「読書について(ショーペンハウアー)」の名言まとめ

「読書について(ショーペンハウアー)」の名言をまとめていきます。

 

読書について

読書について

どんなにたくさんあっても整理されていない蔵書より、ほどよい冊数で、きちんと整理されている蔵書のほうが、ずっと役に立つ。

 

学者、物知りとは書物を読破した人のことだ。だが思想家、天才、世界に光をもたらし、人類の進歩をうながす人とは、世界という書物を直接読破した人のことだ。

 

読書は自分で考えることの代わりにしかならない。自分の思索の手綱を他人にゆだねることだ。

 

さんざん苦労して、時間をかけて自分の頭で考え、総合的に判断して真理と洞察にたどりついたのに、ある本を見たら、それが完璧な形でさらりと書かれていた──そんなこともあるかもしれない。

だが自分の頭で考えて手に入れた真理と洞察には、百倍の値打ちがある。

 

人生を読書についやし、本から知識をくみとった人は、たくさんの旅行案内書をながめて、その土地に詳しくなった人のようなものだ。

こうした人は雑多な情報を提供できるが、結局のところ、土地の実情についての知識はバラバラで、明確でも綿密でもない。

 

読書のために、現実世界から目をそらすことがあってはならない。読書よりもずっと頻繁に、現実世界では、自分の頭で考えるきっかけが生まれ、そうした気分になれるからである。

 

考えている人にとって価値ある考えは、たくさんある。だが反響や反撥を経てなおも効力ある思想、すなわち、書き下ろした後も読者の共感を得られる思想はごくわずかだ。

 

よく考えてみると、人間はきわめて広い意味で、「あれこれ思う生き物」にすぎないという見解に達する。すると、無思慮・無知という特徴をみても、なんら違和感をおぼえない。

 

著述と文体について

どんな作家でも、かせぐために書きはじめたとたん、質が下がる。偉大なる人々の最高傑作はいずれも、無報酬か、ごくわずかな報酬で書かねばならなかった時代の作品だ。

 

できれば原著者、そのテーマの創設者・発見者の書いたものを読みなさい。
新しいものがよいものであることは稀だ。

 

小細工に走る作品は称賛の的だった粉飾がはげ落ちると、その後ずっと無残な姿をさらすことになる。

 

シンプルであることは、いつの時代も真理の特徴であるばかりでなく、天才の特徴でもあった。

 

わずかな思想を伝えるのに、多くの言葉をついやすのは、まぎれもなく凡庸のしるしだ。これに対して多くの思想を少ない言葉におさめるのは、卓越した頭脳のあかしだ。

 

あらかじめ設計図を描き、細部にいたるまで考え抜いて仕事にあたる建築家のような書き手は少ない。むしろほとんどの書き手はドミノゲームのように事を進める。

 

読書について

無知は人間の品位を落とす。しかし人格の下落がはじまるのは、無知な人間が金持ちになったときだ。

 

人々はあらゆる時代の最良の書を読む代わりに、年がら年じゅう最新刊ばかり読み、いっぽう書き手の考えは堂々巡りし、狭い世界にとどまる。

こうして時代はますます深く、みずからつくり出したぬかるみにはまってゆく。

 

良書を読むための条件は、悪書を読まないことだ。なにしろ人生は短く、時間とエネルギーには限りがあるのだから。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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