「D坂の殺人事件(江戸川乱歩)」の名言・台詞まとめ

「D坂の殺人事件(江戸川乱歩)」の名言・台詞をまとめていきます。

 

D坂の殺人事件

(上) 事実

「絶対に発見されない犯罪というものは不可能でしょうか。僕はずいぶん可能性があると思うのですがね」(明智小五郎)

 

「とても蘇生の見込みはありませんよ。早く警察へ知らせなきゃ」
「近所へはまだ知らせない方がいいでしょう。手掛りを消してしまってはいけないから」(明智)

 

「君は、ポーの『ル・モルグ』やルルーの『黄色の部屋』などの材料になった、あのパリのRose Delacourt事件を知っているでしょう」
「百年以上たった今日でも、まだ謎として残っているあの不思議な殺人事件を」

「僕はあれを思い出したのですよ。今夜の事件も犯人の立ち去った跡のないところは、どうやら、あれに似てるのではありませんか」(明智)

 

「よく、日本の建築では外国の探偵小説にあるような深刻な犯罪は起こらないなんていいますが、僕は決してそうじゃないと思いますよ、現にこうした事件もあるのですからね」(私)

 

(下) 推理

「どうも(この部屋は)狭くっていけませんが、それに、座蒲団がないのです。すみませんが、やわらかそうな本の上へでもすわってください」(明智)

 

「僕は人間を研究しているんですよ」(明智)

 

「いや失敬失敬、決して笑うつもりはなかったのですが、君があまりにまじめだもんだから」

「君の考えはなかなか面白いですよ。僕は君のような友だちを見つけたことをうれしく思いますよ。しかし惜しいことには、君の推理はあまりに外面的で、そして物質的ですよ」(明智)

 

「人間の観察や人間の記憶なんて、実にたよりないものですよ」(明智)

 

「僕のやり方は、君とは少し違うのです。物質的な証拠なんてものは、解釈の仕方でどうにでもなるものですよ。いちばんいい探偵法は、心理的に人の心の奥底を見抜くことです」(明智)

 

「昔の名判官とか名探偵とかいわれた人は、心理学が今のように発達しない以前から、ただ彼らの天禀によって、知らずしらずのあいだにこの心理学的方法を実行していたではありませんか」

「心理学者の色々な機械的方法は、ただこうした天禀の洞察力を持たぬ凡人のために作られたものにすぎませんよ」(明智)

 

「(犯人は)なぜに殺人罪をおかしたか……」

「僕はこの事件によって、うわべはきわめて何気なさそうなこの人生の裏面に、どんなに意外な陰惨な秘密が隠されているかということを、まざまざと見せつけられたような気がします」

「それは実はあの悪夢の世界でしか見出すことのできない種類のものだったのです」(明智)

 

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