「閻魔堂沙羅の推理奇譚(木元哉多)」閻魔沙羅の名言・台詞をまとめていきます。
閻魔堂沙羅の推理奇譚
プロローグ
「犯人は分かりましたか?」
「そうですか。では約束通り、地獄行きですね」
第1話
「閻魔堂へようこそ」
「総じてプラスマイナスゼロの人生を歩んできた緒方智子さんでよろしいですね」
「んー、どうしよっかな。評価できないというより、評価のポイントがない」
「こういうのが一番困るんだよなあ」
「私は沙羅です。漢字で書くと、さんずいに少ない、羅生門の羅」
「なぜあなたのことを知っているかというと、そうでなければ仕事にならないからです」
「天国に送られた魂は、しばしの休息のあと、より良い条件をそなえて生まれ変わります」
「逆に地獄に送られた魂は、その穢れを浄化してから」
「犬畜生に降格して生まれ変わります」
「すなわち輪廻転生です」
「あの世でもこの世でも、時代は移り変わっていくのですね」
「それは教えられません」
「生前知らなかったことは、原則的に教えてはならないのが霊界のルールなのです」
「知らないまま生まれ変わったほうが幸せですしね」
「基本的に霊界は、人間界のことには関与しない」
「すべて見ているのは本当だけど、天罰が下るのは死後」
「生きているうちのことは知らない」
「ま、犯人が現世で逮捕されなくても」
「死んでこっちに来たら、問答無用で地獄行きだから、安心して天国に行きな」
「いいことをしたから、生きているうちにいいことが返ってくるわけじゃない」
「悪人が現世で必ず裁かれるわけでもない」
「勧善懲悪なんてのは、人間が勝手に言っていることで、霊界が定めたルールではない」
「天国行きだって言ってるんだから、文句言うな」
「地獄に突き落とすぞ」
「じゃあ、こうしよう」
「霊界のルール上、私が犯人を教えるわけにはいかない」
「でも、あなた自身が推理して当てる分にはかまわない」
「犯人をみごとに言い当てることができたら、特別に生き返らせてあげましょう」
「いちおう言っておきますが、今あなたの頭の中にある情報だけで」
「それを正しく組み合わせれば、犯人を言い当てることができます」
「このまま黙って天国に行くか」
「地獄行きのリスクを冒してもゲームに挑戦して、生還を狙うか」
「十秒以内に決めてください」
「失敗したあとで謝っても許しませんよ。閻魔に泣き落としは通用しません」
「ためらいなく地獄へ落とします」
「みごとな推理力でした」
「推理小説は読んでおくものですね。思考力が鍛えられます」
「あの世に戻っても、今の気持ちを忘れずに頑張ってください」
第2話
「神様、仏様、閻魔様はすべてお見通しなのです」
「なんで口をすべらせちゃったかなあ、もう」
「何にも知らないで、天国に行ってくれたらよかったのに」
「正解できなかったら、大人しく天国に行ってもらいます」
「たかが人間」
「百八の煩悩を持つ、さまよえる子羊にすぎません」
「プライドとコンプレックスのはざまで立ち往生することもあるし、叶わぬ恋に懊悩もする」
「そして時には、過ちを犯すこともある」
「あなたの『ありがとう』には、本当に感謝している心が伝わってくるし」
「あなたの『すみません』には、本当に申し訳ない気持ちが伝わってきます」
「だから、みんながあなたを助けてくれる」
第3話
「動物とは、本来そういうものです」
「子供が自分で餌を取って生きていけるようになった時点で、親は子供を捨てて立ち去る」
「あとは赤の他人として生きていく」
「それが自然の摂理であって、人間も例外ではありません」
「もういいじゃないですか」
「生き別れて三十年になるっていうのに、何を今さら」
「だいたい目の前にたくさんヒントが転がっていたのに、気づかなかったんだから──」
「あ、言っちゃった」
「いいも悪いもない」
「そもそも閻魔様が、人間ごときに譲歩してやる必要なんてないんだから」
第4話
「これで十人連続地獄行きだ。最近の年寄りはけしからんな」
「ぐだぐだと無駄に長生きするばかりで、社会貢献はゼロ」
「あと何度痛い目にあったら分かるのですか」
「分かるまでやりますけど」
「絵本の話ではありません」
「閻魔大王はフィクションなどではなく、実際に存在するもう一つの現実なのです」
「神様は嘘つきですが、閻魔は嘘をつきません」
「安直なほめ言葉で浮かれるほど、私は子供ではありません」
「それに私が奇跡的にかわいいのは、あなたに指摘されるまでもなく分かりきったことです」
最後まで読んで頂きありがとうございました。