夜空の呪いに色はない(河野裕)

郵便配達人・時任。彼女は心の奥底に、ある傷を抱えていた。
七草と真辺は、大地を現実に戻すべく奔走する。
階段島シリーズ第5弾。

スポンサーリンク

決意

手を抜くつもりはない。でも僕の幸せは、敗北の方にある。

真辺由宇と対立を決めた、七草の言葉になる。
全力で戦う。しかし勝つことは望んでいない。
一見、矛盾しているように見える。しかし感覚的には理解できる。
多くの人も理解できるのだろうか?

自由の責任

なんでも思い通りになるから。なにが思い通りなのか、決めなきゃいけない。

「自由に決めていい」
これにより全て自由かと言えば、そうではない。決定に対する責任が残っている。
その責任を人のせいに出来る人は、気にならないかもしれない。
しかしその責任を自分のせいと考える人は、自由自体が苦痛となる。

危険人物

ここに強い関心を持っているなら、君だって危険だよ。

潰したい人と守りたい人がいるとする。
それぞれがその対象に対して、強い関心を持っている。
潰したい人が危険なのは間違いない。しかし守る人がなぜ危険なのだろうか?
関心が無ければ、当然のように干渉しない。
しかし守るとは言え関心があれば、当然のように干渉してくる。
それは多くの人に影響を与える。そして自分自身の考えが変わることもある。

信頼

信頼という言葉が苦手だ。なんだか暴力的だから。

信頼という言葉は、本来プラスのイメージになる。
しかし「信頼している」といわれたら、「信頼を裏切れない」というプレッシャーにもなる。
それは「拘束」もイメージさせる。
信頼を感じるのは自由だが、言葉にして話すのは自由では無いのかもしれない。

本心と嘘

本心だって、嘘になることがある。

本心なのに嘘とは、どういうことだろうか?
今日の自分にとっては本心だとしても、明日の自分の本心とは違うかもしれない。
その場合、今日の本心は嘘だったことになる。
ただ明日にとっては嘘になるが、その時はホントのことになる。
嘘は言っていなくても、嘘になることはある。

悩むこと

夜がくるたび悩みなさい。夜がくるたび、決断しなさい。
振り返って、後悔して、以前決めたことが間違いならそれを認めて。
誠実な夜を繰り返すと、いずれ、まともな大人になれます。

子供にとって夜に悩むのは普通のこと。そして必要なこと。
これを繰り返し、そして乗り越えないと、おかしな大人になるのかもしれない。

悩み続けること

なんでも、悩んでいたいよ。本当はなんにもできなくても、できることを探していたいよ。
どこかでこれでいいって決めたら、それで満足しちゃいそうだから。

悩まないことが許せない、真辺由宇の言葉になる。
子供の時はよく悩んでいた。しかし大人になると悩む機会が減ってきた。
それは成長なのかもしれない。しかし諦めなのかもしれない。

変わること

本当に変わりたければ、捨てちゃいけないんだよ。

物なら捨てることで変わるかもしれない。しかし感情は捨てることでは変われない。
感情は捨てるのではなく、向き合わないといけない。
そして理解し乗り越えないといけない。
それが悪感情で合ったとしても、だからこそ捨ててはいけない。

諦めと優しさ

諦める言い訳に、優しさを使わないで。

この言葉について意味は分かるが、よく理解は出来ない。
読み手の判断に任せたい。

結果論

たぶん、本当の自分なんか、結果論みたいなものなんです。

「自分が何をしたいか分からない」と多くの人が言う。
しかし自分のしたいことをしたとしても、本当にしたかったこととは限らない。
逆に何気なくしたことが、本当のしかたったことになるかもしれない。
本来、何をしたいのかは意味が無い。何をしたのが良かったかが大切になる。

決断

すべての決断は、苦しい。大きな責任を伴う決断は、より苦しい。

決断は苦しく、そして難しい。それは大小に関わらず、責任が伴うから。
そういう意味では、誰も決断したくないのかもしれない。
しかし毎日のように決断しなければいけないので、それが苦しさになる。
しかしそれから逃げると、何も残らない。

多数決

だから多数決で探しているのは正解じゃなくて、言い訳なんだよ。

多数派が正しいとは限らない。少数派が間違ってるとも限らない。
それは可能性の差に過ぎない。
しかし間違ってたとしても、多数派なら「仕方ない」という言い訳が出来る。
もし少数派を選んだら言い訳は出来ない。
多くの人が多数決を採用するのは、これが本質かもしれない。

世界

今は世界が、シンプルに見える。

方向性が決まった真辺由宇から見える世界となる。
本来、物事はシンプルである。しかし勝手に複雑にしている。
その勝手な部分を取り除けば、当然シンプルな世界が残る。
人をシンプルな世界に導くのが、優秀な指導者なのかもしれない。

後悔と選択

じゃあ、後悔しない選択なんて、どこにあるっていうんだ?

正確に言えば、あらゆる選択や決断には後悔が残る。
ただその後悔を感じるか感じないかの差に過ぎない。
悩んだのだから、選ばなかった方にも良さが有るはず。それは間違いのない事実となる。
その点を考えれば、常に決断には不満や不安が残る。
しかし考えなければ、後悔は残らない。
後悔なんて考え方に過ぎない。

感想

非常に作り込まれた作品でした。しかしその分、よく理解できない作品でもありました。
階段島と現実、魔女や魔法などが入り混じり、少し混乱しました。
ストーリーは引き込まれる感じです。
しかし面白いという感じは見つかりません。ハラハラドキドキもしません。
悩める若者向けという感じです。

↓アマゾンへ(よろしくお願いします)
夜空の呪いに色はない(新潮文庫)

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

スポンサーリンク
関連記事&スポンサーリンク