「よるのばけもの」の名言まとめました

「よるのばけもの(住野よる)」より名言をまとめていきます。

夜になると、僕は化け物になる。
そんな化け物の姿をした安達くんは眠れない夜、深夜の学校に忘れ物を取りに行く。
誰もいないと思っていたが、偶然一人のクラスメイトと出会う。
その少女、矢野さつきとの出会いが、僕の心を変えていく。
「いじめ」を第三者の視点から見た物語。

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いじわる

あああ、でも、あっちーくんじゃないふりするなら、言いふらしちゃうかも。

化け物の姿を見ても怖がらない矢野さんが、話した言葉になります。
これだけ聞いていると、小悪魔的な女の子という感じ。
しかし矢野さんはクラスメイトから、いじめを受けている。
この時点では、本心がどこにあるのか分からない。

性格

この姿を僕だと決めつけている彼女を、そのまま野放しにするのはあまりにも危なっかしい。
彼女は、余計なことしか口にしないような人間だ。

目立たないように生きている安達くん。
そんな人にとって、思ったことがすぐ口に出るタイプは恐ろしい。
しかも行動が読めないため、危なっかしいと思ってしまう。
しかし客観的に見て、本当に危ないのはどっち?

ペナルティ

ペナルティってのは本当に反省させないと意味ないから。

保健室の先生の言葉になります。「本当に反省させないと」というのは納得できる。
特に学生時代、処罰が厳しくても守らない者は守らない。
しかし「恥ずかしいことをしないといけない」というペナルティがあれば守るかもしれない。
ただ、「人権がどうの」とうるさいので出来ないでしょうけど。

学生の現実

体育教師は、女子の数が奇数の時、柔軟体操のペアづくりでよく矢野があまることを偶然と思っているんだろうか。
大人達は自分達が中学生の時のことを覚えていないんだろうか。

クラスの中でグループに入っていない人は、こんな時に苦労する。
自分もあまりグループに属してなかったので、「自由に組みなさい」は苦労した経験を持つ。
学生時代の仲間意識は、社会に入った後の比では無いですから。

発想の転換

そっちが本当の姿なの?どうして、人間に化けてるの?

化け物を見ている見た矢野さんが、問いかけた言葉になります。
普通なら思いもしない、もしくは思いたくないと言った方が正しいかもしれない。
誰もが自分を化け物だとは思いたくない。みんなと同じと思いたい。
しかしその発想自体がおかしいのかもしれない。
「化け物」の定義は何でしょうか?
「みんなと同じ」とは何なのか?
そんなことは誰にも分からない。
分からないから、みんなが考えることを、まるで自分の考えと思ってしまう。
そして、そこから違う考えを持つ人を「ルールを壊す人」として阻害する。
あまりにも飛び抜けていたら別だが、少し程度では埋もれてしまう。
それは悲しいことかもしれない。

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いじめの理由

いじめには、理由があるんだと思う。きちんと理由があって、いじめが始まる。

確かに多くの場合、理由がある。しかし一方的に、いじめる側が考える理由になる。
いじめられる側にも責任がある、というのはゼロではない。
特に今回の矢野さんの行動には、いじめられても仕方ないだけの理由があるかもしれない。
しかし目で見えている事実と、本当の理由である真実は異なるかもしれない。
そこまで考えるのは無理だが、常に「生贄」を探しているようで嫌な感じだ。

復讐

自分の為に復讐なんてしたら、相手と一緒になっちゃう。

矢野さんの復讐に対する考え方になります。
また自分は何をされても、復讐なんてしないという決意でもある。
それは正しく、そして強い考え方だ。ただ自分を犠牲にする、悲しい考え方でもある。
人に言うのは簡単だが、自分がそのように考えるのは困難です。
逆に、復讐を考えている人を止めるには、どうすれば良いんでしょうか?

良心

良心なんて、ここではなんの意味もない。

良心を持つと自分が被害者にクラス。それがいいクラス?
一人をいじめることで、クラスの仲間意識を高めている。
そして良心を持って助けると、自分がいじめに合うクラス。
明らかに何かがおかしい。
しかしそのおかしさが普通になっているとしたら、おかしいのはどちらなのか?

気にしないこと

気にしたくないことを気にしないでいられるなら、皆、もっと楽に毎日を生きていられる。
出来ないから、こうやって生きているんだ。

本当に無意味なことを考えないでいられたら、どんだけ楽でしょうか?
どれだけ考えても解決しないし、むしろ結果は悪くなる。
必要なことを必要なだけ考えるほうが、結果は確実によくなる。
そんなことは誰もが知っている。本当に知っていることと、出来ることは違うものだ。

不思議

不思議が不思議なまま不思議で大好き。

クラスメイトの井口さんが、昔に話していた言葉になります。
この言葉は「となりのトトロ」を見た時の感想になる。
確かにトトロは映画では、何も説明がされていない。
今まで、そのこと考えたことも無かったため、少し不思議な感じ。
またこの言葉は、本作のキーワードであると考えている。

暴力

確かに、暴力はいけないことだ。それには俺も心の中で頷く。
だけど、物を汚した行為や壊した行為を、暴力よりも罪が軽いように皆が言っていることに納得するのはなかなか難しかった。

なぜ安達くんがこう考えたのかは、ネタバレなので伏せておく。
おそらく直接的な暴力と、言葉や態度の暴力は同じぐらい酷いこと。

笑顔

笑顔なんて、望んでない相手から向けられても、心をさか撫でされるだけなんだ。

矢野さんが場違いな場面で笑うことに対して、安達くんが感じたこと。
例えば、怒っている時、相手が笑ったら腹が立つ。
こちらが苦しい時、笑っていたら怒りを感じる。
このように本心ではなくても、その場面にふさわしい表情がある。
そういう時に、ふさわしい表情の演技が出来ない人は不幸な人なのか?
それとも正直な人なのか?

