「現代語訳 にごりえ(樋口一葉)」の名言・台詞まとめ

「現代語訳 にごりえ(樋口一葉)」の名言・台詞をまとめていきます。

 

現代語訳 にごりえ

「あとでは無いもんだ、来る気も無いくせに。本当に女房持ちになっては仕方がないね」(お高)

 

「たいそうぼやいているね。何もそんなに心配することはないさ。焼けぼっくいと何とやら、またよりの戻る事もあるよ、心配しないでおまじないでもして待つがいいさ」(お力)

 

「力ちゃんと違って私にはウデが無いからね、一人でも逃しては残念さ。私のような運の悪い者にはまじないも何もききはしない」(お高)

 

「ご親切にありがとう。ご意見は承りおきます。だけど私はどうもあんな奴は虫が好かないから、縁が無かったとあきらめて下さい」(お力)

 

「あれは昔の夢がたりさ。何の今は忘れてしまって源とも七とも思い出しもしない」(お力)

 

「(無作法は)お力流という菊の井一家の左法、畳に酒を呑ます流儀もあれば、大きな椀の蓋であおらせる流儀もあり、いやなお人にはお酌せぬというのが大詰めの極意でございます」(お力)

 

「いくら毎日を嘘の中に送っているとしてもちっとは誠も交じる筈。夫はあったか、それとも親のためか」(結城朝之助)

 

「こんな私でも人間ですから少しは心にしみる事もありまする。親は早くに亡くなって今はひとりぼっち」

「こんな女ですけど女房に持ちたいと言って下さる方も無いではないですが、未だ夫はおりません。こんなに下品に育ちました身なればこの様な事をして終わるのでございましょう」(お力)

 

「嘘か誠か九十九夜の辛抱をなさりませ、菊の井のお力は鋳型に入った女でございませぬ、又形の変わる事もありまする」(お力)

 

「ああ、あなたらしくもない。お力が無理にも商売していられるのは、酒のおかげとお思いなりませぬか。私から酒気が離れたら、お座敷がお通夜のようになりましょう」(お力)

 

「病気ではございませぬ、ただこんな風になってこんなことを思うのです」(お力)

 

「およしなさいまし、お聞きになってもつまらぬことでございます」(お力)

 

「ほんに因果とでもいうものか、私ほど悲しい者はあるまいと思います」

 

「なぜと言われてもいけません。私はわがままですから、申すまいと思う時はどうしても嫌なんです」

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今の稼業に誠はない。
それでも百人の中の一人は本当の涙をこぼす者がいる。

 

ああ嫌だ嫌だ嫌だ。どうしたら人の声も聞こえない、物の音もしない、静かな、静かな、自分の心も何もぼうっとして悩みのないところへ行かれるであろう。(お力)

 

情けないとしても誰も哀れと思ってくれる人はあるはずもなく、悲しいと言えば商売がらを嫌うのかひとくちに言われてしまう。

ええいどうでも勝手になれ、勝手になれ。私にはこれ以上考えても自分の身の行き方は分からないのだから、分からぬなりに菊の井のお力を通してゆこう。(お力)

 

こんな身で、こんな仕事で、こんな宿命で、どうしたからといってどうせ人並みでは無いにきまっている。人並の事を考えて苦労するだけ間違いだ。(お力)

 

「いったいなにを悩みましょう。私がときおり気まぐれを起こすのは人のすることではなくて、みな自分が浅ましいことでございます」(お力)

 

「何より先に、私が自堕落なのを承知しておいてください」

「もとより箱入りの生娘ではありませんから、察していてくださるでしょうが、きれい事を言いましてもこのあたりの人に泥の中の蓮とやら、悪業に染まらぬ女がいたら、繁昌どころか見に来る人もないでしょう」(お力)

 

「お酒の上ということではないので、醒めて考え直すこともないでしょうが、よく考えて見てください。たとえどのような貧苦の中でも二人揃って育てる子は長者の暮らしといいまする」

「別れれば片親、何につけても不憫なのはこの子と思いませんか。ああ、性根がくさった人には子供の可愛さも分かりますまい。もうお別れ申します」(お初)

 

諸説入り乱れて確かなことはわからないが、恨みは長く残るのか、人魂か何かわからない筋を引く光る物が、お寺の山の小高きところから、ときおり飛ぶのを見た者がいるということである。(本作のラスト)

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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