「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。(汐見夏衛)」の名言・台詞をまとめていきます。
あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。
君と出会った瞬間に、どうしようもないくらい目を奪われた。
君を知れば知るほど、どうしようもないくらい心を奪われた。(宮原涼)
こんなにも君に惹かれてしまうのは、どうしてなんだろう。(涼)
なぜだか、ずっと昔から知っていたような気がする。
君の澄んだ瞳を、そのまっすぐな心を、花開くような笑顔を。(涼)
第一章
〈恋した人には、愛する人がいました〉(ポスター)
いつかの記憶が甦ってくる。
映画の結末は、知りたくない。(涼)
あのとき、どうすればよかったのか、どうするべきだったのか。
これから、どうすればいいのか、どうするべきなのか。(涼)
考えても考えても、分からない。(涼)
第二章
物心ついたころから、繰り返し見る夢があった。
でも、まったく知らない女の子の夢を見るのは不思議だった。(涼)
知らないはずなのに、夢の世界で彼女と出会うたびに、その後ろ姿を見るだけで、
どうしようもなく懐かしいような、泣きそうに切ないような、(涼)
言葉にできない気持ちになるのだ。(涼)
同じ年ごろの人間たちの中で、自分ひとりだけが違う制服を着ている。
どうにも居心地が悪い。(涼)
なんて印象的な子なんだろう。
なぜか、顔も知らない夢の女の子を思い出した。(涼)
そんなはずないのに、『やっと見つけた』と、
自分でも意味不明な思いが込み上げてくる。(涼)
こんなに真正面から目が合ったのは、あの日──俺たちが出会った日以来だ。(涼)
世界が、止まったような気がした。(涼)
周りの音なんて、まったく聞こえない。
まるでふたりだけの世界にいるような──。(涼)
「(社会科見学は)──特攻資料館」(加納百合)
「特攻隊として体当たりして亡くなった人たちの」
「遺書とか遺品とかが展示されてる資料館」(百合)
彼女は暮れていく空をぼんやりと眺めているようだった。
時が止まったかのように、微動だにしない。(涼)
俺は魂を奪われた人間みたいに呆然と彼女を見つめた。
時間の感覚がなくなる。(涼)
「やっぱりすごいよ」
「普通はそんなふうに思えないし、思っても行動に移せないと思うから」(百合)
「……私、部活も習い事もしてなくて、ずっと続けてるものとか全然ないから」
「どんなことでも一生懸命やってる人たち本当にすごいなって思うよ」(百合)
「私、ちょっと前まで反抗期っていうか、いつも苛々してて」
「それ全部態度に出しちゃってたから……」(百合)
「やっと改心したんだけど、みんなまだ怖がってるから、びっくりさせないように」
「あんまり無駄に話しかけないことにしてる」(百合)
彼女のひたむきな視線の先にある夜空には、今にも降ってきそうな星たちが輝いていた。(涼)
もしかしたら彼女は、ひとつひとつの星に思いを馳せながら、
その数を数えているのかもしれない。(涼)
「……あんたたち、死ってどういうものか、分かってるの?」(百合)
「死ってものが、どれだけ重くて、大きくて、苦しくて、つらくて、悲しいものか」
「分かってるの?」(百合)
「……なんにも分かってないくせに」
「なんにも知らないくせに……死なんて言葉、軽々しく使うな!!」(百合)
「なにも知らなくてもいいんだ」
「あんなにひどい扱いを受けたことなんて、知らないほうがいい」(涼)
学校では人に囲まれていて、家に帰っても家族がいる。
自分の部屋にいたって常に人の気配があるし、外から車の音や人の声が聞こえてくる。(涼)
誰にも邪魔されずひとりで静かに考え事をすることができる場所は、意外と少ない。(涼)
「人の考え方って、なかなか変わらないから……」(百合)
「どんなに必死に自分の考えを訴えても、ちっとも分かってもらえなかったりする」(百合)
「おんなじ言葉を使ってても、それまでの環境とか生き方とかが違うと」
「まるで外国語みたいに伝わらないこともある」(百合)
「人を変えるのって、すごく難しいよ……」(百合)
「みんなが当たり前のように『死にそう』とか『死ぬほど』とか言ったり」
「冗談で『死ね』とか言うのを聞くたびに、なんていうか、息が苦しくなる……」(百合)
「……うん、頑張ってるよ」(涼)
「子どもっぽいって笑われるかもしれないけど……」
「俺、本気で、プロになりたいって思ってるから」(涼)
「……夢が見れるのって──将来の夢があるのって、すごく幸せなことだよね」(百合)
俺の生きる世界は平和だ、と実感する。(涼)
でも、それは別に俺が努力したからというわけじゃなくて、ただ運がよかっただけだ。
たまたま、争いのない時代、場所に生まれることができたというだけ(涼)
