「現代語抄訳 言志四録(佐藤一斎)」の名言まとめ

「現代語抄訳 言志四録(佐藤一斎)」の名言をまとめていきます。

 

現代語抄訳 言志四録

Ⅰ 言志録

最も優れた人は天を師とし、次に優れた人は聖人を師とし、その次に優れた人は書物を師とする。

 

志を立てて成功するには、恥をかくことが肝心である。

 

心静かにして、自然が生み出す草花の様子を見ていると、少しの無理もなく、強いてやってやろうという気構えがまったくない。

 

実力もないのに名誉を求めるのは邪心である。だが、当然受けるべき名誉を避けるのも邪心である。

 

度量があって、人を受け入れるのは美徳である。だが、その場合、善と悪があって、善を受け入れるのはよいが、悪を受け入れるのはよくない。

 

自分の置かれている身分(立場)を知れば、過分なことは望めないし、また天分(才能)を自覚すれば、現状で満足することを知る。

 

過去の過ちを後悔する人はいるが、現在していることの過ちを改める者は少ない。

 

才能は剣のようなものだ。よく使うと身を守り、悪く使うと身を滅ぼす。

 

役職や給料を辞退することは、たやすいことだ。だが、目先の小さな利益に動かされないことは難しい。

 

 

利益というものは天下の公共物で、利を得ることは悪いことではない。ただ、利を独占するのは、他人に怨まれるもととなるのでよろしくない。

 

一人前の男は、自分自身の力に頼るべきであって、他人の財力や権力に頼るような弱気な心を出してはならない。
天を動かし地を驚かすような大事業も、すべては一個の自分からつくり出されたものである。

 

人から信用されることは難しい。いくらうまいことをいっても、人はその言葉を信用しないで、その人の行動を信じるからだ。
いや、行動を信じるのではなく、その人の心のあり方を信じるのである。

 

言葉を慎むことは、すなわち行動を慎むことである。

 

Ⅱ 言志後録

すべての過失は慎みがないことから起こる。よく慎んでいれば過失は自然と減ってくるものだ。もし、過ちを犯したならば、速やかに改めるがよい。これも自分を慎むことである。

 

本当の功績、名誉は、道徳によって得られ、本当の損得は正義によるものである。

 

自然の法則によって得たものは強固であり、人の知恵によって得たものはもろい。

 

Ⅲ 言志晩録

濁った水もまた水であり、澄めば清水となる。カラ元気も元気のうちである。一転すれば正大な気になる。
このカラ元気を正気にするには、ただ自分の私欲に克ち、正しい礼に変えることである。

 

人の話しを聞くときには虚心坦懐、すなわち心を素直にして聞くべきである。仮にも耳慣れた意見ばかりをよしとして、異なる意見を嫌ってはいけない。

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少にして学べば、即ち壮にして為すこと有り。
壮にして学べば、即ち老いて衰えず。
老いて学べば、即ち死して朽ちず。
(有名な言葉であり簡潔のため、原文を記載しています)

 

国が乱れているときに、わが身を国のために捧げるといいうのは、さほど難しいことではない。だが、世の中が平安のときに、国のために身を粉にして奉公するのは困難なことである。

 

「水が清らかに澄みすぎていると魚は棲まないし、木がまっすぐすぎると陰ができない」とは、政治はあまりにも度が過ぎるとよくないということで、これは為政者に対する深い戒めである。

 

富める人をうらやんではいけない。その人の富が、どうして後日の貧乏を招かないものといえるだろうか。

貧しい人を馬鹿にしてはならない。その人の今の貧乏が、どうして将来の富のもとでないといえるだろうか。

 

人から怨まれないようにする方法は「恕」、すなわち思いやりの一字である。争いをしない方法は「譲」、すなわち一歩下がって譲るの一字である。

 

人間は恥を知る心がなければならない。また過ちを悔い改める心がなければならない。

悔い改めることを知っていれば、いずれは悔い改める必要がなくなり、恥じる心があれば、いつかは恥をかくことがなくなる。

 

Ⅳ 言志耋録

実行することがなく、ただ知っているだけなら空想である。知恵なくして行うのは妄動である。

 

「人がこの世に生きていけるのは、正直によってである」
この言葉をよくかみしめてみずから反省し、自分の心をもって解釈すべきである。

 

人間は心に楽しむところがなくてはならない。楽しみは自分の心の持ち方であって、自分の外にあるものではない。

 

なによりも自分で自分を欺かず、至誠を尽くす。これを天に仕えるという。

 

何事も、まず自分が感動して、人を感動させることができる。

 

自分が恩を人に施した場合は、忘れてしまうがよい。逆に、自分が恩を受けた場合は、決して忘れてはならない。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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