「ノルウェイの森(村上春樹)」より名言・台詞をまとめていきます。
ノルウェイの森
第一章
「だって誰かが誰かをずっと永遠に守りつづけるなんて、そんなこと不可能だからよ」
「どうしてそんなこと言うの?」
「肩の力を抜けば体が軽くなることくらい私にもわかっているわよ。そんなこと言ってもらったって何の役にも立たないのよ」
「いつまでも忘れないさ。君のことを忘れられるわけがないよ」
僕はときどきひどく不安な気持になってしまう。ひょっとして自分はいちばん肝心な部分の記憶を失ってしまっているんじゃないかとふと思うからだ。
全てがあまりにもくっきりとしすぎていて、どこから手をつければいいのかがわからなかったのだ。
文章という不完全な容器に盛ることができるのは不完全な記憶や不完全な想いでしかないのだ。
第二章
「ここで暮らすしかないんだと思えば、それなりに暮らせる。そういうことだよ」
「ちゃんとした言葉っていうのはいつももう一人の私が抱えていて、こっちの私は絶対にそれに追いつけないの」
「みんな自分を表現しようとして、でも正確に表現できなくてそれでイライラするんだ」
死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。
第三章
「現代文学を信用しないというわけじゃないよ。ただ俺は時の洗礼を受けてないものを読んで貴重な時間を無駄に費したくないんだ。人生は短い」
「他人と同じものを読んでいれば他人と同じ考え方しかできなくなる」
「二十歳になるなんてなんだか馬鹿みたいだわ。私、二十歳になる準備なんて全然できてないのよ。変な気分。なんだかうしろから無理に押し出されちゃったみたいね」
第四章
「孤独が好きな人間なんていないさ。無理に友だちを作らないだけだよ。そんなことしたってがっかりするだけだもの」
「人生にそんなもの必要ないんだ。必要なものは理想ではなく行動規範だ」
「自分がやりたいことをやるのではなく、やるべきことをやるのが紳士だ」
「ねえ、お金持であることの最大の利点ってなんだと思う?」
「お金がないって言えることなのよ」
「たぶんあまりに長く待ちすぎたせいね、私すごく完璧なものを求めてるの。だからむずかしいのよ」
「ある種の人々にとって愛というのはすごくささやかな、あるいは下らないところから始まるのよ。そこからじゃないと始まらないのよ」
第六章
「死んだ人はずっと死んだままだけど、私たちはこれからも生きていかなきゃならないんだもの」
「だって外の世界ではみんなが何もかも正直にしゃべってるわけではないでしょ?」
「いちばん大事なことはね、焦らないことよ」
「物事が手に負えないくらい入りくんで絡みあっていても絶望的な気持になったり、短気を起こして無理にひっぱったりしちゃ駄目なのよ」
「直子を大事にしたいと思うなら自分も大事にしなさいね」
「私たち二人は離れることができない関係だったのよ。だからもしキズキ君が生きていたら、私たちたぶん一緒にいて、愛しあっていて、そして少しずつ不幸になっていったと思うわ」
「ねえ、君はわかってない。どうなるかといった問題ではないんだよ」
「あなたの人生の邪魔をしたくないの。誰の人生の邪魔もしたくないの」
「さっきも言ったようにときどき会いに来て、そして私のことをいつまでも覚えていて。私が望むのはそれだけなのよ」
ノルウェイの森 下巻
第六章(承前)
「私たちがまともな点は、自分たちがまともじゃないってわかっていることよね」
「こんな風に雨が降ってるとまるで世界には私たち三人しかいないって気がするわね」
第七章
「たぶん世界にまだうまく馴染めてないんだよ」
「何もかも放り出して誰も知っている人のいないところに行っちゃうのって素晴らしいと思わない?」
人の死というものは小さな奇妙な思い出をあとに残していくものだ。
こんな日曜日をいったい何十回、何百回くりかえすことになるのだろうかとふと思った。
日曜日には僕はねじを巻かないのだ。
第八章
「ゲームと同じさ。ルールがひとつわかったら、あとはいくつやったってみんな同じなんだよ」
「世の中というのは原理的に不公平なものなんだよ。それは俺のせいじゃない。はじめからそうなってるんだ」
「ときどき俺は世間を見まわして本当にうんざりするんだ。どうしてこいつらは努力というものをしないんだろう。努力もせずに不平ばかり言うんだろうってね」
「あれは努力じゃなくてただの労働だ」
「そういうのってたぶんどうしようもないことなのよ。自分ではどうしようもないことなのよ」
第十章
「自分に同情するな。自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」
「そう思いたいね。そう思わないと救いがない」
「時間がほしいんだ。考えたり、整理したり、判断したりする時間がほしいんだ。悪いとは思うけど、今はそうとしか言えないんだ」
「私に何をしてもかまわないけれど、傷つけることだけはやめてね。私これまでの人生で十分に傷ついてきたし、これ以上傷つきたくないの。幸せになりたいのよ」
第十一章
「私にはそれがわかるの。それはやって来て、もう去っていってしまったものなの」
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。