その白さえ嘘だとしても(河野裕)より言葉と名言の紹介

その白さえ嘘だとしても青(河野裕)

 クリスマス直前、階段島の唯一のライフラインであるネット通販が使えなくなる。

 

 動揺する島民に対し、さらに島の七不思議という奇妙な噂も流れ出す。

 

 その解決に奔走する七草と真辺由宇だったのだが...

 

 階段島シリーズの第2弾。

 

 

 →シリーズ一作目「いなくなれ、群青」へ

ヒーロー

 

 だとすれば一体いつ、僕はヒーローになることを諦めたのだろう?

  誰もが小さい時、ヒーローやヒロインに憧れる。

 

  しかしいつの間にか、なれないことに気づいてしまう。

 

  もしくは諦めてしまう。

 

  一体いつだっただろうか...

 

成長

 

 人の成長というのはおそらく、獲得よりは破棄なのだろう。

  大人になるに連れて、手に入れるものはたくさんある。

 

  しかしそれと同じぐらい無くす、もしくは隠してしまうものがある。

 

  人の感情などが一番分かりやすい。

 

  誰もが赤ちゃんの時、全ての感情を表現する。

 

  しかし大人になるにつれて、感情を隠すようになる。

 

  これは成長なのだろうか、それとも諦めなのだろうか...

 

真辺由宇

 

 さて、問題を解決する方法をみつけよう。

 彼女の心には希望しかない。もっとも本人にはそんな自覚さえないのかもしれない。
 失望を知らなければ、希望さえ理解できない。

  七草が考える、真辺由宇の思考法になる。

 

  人は困った状況が発生した時、未来のことを考えていろいろな想像をする。

 

  楽しいこともあれば、不安や焦りにつながることもある。

 

  しかし真辺由宇にとっては、「どうするか?」しか存在しない。

 

  簡単に言えば、「自分が正しいと思った行動をする」

 

  多くの人が考えていることのほとんどは、行動しないことで終わる。

 

  年配者がいたら「席を変わりたい」と考えても、実行するのは難しい。

 

  泣いている子供がいたら「慰めたい」と考えても、実際に行動するのは別問題となる。

 

  だからこそ、すぐ行動に移せる人を見ると羨ましくもあり、また苛立ちの対象にもなる。

 

常識

 

 あんまり、常識っていう言葉に納得したことはないよ。
 わかりやすくリストになってるわけでもないし。

  同級生が「常識」という言葉を使った時、真辺由宇が返した言葉になる。

 

  確かに常識を納得することは少ない。

 

  ただ「納得しないといけない」と考えるだけ。

 

  しかしこの本音こそが、問題をややこしくする。

 

  理解も納得もしなくても、受けれる方が楽になる...

 

自分

 

 人に合わせてばかりだと、自分にできることがわからなくなるよ。

  真辺由宇が、人の考えに同調ばかりする同級生に対して語ったこと。

 

  「空気を読む」というのは、周りの言いたいことを代弁すること。

 

  しかしそれは、決して自分の言葉ではない。

 

  しかし自分の言葉で話すと、「空気が読めない」になる。

 

  空気って読まないと行けないのですかね?

 

現実

 

 これだから現実は嫌いだ。努力が正当に評価されない。

  ゲームマニアの佐々岡が、現実で苦労している時につぶやいた言葉になる。

 

  ゲームはいくら難しくても、解決する方法がある。

 

  また繰り返していくうちに上達し、クリアー出来ることが多い。

 

  しかし現実は努力が報われるとは限らない。

 

  むしろ報われないことの方が多い。

 

  あくまでどちらを基準に、考えるかの差になるのだが...

 

友人

 

 僕は、真辺に無理やり友人を作ろうとしても、悲しいことにしかならないんじゃ
ないかと思っているけどね。

  真辺に友人を作ろうと考えている同級生に対して、七草が話したこと。

 

  「おせっかい」は、相手にとっては迷惑なもの。

 

  特に自分を信じている「おせっかい」ほど、迷惑度は上がっていく。

 

  さらに「自分の好意を無にされた」、と怒り出すようなら最悪だ。

 

  勘弁して欲しい...

