「八つ墓村(横溝正史)」の名言・台詞をまとめていきます。
八つ墓村
第一章
「あなたのような恐ろしい立場におかれた人も珍しい」(金田一耕助)
「私があなただったら、生涯の記念として」
「この三か月の経験を書きとめておきますね」(金田一)
灰色の私の人生に、一点の紅をたらしたような異常なことが起こった。(寺田辰弥)
そして、これが、きっかけとなって、私は眼もくらむような怪奇な冒険と、
血の凍るような恐怖の世界に足を踏み入れたのであった。(辰弥)
私は何かしら、恐ろしいことが起こりそうな予感がしてならなかったのだ…。(辰弥)
だいたい人間というものは、あまり激しい境遇を好まぬものだ。
いや、好まぬというよりも臆病になるのだ。(辰弥)
他人を信用しないのではないけれど、ひとにはそれぞれ思惑もあれば屈託もある。
それをうっちゃらかしておいてまで、私の力になってくれるものはないであろう。(辰弥)
第二章
「ほんとうにお気の毒だと思います」
「いいえ、お気の毒を通り越して、残酷な気さえしました」(森美也子)
「それに、いけないことには、田舎の十年は都会の一年にも当たらないのですよ」(美也子)
「田舎では人がみんな定着していますから」
「つまらないことでも何年も覚えているものなんですよ」(美也子)
「何が起こったところで、あたしというものがいることを忘れないでちょうだい」
「あたし、これで強いのよ。負けるの大きらい、男にだってだれにだって…」(美也子)
「田舎では第一印象が何より大切なのよ」
「それにこちらがへりくだっていちゃ、図に乗って馬鹿にするわ」(美也子)
「服装にしろ態度にしろ、ハッタリをきかさなきゃだめなのよ」(美也子)
「むろん、迷信ですよ。しかし迷信だからいっそう怖い」
「理屈では説き伏せられない頑冥さですからね」(金田一)
こう考えてくると自分をまもるものは自分以外にないのだ。私は戦わねばならぬ。
だが、だれと…? だれを相手に…?(辰弥)
第三章
「まあまあ、警部さん、この事件はね、だれが犯人であるにしろ」
「一朝一夕には解決しませんよ」(金田一)
「なぜといって動機が皆目わかっていない」(金田一)
「犯人はいったい何をたくらんでいるのか」
「…それが判明するまでは、そうむやみに、短兵急に責めてもだめですよ」(金田一)
第四章
私はそれほど、自分を臆病な人間とは思わぬけれど、
理屈を説いてわからぬ相手だけに始末が悪いのだ。(辰弥)
世の中に無知と無教養ほど恐ろしいものはない。(辰弥)
「おまえの行くさきざきに血の雨が降る」(妙蓮、濃茶の尼)
「そう、警部さん、あなたのおっしゃるとおりかもしれません」
「しかし…ひょっとすると、そうでないかもしれないのです」(金田一)
「犯人がわざと落としていったのか、それとも余人が」
「なにかためにするところがあっておいていったのか」(金田一)
「いずれにしても犯人の意図、あるいは意図らしくみせかけようとするところのものが」
「これでいくらかハッキリしたわけですね」(金田一)
「犯人ははじめてヘマをやらかしたんです」
「辰弥さん、あなたにはそれがわかりませんか」(金田一)
「わかりそうなもんですがねえ」
「いえ、ひょっとすると、あなたにはわからないのがあたりまえかもしれない」(金田一)
第五章
宝探しはひとりに限る。
秘密にやってこそおもしろいのだ。(辰弥)
第六章
「だから危険を冒すには冒すだけの、効果を期待しているはずなのだが」
「それがなんだかわからない…」(金田一)
「相好がくずれているのでハッキリ識別することはできません」
「しかし、これが◯◯◯◯でなかったら、私は首をあげてもいい」(金田一)
「まさかと思うけど、村の人は単純だから」
「どんなことが起こらないとも限らないから…」(田治見春代)
ただ私の恐ろしかったのはひとの心であった。(辰弥)
第8章
「こんどのこの事件ほど、手こずったことはありません」(金田一)
「謙遜ではなく、私はあえて告白しますが」
「こんどのこの事件では、ぼくにいいところは少しもなかった」(金田一)
「私という人間がいなくても、この事件はしぜんと終息し」
「犯人もしぜんと刑罰をうけていたにちがいないのです」(金田一)
「殺人事件で動機がうまく隠せたら、犯人の計画は半ば以上成功です」(金田一)
「われわれ凡愚の人間は、精神的には終始、人殺しをしているようなものなんです」(金田一)
最後まで読んで頂きありがとうございました。