「故郷(魯迅)」の名言・台詞まとめました

「故郷(魯迅)」の名言・台詞をまとめていきます。

 

故郷

僕は厳しい寒さのなか、二千里も遠く、二十年も離れていた故郷へと帰っていく。(僕、本作の書き出し)

 

ああ、これは僕が二十年来思い続けてきた故郷ではないだろう。

僕が覚えている故郷とはこんなものではなかった。僕の故郷は遥かに美しかった。しかしその美しさを思い出し、その良さを語ろうとすると、その面影は消え、言葉も浮かばない。

やはりこんなものなのか。そこで僕は自分に言い聞かせることにした。故郷とは本来こんなものなのだ。(僕)

 

「喉が渇いてりゃ通りがかりにスイカ一個を食べるなんて、うちらのところじゃ泥棒なんて言わない」(閏土)

 

「なんだね、おまえさんたら遠慮なんかしちゃいけないよ。二人は昔は兄弟同様の仲だったでしょう。これまで通り、迅坊っちゃんと呼んだらいいさ」(母)

「いやもう、大奥様は本当に……それじゃあ世の中の決まりはどうなっちまいます。あのころは子供で、道理もわきまえず……」(閏土)

 

 

「(暮らしは)とてもやっていけません。六男も畑仕事が手伝えるようになりましたが、それでも食うに事欠くありさまで……」

「物騒な世の中で……どこへ行っても金を出せというし、決まりっていうものがなくなりました……それに不作で」

「育てた作物を、担いで売りに行けば、何度も税金を取られるんで、赤字だし、売りにいかなきゃ、腐るだけだし……」(閏土)

 

古い家はますます遠くなった。故郷の山河も次第に遠ざかっていくが、僕は少しも名残り惜しいとは思わなかった。

ただ僕のまわりに目に見えぬ高い壁ができて、僕一人が隔離されている気分で、ひどく落ち込んでいた。

あのスイカ畑の銀の首輪の小さな英雄のイメージは、これまではとてもはっきりしていたというのに、今では急にぼやけてしまい、それも僕をひどく悲しませた。(僕)

 

僕はあの(子供)二人が二度と僕のように、みんなから隔てられぬことを希望したい……。

だがそのいっぽうで彼らが仲間同志でありたいがために、僕のように苦しみのあまりのたうちまわって生きることを望まないし、彼らが閏土のように苦しみのあまり無感覚になって生きることも望まず、そして彼らがほかの人のように苦しみのあまり身勝手に生きることも望まない。

彼らは新しい人生を生きるべきだ、僕らが味わったことのない人生を。(僕)

 

いま僕の考えている希望も、僕の手製の偶像なのではあるまいか。ただ彼の願いは身近で、僕の願いは遥かに遠いのだ。(僕)

 

僕は考えた──希望とは本来あるとも言えないし、ないとも言えない。これはちょうど地上の道のようなもの、実は地上に本来道はないが、歩く人が多くなると、道ができるのだ。(僕)

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 
 
 
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