)

 

「だがおわりは、人間がもはや時間をひつようとしなくなったときに」
「はじめてやってくるのだ」(マイスター・ホラ)

 

「わたしは、灰色の男たちに一秒たりともうばわせはしないよ」(マイスター・ホラ)

 

「人間はそんな時間をうけとったら病気になる、それも死ぬほどひどい病気になるのだ」
「この病気の名前はね、致死的退屈症というのだ」(マイスター・ホラ)

 

21章

(モモは)ほんとうの居場所にかえったのです──人間の心のなかに。

 

いまではだれにもじゅうぶんにその時間があるからです。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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