「回想のシャーロック・ホームズ(コナン・ドイル)」の名言・台詞まとめ

「回想のシャーロック・ホームズ(コナン・ドイル)」の名言・台詞をまとめていきます。

 

回想のシャーロック・ホームズ

シルヴァー・ブレーズ号の失踪

私は驚かなかった。

いや、それどころか、目下イギリスじゅうがそのうわさで持ち切りになっているこのたびのなみなみならぬ事件、それにホームズがかかわってゆこうとしないのを、むしろ不思議にさえ思っていた矢先なのだ。(ジョン・H・ワトスン)

 

「おいおいワトスン、きみがきてくれれば百人力だということぐらい、いまさら言うまでもないだろう」(シャーロック・ホームズ)

 

「じつをいうとね、これは新たな証拠をつかむことよりも、むしろ、すでに知られている事実をいかに取捨し、選択してゆくか、その点にこそ推理という技術を生かすべきだという、そういう事件なんだ」(ホームズ)

 

「ぼくがへまをやったんだよ、ワトスン」

「恥ずかしながら、ぼくがへまをやるというのは、きみの発表する事件記録だけからぼくを知ってるみんなの考えてるよりも、ずっと頻繁に起きてることなのさ」(ホームズ)

 

 

語られた事柄の大部分は、私もすでに承知していることだったが、ホームズの話を聞くまでは、それらの事柄がたがいにどう関連していて、そのうちのどれが比較的重要であるのか、その点をじゅうぶんに認識してはいなかったのだ。(ワトスン)

 

「警察の見込みなんて、どうせわれわれの観点とはとんでもなくかけはなれたものに決まってるさ」(ホームズ)

 

「見えなかったのですよ、泥に埋もれていて。ぼくが見つけたのは、はじめからこれを探していたからです」(ホームズ)

 

「わかっただろう、想像力の値打ちってものが。気の毒だがグレゴリーのせんせいに欠けてるのは、その想像力なのさ」

「われわれはまずなにがあったかを想像し、その想定にもとづいて行動し、そしてそれが正しかったことを確認した」(ホームズ)

 

「ワトスン、大佐のぼくへの態度たるや、どう見てもあまり紳士的とは言いかねたよ。だから、ちょっぴりあの御仁をだしにして、楽しんでやるつもりなのさ」(ホームズ)

 

黄色い顔

発表するにあたり、どちらかといえば友人の失敗談よりも、成功談のほうに重点をおくことになったのは当然の帰結であろう。

ホームズが解決に漕ぎつけられぬような事件は、他のだれがやろうと所詮うまくゆくはずもなく、事件はそのまま迷宮入りとなって、物語に決着がつかないからなのだ。(ワトスン)

 

「パイプというのは、えてして非常に興味あるものとなる。持ち主の個性について教えてくれるという点では、懐中時計と靴紐とを除けば、たぶんこれに勝る材料はない」(ホームズ)

 

 

「ここにいる友人も、またぼくも、これまでこの部屋でさんざんひとさまの奇妙な秘密を聞かされてきたし、さいわいにも、多くの悩めるひとの心に、安らぎをもたらすことに成功してきた、とね」

「きみにもおなじことがしてさしあげられると思っています」(ホームズ)

 

「なにからなにまで憶測ばかりじゃないか」(ワトスン)

 

「どっちつかずで疑惑にさいなまれるのよりは、たとえどんな真実でも、真実をはっきり知るほうがましかもしれない」(ホームズ)

 

「いいかいワトスン、今後ぼくがあまりに自信過剰に陥ってたり、あるいは、事件にたいして当然かけるべき手間を惜しんだりしている、そう感じられた場合には、遠慮なくこうささやいてくれたまえ」

「”ノーベリー”とね。そうしてもらえば、ぼくはおいに恩に着るよ」(ホームズ)

 

株式仲買店員

「そんなこと(打ち切り)考えるものか。ああいう経験がまたいくつか味わえるものなら、これに過ぎる喜びはないと言ってもいい」(ワトスン)

 

「どうもぼくは、説明しすぎるという愚を犯すきらいがあるな。理由は伏せて、結果だけを教えるほうが、よほど効果的だとわかってはいるんだがね」(ホームズ)

 

グロリア・スコット号の悲劇

「なあホームズ君、なんできみにこういう離れ業ができるのか、わしにはとんと見当もつかんが、それでも、きみにかかれば、本物の探偵だろうが小説ちゅうの探偵だろうが、ほかの連中はみな子供扱いされてもしかたがない、そんな気はするね」

「きみは将来、これで身をたてるといいぞ。世間というものをいくらか知っておる男の言うことだから、これは信用してもらってもいい」(ヴィクター・トレヴァーの父親)

