「名人伝(中島敦)」の名言・台詞まとめ

「名人伝(中島敦)」の名言・台詞をまとめていきます。

名人伝

先ず瞬きせざることを学べ。(飛衛)

 

最早、鋭利な錐の先を以て瞼を突かれても、まばたきをせぬまでになっていた。(紀昌)

 

瞬かざるのみでは未だ射を授けるに足りぬ。

次には、視ることを学べ。視ることに熟して、さて、小を視ること大の如く、微を見ること著の如くなったならば、来って我に告げるがよい。(飛衛)

 

或日ふと気が付くと、窓の虱が馬のような大きさに見えていた。
表へ出る。彼は我が眼を疑った。人は高塔であった。馬は山であった。

 

天下第一の名人となるためには、どうあっても飛衛を除かねばならぬ。(紀昌)

 

老師の技に比べれば、我々の射の如きは殆ど児戯に類する。儞の師と頼むべきは、今は甘蠅師の外にあるまい。(飛衛)

 

一通り出来るようじゃな。
だが、それは所詮射之射というもの、好漢未だ不射之射を知らぬと見える。(甘蠅)

 

弓矢の要る中はまだ射之射じゃ。不射之射には、烏漆の弓も粛慎の矢もいらぬ。(甘蠅)

 

至為は為す無く、至言は言を去り、至射は射ることなし。(紀昌)

 

既に、我と彼との別、是と非との分を知らぬ。眼は耳の如く、耳は鼻の如く、鼻は口の如くと思われる。(紀昌)

 

その後当分の間、邯鄲の都では、画家は絵筆を隠し、楽人は瑟の絃を断ち、工匠は規矩を手にするのを恥じたということである。
(紀昌が弓を見ても理解できない姿を見て)

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

李陵・山月記 (新潮文庫)

 

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