生き延びなさい

難しいことはいい。生き延びなさい。大人になったらちょっとは自由になれる。

先生が矢野さんに話した言葉になります。
「難しいことはいい。生き延びなさい」。なんと苦しい言葉でしょうか。
「無視する」といういじめは、表に見えにくい。
そのため、「いじめを止めなさい」と言っても意味がない。
そんな先生に言える、ギリギリの一言。これを無責任と言うのは簡単なのだが。

変身期間?

はっきりとは分からないけど、出来れば、自由になるまでがいい。
この窮屈さを感じなくなるまでがいい。それまでは、化け物の自分を用意しておきたい。

安達くんにとって夜にばけものに変われることだけが、心の救いになっている。
言い方を変えれば、日中に救われることは無い。
「窮屈さ」とあるが、これはいつになったら終わるだろうか?
「学生」が終わっても、同じような「会社員」という環境が待っている。
会社員ではなくても「一人」で完結することは困難のため、「誰か」は確実に存在する。
今を「窮屈」と感じている人が感じなくなるのは、環境だけでは無いだろう。

一週間

教室でミスをしないよう、皆からずれないよう、今日から一週間、また注意を払って生活しなければならない。
想像すると、汗がにじんでくるような気がした。

こちらまで苦しくなってきます。
緊張を強いる仲間意識とは、これほど苦しいのでしょうか?
私自身はこのような苦しい仲間意識や、グループに入ることが無かったため、本当には理解できない。
もちろん「入らない」苦しみもあったが、「入るよりはまし」と考えていた。
しかし多くの人は、何らかのグループに入っている。
それほど、「ずれる」ことは恐ろしいのだろうか?

本音

ずっと夜にいられるかもって思ったのに。

矢野さんはいじめに対して何も語っていない。
安達くんとの「夜休み」をいかに大切に思っているか、昼がどれほど辛いかが読みとれる。
中学三年生の女の子の切実な願いとすると、とても苦しい。

昼と夜

私はどっちもないよ。どっちもない。昼も夜も別にない。
私はなにも違くない。周りが違うだけ。
周りの時間や人や物や雰囲気が違うだけで、私は昼も夜も一緒。
どっちも何もない。でもあっちーくんは昼と夜で全然違う。

見せかけの昼と、本心が出ている夜を使い分けている安達くんに対して、矢野さんが問いかけている。
しかし責めている訳ではない。もしかしたら不思議に思っているだけ?
そのことに本作は触れていない。人間誰しも、自分の思う通りに生きたい。
しかしそんなことが、出来るわけがない。
家族、学校、会社、近所など、しがらみの中に生きている。
そんな中では使い分けをしない生き方をすると、「ズレ」が発生する。
本当に難しい。

行動

故意に悪いと思うことをした経験なんて、ほとんどない。
故意に悪いと思うことをした相手に謝ることなんてもっとない。
自分自身にだけ責任があることなんてもっともっとない。

昼間の安達くんが、矢野さんに対して酷いことをした。
それに対して、夜のばけものになった安達くんが考えていること。
明らかな悪意を持った行動は、それほど無い。しかし悪意がなくても、酷い行動は出来る。
自分を助けるためなら、かなりのことが出来る。
その行動を被害にあった方以外で、責めることは出来るだろうか?

一日が始まる

なのに、またこれからいつもと同じような一日が始まる。

昨日のことを引きずっている、安達くんの心の声。
どうしていいのか分からないのに、今日を迎えてしまった苦しみが伝わる。
そして、同じであって欲しいという願いも感じる。

立ち位置

決まった立ち位置なんてどこにもないのかもしれない。

いつも自分にとって、都合のいい立ち位置にいた安達くん。それが少し変わりかけている。
どこの場所でも、みんなが本音ではなく自分の役割を演じている。
「そんなことはない」と言う人もいるだろうが、完全な本音と本心だけで生きていくことは困難だろう。
しかし、役割を楽しむという発想でいいのだろうか?

感想

本作のテーマは「いじめ」になる。
それを、安達くんの心の葛藤を中心に進んでいく。
いじめは、いじめられている人はもちろん、いじめに協力している人もこれほど苦しむ場合があるのかと思い知らされる。
もちろんこれはいい訳であり、将来復讐されても仕方がない。
「そんな昔のことなんて」というのは、いじめている側の理屈ですから。
また、もう一つのテーマが「不思議」になる。夜になるとばけものになるのも不思議。
本作でいろいろ出てくる伏線も、途中に説明が一切ないのも不思議だ。
「不思議が不思議なまま不思議」という言葉がぴったりであり、正直ラストも「ここで終わるか?」という終わり方には驚いた。
本作は読んでる途中は苦しくて、読み終わった後は不思議な気持ちを生む作品でした。

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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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