 

このときのトレヴァー氏のこの勧告こそ、彼がそう言いだすきっかけとなった、ぼくの能力へのやや過大な評価と相俟って、それまではたんなる道楽でしかなかったものを、ひょっとすると職業とすることができるかも、そう思いつかせてくれる契機となったものなんだ。(ホームズ)

 

「まさに図星だよ。しかし、そのことを話題にするのはやめておこう。亡霊のなかでも最悪のものは、若き日の恋の名残りと相場が決まっておるからな」(トレヴァー氏)

 

マズグレーヴ家の儀式書

わが友シャーロック・ホームズの性格に関して、しばしば私を驚かせてきた奇異な点といえば、彼がおよそ頭脳のうえでは全人類ちゅう随一ともいうべき精緻で組織だった頭の持ち主であり、また服装のうえでも、いくぶん気どった、とりすました感じのものを好んで身につける趣味がありながら、日ごろの生活習慣のうえでは、ときに同居する下宿人を半狂乱すれすれにまでおとしいれかねないほど、とてつもなくだらしない男だということである。(ワトスン)

 

「かりにぼくのささやかな業績の記録を集めるなら、およそ他に類例のないこの事件の記録を欠いては、所詮、不完全なものにしかならないと言っていい」(ホームズ)

 

「きみがはじめてぼくと知りあって、『緋色の研究』として記録に残してくれたあの事件のころでさえ、たいして儲かるというわけじゃないにしても、いちおうの地歩は確立して、得意先もかなりついていたんだ」

「だから、それ以前にぼくがどれだけ苦労したか、たぶんきみには想像もつくまいし、ようやくこれが仕事として軌道に乗り、前を向いて進めるようになるまでに、どれだけ長い辛抱を強いられたかも、きみに察してもらうのはむずかしいだろう」(ホームズ)

 

「すくなくともこれは、もうひとつの謎を提供してくれてるよ。しかもその謎は、はじめの謎よりもさらに興味ぶかい」

「いっぽうの謎が解ければ、それがそのままもういっぽうの謎の解答となる、そういうことも考えられるね」(ホームズ)

 

「こういう場合にぼくがいつもとる方法、きみなら知ってるだろう、ワトスン。自分をブラントンの立場に置いてみるのだ」

「まず手はじめに、対象とする人間の知力の程度を見きわめる。そのうえで、自分がおなじ状況に置かれたら、どんなふうに問題に取り組むだろうかを想像してみる」(ホームズ)

 

ライゲートの大地主

「いいか、きみ、きみはここへ静養にきてるんだ。いまは神経がぼろぼろになってるというのに、またまた新しい事件に首をつっこむなんてこと、後生だからやめてほしいね」(ワトスン)

 

「運命はきみに味方しないようだな、ワトスン」(ホームズ)

 

「この筆跡は、すばらしく興味をひくね。どうもこれは、思っていたのよりはずっと奥の深い事件のようだ」(ホームズ)

 

「いや、心配するには及びませんよ。ぼくなんか、しょっちゅうです──狂気とも見えるあの男のふるまいのなかに、れっきとした方式があると気づかされるのは」(ワトスン)

 

「事件はますますおもしろくなってきたよ。ねえワトスン、きみのすすめてくれた田舎の旅は大成功だったね。じつに気持ちのいい朝を過ごさせてもらっている」(ホームズ)

 

「探偵という技術においてなにより大事なのは、数多くの事実のなかで、どれが付随的なもので、どれが決定的なものであるかを見きわめることです」

「そうでないと、精力と注意力とが拡散するばかりで、ひとつに集中することがない」(ホームズ)

 

「さてワトスン、田舎で静かに静養するというわれわれの計画、大成功だったじゃないか。ぼくもあすにはだいぶ元気を回復して、ベイカー街にもどれると思うよ」(ホームズ)

 

背の曲がった男

「初歩的なことだよ。これはね、推理家がはたのものにすばらしいと言わしめるような効果をつくりだせるのは、彼が推理の土台にしているある小さなポイントが、他人にはつかめていないためだという、そのほんの一例さ」(ホームズ)

 

「正義が行われるようにするのは、万人の義務だからね」(ホームズ)

 

寄留患者

「そちらがぼくをごまかそうとなさっているかぎり、こちらもご相談に応じるわけにはいきまんね」
「アドバイスなら、こう言っておきましょう──真実をお話になることです、と」(ホームズ)

 

「ニュースさ、悲劇的な──だが、まだ断定はできない」(ホームズ)

 

「かりにその法の保護が及ばないようなことがもしあったとしても、ねえ警部、正義の剣はなお健在であり、いずれはその応報を果たしてくれるものと、ぼくなんかはそう信じてるんだけどね」(ホームズ)