 

本質

 

 いつでもそれが手に入るようになったころには、本質は失くしてしまっている。

  手に入らないから欲しくなる。

 

  しかし手に入ってしまうと、興味を無くすことは多い。

 

  そして更に、手に入らないものが欲しくなる。

 

  一度欲望に正直になると、際限は無くなってしまう...

 

強引

 

 僕はね、基本的には、相手の価値観を尊重しない人間が苦手だ。
 嫌いだと言ってもいい。
 でも、君みたいに強引に踏み込むやり方が、物事をずっと効率的に好転させる
ことだってある。

  七草が真辺由宇に対して話したこと。

 

  相手の意志を無視して自分の都合だけを押し付けると、大概は上手く行かない。

 

  しかし相手の都合ばかり考えて、対応が遅れることがあるのも事実だ。

 

  場合によれば家族の対応のように、善意だけによる強引な行動のみが、現状を変える
 力になることはある。

 

  特に相手が特殊な状況になった時、表面的な対応だけでは無理なことがある。

 

  どちらがいいとは言えないが、強引がいつも悪い訳ではない。

 

主人公

 

 オレたちは主人公なんだからさ、そんな日もあるよ。

  ゲーム好きの佐々岡の兄が話したこと。

 

  上手くいかない時、このような考え方がある。

 

  マンガでも小説でも主人公の途中は、上手くいかないことやピンチの連続になる。

 

  しかし結果は上手く行く。

 

  ピンチなども最終的に上手くいく、伏線になっていることもある。

 

  上手くいかないことも主人公の宿命である。

 

褒め言葉

 

 もちろん褒め言葉だよ。丁寧も、健全も、突き詰めればなんだって狂気的だ。

  ある芸術に「健全」という表現を使ったことに対して、説明した言葉になる。

 

  多くの人は突き詰めることはしない。

 

  どちらかに振れていることはあっても、ゼロと100にはならない。

 

  どのようなことでもこの状態になれば、少し怖い気がするのは事実...

 

 

 嘘は見破られた方が、楽だよ。
 そりゃ、一時は苦しいかもしれないけど、放っておいたらずっと苦しいままだから。

  嘘を指摘することに対して、真辺由宇の考え方になる。

 

  嘘はバレたくないが、「いつバレるか?」と心配し続けるのもツライこと。

 

  もちろんそれが一生引きずるような大問題なら分からない。

 

  しかし本人にとって大きくても、周りにとって小さな嘘なら、バレた方が楽なのは事実。

 

ルール

 

 ルールは守らないといけないと、私も思う。本来なら。
 でもどうしようもない事情があればやっぱり、例外も認められるべきだよ。
 世の中で起こることは、みんなルールブックに書いてしまえるほど単純じゃないから。

  あるルールに対して、真辺由宇が反論したこと。

 

  ルールは大切だし、守るのがルールである。

 

  しかしルールにこだわるあまり、あまりにも人間性を無視した時はある。

 

  それにすら例外が無いとすれば、あまりにも社会にアソビがなさすぎる。

 

  しかしその例外を、悪意を持って利用する人が出てくるのが難しい所だが...

 

正しいもの

 

 正しいものは暴力的だ。

  一言だが、非常にインパクトがある。

 

  「正しいもの」は「正論」に置き換えることも出来る。

 

  反論出来ない、もしくは許してもらえない言葉は、強い暴力性を持つ。

 

  正論も必要だが、時と場合による...

 

好奇心

 

 これは臆病者の好奇心のようなものです。

  ある手紙に書かれていた文面になる。

 

  どのように解釈するかは、読み手に任せます。

 

感想

 

  「いなくなれ、群青」の続編として期待して読みましたが、期待通りの内容でした。

 

  七草や真辺由宇はもちろん、佐々岡や委員長なども内面が細かく描かれていて
 よかったです。

 

  ただこの物語はファンタジーであり、これに共感出来るかの一点が問題になります。

 

  そのため読者を選ぶ作品でもあるでしょう。

 

  前作を面白いと感じた人なら、間違いなくおすすめの一冊です。

 

 

 

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