俺たちも三年経ったら十七歳になる。
三年後の俺は、国のために自ら死ぬことができるだろうか。(涼)
──できるわけがない。
無理に決まっている。(涼)
戦争なんて、病気だ。
心の病気だ。(涼)
敵に勝つことより、名誉より、土地や資源より、人の命が一番大切だということ、
そんな当たり前のことさえ分からなくなくなってしまう病気なんだ。(涼)
「……生まれ変わりって、信じる?」(百合)
「分からないけど……たとえば、この人たちが……戦争で亡くなった人たちの魂が」
「今の平和な日本に生まれ変わって、安全に幸せに暮らしてたらいいな……と思う」(涼)
「……前の学校の、部活の顧問が教えてくれたんだけどさ」
「”恩送り”って言葉があるんだって」(涼)
「恩をもらったら、それを次の人に送るって意味なんだって」(涼)
「前はね、別にいつ死んでもいいし、とか思ってたの」(百合)
「でも、戦争のことを知って……」
「生きたいのに生きることを許されなかった人がたくさんいるって知って」
「そういうのはやめようって思った」(百合)
「それを教えてくれた人たちを失望させない自分になれるように」
「これから頑張ろうって決めたの」(百合)
「しょうがない、なんて、言い訳だよ」(百合)
「……今からね、すごく変な話するけど…聞いてくれる?」
「私ね……戦時中の日本に行ったことあるんだ」(百合)
「……本当にひどい、残酷な世界だったけど、でも、そこで出会った人たちは」
「みんな優しくて、温かくて……」(百合)
「どこの誰かも分からない私を、みんなが助けて、そして受け入れてくれた」
「そこで私は──ふたりの大事な人に出会ったの」(百合)
「ひとりは、私の第二のお母さんみたいな人」(百合)
「もうひとりは、行き倒れてた私を最初に見つけて、助けてくれた人」
「その人は、特攻隊員だった」(百合)
「あのときね……初めて涼を見たとき、私、すごくびっくりしたんだ」
「だからきっと変なふうに見えて、印象に残ったんだね」(百合)
「……あきらだ、って分かったから」
「涼が──あきらの生まれ変わりだって、私には分かったから」(百合)
でも、俺はあきらさんじゃない。
百合が好きなのは、俺じゃない。(涼)
星明かりが降り注ぐ丘で、百合の花の香りに包まれながら、俺たちは声もなく涙を流した。
きっと世界の終わりは、こんなふうに虚ろで静かなんだろう。(涼)
第三章
忘れられるわけがなかった。
でも、俺が自分から離れたのだ。
忘れられないとしても、諦めるしかない。(涼)
「もしかしたらうまくいったかもしれなかったのに、私のせいでだめになっちゃった」(百合)
知っている。
覚えている。
この手紙を。(涼)
俺は確かに、この手紙を書いた。
記憶はないはずなのに、心が覚えている。(涼)
この感情を、はっきりと覚えている。(涼)
百合を想う彰さんの気持ちは、どうしようもなく俺の中に根づいている。
魂に染みついている。(涼)
俺は、彰さんなんだ。(涼)
今の俺で、もう一度、君と出会いたい。
君と出会い直したい。(涼)
君とまた出会えたら、今度こそは──。(涼)
「あのときの私は、自分の気持ちに自信がなかったの」
「自分の気持ちが分からなかった」(百合)
「涼のことが好きなのか、彰の代わりとして見てしまってるのか」
「自分でも分からない……って思ってた」(百合)
「あのときの私が一番欲しかった言葉を」
「一番欲しかったときに言ってくれたのは、涼だよ」(百合)
「あのときの私を救ってくれたのは、涼の言葉だった」
「涼が涼として体験してきたこと、涼の経験から生まれた言葉が私を救ってくれた」(百合)
「彰のこと、今でも忘れられない」
「たぶん一生忘れない」(百合)
「彰のことが好きなのとはまた別の形で、別の意味で、彰と混同してるんじゃなくて」
「涼自身のことを……」(百合)
「……涼が好きだなって思った」(百合)
「あんなのは……二度と、繰り返しちゃいけないから」
「だから私は、この世界から争いをなくしたい」(百合)
「そんなの無理だ、戦争や紛争がなくなるわけないって言う人もいるけど」
「でも私は、今もどこかで苦しめられている人たちがいることが」(百合)
「どうしても我慢できない……」
「もう二度と、あんな悲しいことを、繰り返しちゃいけないから」(百合)
俺と百合は、惹かれ合う運命だったのだ。
俺は、魂ごと百合に惹かれたんだ。(涼)
「……俺が百合を守るよ」(涼)
「別に守ってくれなくてもいいよ」
「ただ一緒にいるだけでいい」(百合)
第四章
「俺は、彰さんとのことも含めて百合が好きだ」
「彰さんを愛した百合のことが好きなんだ」(涼)
「俺が惹かれた百合は、きっと彰さんと出会ったことによって変わって」
「新しく生まれた百合だから」(涼)
最後まで読んで頂きありがとうございました。