 

ギリシャ語通訳

私は彼を、天涯孤独の寂しい身の上と信ずるようになっていたのだが、そんなある日、当のホームズがいきなり兄弟のことを話しだしたのだから、私はのけぞるほど驚いたのだった。(ワトスン)

 

「なぜって、兄弟のマイクロフトが、ぼく以上によくその資質をそなえているからだよ」(ホームズ)

 

「ぼくはね、ワトスン。謙遜を美徳のひとつに数える一派に与しないんだ」

「厳密な論理家にとっては、あらゆる事象はすべてあるがままにとらえられるべきであって、自分を過小評価するというのは、自己の能力を誇大に評価するのとおなじく、真実から遠ざかるものにほかならない」(ホームズ)

 

「ぼくが言ったのは、彼が観察および推理にかけてはぼくよりすぐれている、ということさ」

「探偵術というものが、安楽椅子にかけたまま推理を働かすことで始まり、かつ終わるものであるのなら、それなら兄は古今に比類ない大探偵になっていただろう」(ホームズ)

 

「ちょうどいま、おまえがとびつきそうな事件があるんだ──すこぶる奇妙な一件なんだが──たまたまわたしに相談があってね」

「ただこれを徹底的に追求するだけのエネルギーがわたしにはない。どうせ中途半端に終わるだけだろう」(マイクロフト・ホームズ)

 

「わがホームズ家の活力というのは、このシャーロックが独り占めにしてるんでね」(マイクロフト)

 

「まあね。すでにこれだけの事実が判明してるんだから、残りがつきとめられなければ、むしろ不思議なくらいさ」(ホームズ)

 

海軍条約事件

「警察というところは、事実を集めるという点では、なかなか有能ですから──ただあいにく、集めたそれを有効に使いこなせるとは、必ずしも言いきれない」(ホームズ)

 

「じつのところ、推論をなにより必要とするのは、宗教を措いてほかにありません。理論家の手にかかれば、宗教も精密科学さながらに緻密に構築されうるのです」(ホームズ)

 

「疑っていますよ、ぼく自身を」
「あまりにも早く結論に到達してしまったことについて、です」(ホームズ)

 

「とんでもない、灯台だよ! 未来を照らすかがり火があれ(公立小学校)だ! 種をつつむ莢だと言ってもいい」

「それぞれに光り輝く小さな種子が何百、何千と詰まっている。やがて莢がはじけると、わが英国の未来という、より賢く、よりすばらしい種がとびだしてくるんだ」(ホームズ)

 

「およそ犯罪のうちでももっとも追求の困難なのは、無目的な犯罪だ。だが、今度のこれは、けっして無目的じゃない」(ホームズ)

 

「ひとつの可能性というだけだよ──ただしその可能性をまったく排除してしまうわけにもいかない」(ホームズ)

 

「今度のこの事件をうまくかたづけたいと思うなら、ぼくを敵にまわすのではなく、協力したほうがよほど得になるはずだ」(ホームズ)

 

「ぼくはね、彼とのつきあいが長いから、わかるんだ──あの男がなにかれっきとした理由もなしに行動することなんて、ぜったいにないんだってこと」(ワトスン)

 

「ぼくの見てきたかぎりでは、手がかりがなくて迷っているときには、そうだとはっきり口に出す」

「逆に、牡蠣のように口をつぐんでしまうのは、有望な手がかりを追ってはいるんだが、それが正しいという絶対の確信を持てずにいる、そんなときなのさ」(ワトスン)

 

 

「なに、ほんのかすり傷だ──しかもぼく自身のどじで、自業自得さ」(ホームズ)

 

「こんなやりかたでいきなり持ちだすのは、ちょっと悪戯が過ぎましたか」

「しかし、このワトスンならよく知ってますが、ぼくはなにかにつけて、芝居がかったおまけをつけずにはいられない性分でね」(ホームズ)

 

「名誉といえば、じつにぼくの名誉だってあやういところだったんです」
「きみがゆだねられた使命をしくじりたくないのとおなじに、ぼくだって事件の捜査で失敗はしたくないですからね」(ホームズ)

 

「この事件でなによりむずかしかったのは、あまりにも証拠がありすぎるということでした。そのため、肝心な点が、がらくた同然の筋ちがいなものに埋もれ、隠されてしまっている」

「示された多くの事実のうちから、われわれはまず本質的と思えるものを抜き出し、しかるのちにそれをつなぎあわせて、ひとつながりの筋の通ったものに再構築する必要があった」

「そして再構築した結果がこの、じつに驚くべき出来事の連鎖だったわけです」(ホームズ)

 

