「偸盗(芥川龍之介)」の名言まとめました

「偸盗(芥川龍之介)」の名言をまとめていきます。

偸盗

「何年前でも、同じ事だよ。一度した事は、三度するって云うじゃないか。三度だけなら、まだいい方さ。私なんぞは、この年まで、同じ莫迦を、何度したか、わかりゃしないよ」(猪熊のお婆)

 

都も昔の都でなければ、自分も昔の自分ではない。(お婆)

 

「だって、人間が犬に食われるのを、黙って見てもいられないじゃないか」(次郎)
「その癖、人間が人間を殺すのは、お互に平気で、見ているじゃないか」(お婆)

 

「が、して見ると、意外と造作がない。己は何時の間にか、悪事を働くのが、人間の自然かも知れないと思い出した」(太郎)

 

己の二十年の生涯は、沙金のあの眼の中に宿っている。だから沙金を失うのは、今までの己を失うのと、変わりない。(太郎)

 

自分は、沙金を憎んでいる。が、あの女の眼を見ると、自分はやっぱり、誘惑に陥ってしまう。あの女のように、醜い魂と、美しい肉身とを持った人間は、外にいない。(次郎)

 

「そりゃ、女夜叉かも知れないわ。唯、こんな女夜叉に惚れられたのが、あなたの因果だわね」(沙金)

 

「あなたの為なら、妾誰を殺してもいい」(沙金)

 

「が、よいか、親を殺すからは、おぬしも、畜生じゃぞよ。畜生が畜生を殺す──これは、面白かろう」(猪熊の爺)

 

「どうせみんな畜生だ」(太郎)

 

(阿濃は)現ながらの夢を見た。人間の苦しみを忘れた、しかも又人間の苦しみに色づけられた、うつくしく、傷しい夢である。

そこでは、一切の悪が、眼底を払って、消えてしまう。が、人間の悲しみだけは、──空をみたしている月の光のように、大きな人間の悲しみだけは、やはりさびしく厳に残っている。

 

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