コーヒーが冷めないうちに(川口俊和)

喫茶店の名はフニクリフニクラ。
この喫茶店には、過去に戻れるという都市伝説が存在した。
今日もまた、そこを目指してお客が来店するのだが...
喫茶店で繰り広げられる、四つの短編物語。

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過去

あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?

名言と言うよりは、自分のことを振り返る言葉です。
過去には戻れない。もちろん変えることも出来ない。
しかしたまには過去を振り返るのも、いいものかもしれないですね。

過去と現実

過去に戻ってどんな努力をしても現実は変わりませんよ?

この喫茶店の過去に戻るルールの一つになる。
この小説は別にしても、過去を考えても何も変わらない。
「あの時このような行動をしていれば」と反省しても、もちろん何も変わらない。
しかしだからこそ、今が大切なのかもしれない。

決め台詞

コーヒーが、冷めないうちに...

過去へ戻る人への忠告になる。
特に深い意味はないが、決め台詞になるのでピックアップしました。

過去と未来

未来はまだ訪れてませんから、それはお客様次第かと...

過去で何をしても現実は変わらないというルールがある。
しかし現実が変わらないからと言って、未来が変わらないとは限らない。
この意味を改めて問いかけたい。

奇跡とルール

これは奇跡ではない。ルールなのだ。

喫茶店におけるルールについて、考えたことになる。
この物語は現実を利用したファンタジーなので、この意味を考えても仕方がない。
ただフレーズがよかったのでピックアップしました。

悲しさの表現

私、これでもちゃんと悲しんでるから...
でも、ほら、そういうのって、全身で出せばいいってもんじゃないでしょ?

妹が亡くなったのに、普通にしている常連客。
それを見ている周りの人の方が意識している時、常連客が話したことになる。
人は悲しい表情をしている人しか、悲しんでいると判断することが出来ない。
言い方を変えれば、悲しんでなくても悲しんでいる表情をすれば、人を騙せることになる。
このように考えれば、人前で悲しむ表情自体が、人から同情を誘うための手段となる。

生きる意味

生きている私のこれからの生き方が、あの子の「生まれてきた意味」を創るんじゃないかな?

亡くなった人物に対して、考えたことになる。
ネタバレ的な要素がありますので、詳細を伏せておきます。

受け入れ方

人間は、見たもの、聞いた事を、そのまま受け入れる事はない。

もし人が全てを事実だけで捉えていたら、同じ感覚が生まれるはずです。
美しいものは美しいし、醜いものは醜い。しかしそのようにはならない。
面白いという感覚も違う。好き嫌いも違う。だからこそ人は面白いのかもしれない。

別の視点

大好きな人の悲しい顔を見るのはつらい事よね?
だから、あなたが毎日笑っていれば、箱の中のお父さんもかならず笑顔になれる。

ある家族の父親が亡くなった。しかし母親は終始、笑顔で過ごしていた。
それに対して娘が聞いた時、母親が答えたのが今回の言葉になる。
一つの考え方としては間違っていない。
しかし人から誤解を受けるのも、残念ながら事実となる。

現実

現実が変わったんじゃない。

過去で何をしても現実は変わらないというルールがある。しかし現実とは何だろうか?
実は現実は2つある。事実としての現実と、真実としての現実だ。
事実は変わらないが、真実は変わるのである。

感想

まずこの作品については、映画の宣伝に伴いミーハーな気分で読みました。
そのため「4回泣けます」という印象を引きずって読んだことなります。
その結果、全然、泣ける要素は見つかりませんでした。
人が多く死んだり、またアルツハイマーなどの要素がありますので、悲しくはありますがそれだけです。
そのため正直な所、それを目的にする人にはおすすめしません。
ただファンタジー的な要素のある、読みやすい作品であることには間違いありません。
あまり先入観を持たずに、軽い感覚で読むには最適な小説です。

コーヒーが冷めないうちに
川口俊和
サンマーク出版
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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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