最期の事件

あの出来事の真相を余すところなく知るものは、ひとりこの私のみ、そしていまや、真実を秘匿していてもなんの益もない、というときが到来した。

あのときモリアーティー教授とわが友シャーロック・ホームズ氏とのあいだにほんとうはなにがあったのか、それをはじめて世に示すことこそ、この私に課せられた責務と心得るのである。(ワトスン)

 

「いいかいワトスン、きみはぼくという人間をよく知ってるから、ぼくが神経質な男なんかじゃぜんぜんないことぐらい承知してるだろう」

「だが反面、危険が身に迫っているのに、それを顧みないというのは、勇気じゃなくて蛮勇、ただの愚か者にすぎない」(ホームズ)

 

 

「これから一週間ほど、いっしょにヨーロッパ旅行に出かけないか?」
「さあね、どこでもいい。どこでもおなじことさ、ぼくには」(ホームズ)

 

「その男(モリアーティー教授)はロンドンをわがもの顔に支配しているのに彼のことを聞いたことのあるものは、だれひとりいない」
「彼を犯罪界における最高峰たらしめているのは、まさにその点なのさ」

「ぼくはね、ワトスン、あの男を打ち負かし、社会から排除することができたら、そのときこそがわが職業生活の頂点となるだろうし、以後は安んじてもうすこし平穏な生活にひきこもれる、そう思ってもいるんだ」(ホームズ)

 

「彼は犯罪界のナポレオンだよ、ワトスン。およそこの大都会にはびこる悪の半数、そして発覚していない犯罪のほとんどすべては、彼が計画し、準備したものだ」

「彼は天才であり、哲学者であり、深遠な思索家だ。第一級の頭脳の持ち主だ」(ホームズ)

 

「きみのことだから、ワトスン、ぼくの能力のほどはよく知ってくれていると思うが、そのぼくにして、三ヵ月が過ぎるころには、ついにこの自分と知的に拮抗する手ごわい敵とぶつかったのだ、そう認めざるを得なかった」

「相手の技倆への賛嘆の念が、肝心の犯罪への憎しみすら、つい忘れさせたほどだ」(ホームズ)

 

「ねえワトスン、これまでの双方の沈黙の闘いをもし詳細に書き綴ることができたら、それこそ探偵術の歴史上最高の、丁々発止の名勝負物語になっていたはずだよ」(ホームズ)

 

「きみは思いのほか前頭葉が発達していないみたいだね」(ジェームズ・モリアーティ、教授)

 

「どうやらわたしという人間を知らないようだね?」(モリアーティ教授)

 

「すぐに手をひきたまえ、ホームズ君。実際、ひくべきだということは自分でもよくわかっているはずだ」(モリアーティ教授)

 

「これは危険などというものではない。避けられない破滅なのだ」(モリアーティ教授)

 

「かりにきみによほどの才覚があって、このわたしに破滅をもたらすようなことでもあれば、こちらもきみにおなじ運命を背負わせてやると、ここではっきり言っておく」(モリアーティ教授)

 

「あのねえワトスン、あの男はぼくと知的に同水準にある、そう言っただろう。その意味がまだよくわかっていないようだな」

「かりにぼくが追う側だったら、この程度の障害であきらめてしまうなんて、きみだってまさか思やしないだろう? それじゃあんまりあいつを見くびりすぎてるというもんだ」(ホームズ)

 

「社会からモリアーティ教授を取り除いたことが確固たる事実になりさえすれば、そのときこそ自分は、喜んでこれまでの職業人としての一生に幕をおろす覚悟があるのだが」(ホームズ)

 

「ねえワトスン、これまでのぼくの一生は、まるきり無為に過ぎたわけでもなかった」

「自分でもそう言ってさしつかえないと思ってるんだ。たとえ今夜かぎりでぼくの人生の記録に終止符が打たれたとしても、なおぼくはそれらを心平らかにながめられると思う」(ホームズ)

 

「いつの日かぼくが、このヨーロッパに生まれた最凶、かつもっとも腕のいい犯罪者をとらえるか、滅ぼしさるかして、わが職業人生を有終の美で飾るとき、そのときにワトスン、きみの事件記録にも終止符が打たれることになるだろうね」(ホームズ)

 

親愛なる友よ、ぼくはつねにきみとともにあることを忘れずにいてくれたまえ。(ホームズの手紙より)

 

いまさら私がそれをここで明らかにせざるを得ないとすれば、それはもっぱら、彼の犯罪者としての汚名をすすがんとする思慮なき輩が横行して、私がこの世で知った最良の、そしてだれよりも賢明な男として永遠に記憶されるであろう人物を誹謗中傷することにより、その目的を遂げようとしているからにほかならないのである。(ワトスン)

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 
 
 
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