「グレート・ギャツビー(スコット・フィッツジェラルド、村上春樹訳)」の名言・台詞をまとめていきます。
グレート・ギャツビー
第一章
「誰かのことを批判したくなったときには、こう考えるようにするんだよ」
「世間のすべての人が、お前のように恵まれた条件を与えられたわけではないのだと」
若者の告白などというものは、あるいは少なくともその手の表現に用いられる言語は、
おおむねどこかからの借りものだし、明らかに抑圧によって歪められているものだからだ。
実のところギャツビーは、僕が「こんなものは絶対に我慢ならない」と考えるすべてを、そのまま具現したような存在だった。
人生というものは詰まるところ、単一の窓から眺めたときの方が、遥かにすっきりして見えるものなのだ。
21歳にして限定された分野で突出した達成を遂げ、そのおかげで、
あとは何をやっても今ひとつ尻すぼみという、世間でありがちなタイプの一人だった。
刻一刻と期待が裏切られ、失望が積み上げられながら、あるいはまた「今」というこの瞬間をただひたすら怯えながら。
「あなたは私に──私に、バラの花を思い起こさせるの」
「少し庭を見ていたの。外があまりにもロマンチックだったものだから」
「だからね、要するに世の中なんてすべて、ひどいことだらけなのよ」
「それは世慣れたっていうことなのかしら。まったくこの私が」
僕は騒がしい夜の闇の中に、またひとりで取り残されていた。
第二章
本そのものに問題があったのか、それともウィスキーで僕の頭が乱れていたか、そのどちらかに違いない。
そこにある文章はまったく意味をなさなかったから。
第三章
「そして私は、大がかりなパーティーが好きなの。ほっとできるから」
「小さなパーティーだと、プライバシーってものがないじゃない」
女性の不正直さというものを、僕はそれほど真剣に咎めることができないのだ。
「不注意な人たちっていけ好かない。あなたのことが好きなのは、だからよね」
世間には正直な人間はほとんど見当たらないが、僕はその数少ないうちの一人だ。
第四章
「この橋をいったん越えてしまえば、どんなことも可能になるのだ」
「思いも寄らぬことさえ……」
「私は人の倫に反することをするつもりはない!」
「私はただ、隣のお宅であの人に会いたいんです」
第五章
「こいつはとんでもない間違いだった」
「どうしようもない、やりきれない間違いだった」
「いや、不思議なもんだね、オールド・スポート」
「うまくできないんだよ──いざやってみると」
第六章
「パーティー?」
「オールド・スポート、パーティーなんぞどうでもいいんだよ」
「過去を再現できないって!」
「できないわけがないじゃないか!」
思い出しかけていたものは意味のつてを失い、そのままどこかに消えてしまった。永遠に。
第七章
「秋が来て涼しくなったら、人生はまたいやでも始まるわよ」
「彼女の声にはぎっしり金が詰まっている」
この土地にはいつによらず漠然とではあるけれど、人の心を騒がせるものがあった。
たとえ太陽がまぶしく照りつける白昼にあってもだ。
単純な心に生じた混乱ほど始末に負えないものはない。
「君の奥さんは君を愛しちゃいない」
「君を愛したことなど一度もない。彼女が愛しているのはこの私だ」
「私はときどき大笑いしたくなったよ」
「君が何ひとつご存じないんだと思うとね」
「ああ、あなたはあまりに多くを求めすぎる!」
「私はこの今あなたのことを愛している。それだけでは足りないの?」
三十歳──それが約束するのはこれからの孤独な十年間だ。
そうやって僕らは涼しさを増す黄昏の中を、死に向けて一路車を走らせたのだ。
第八章
彼女の手に触れる資格すら自分にはないのだと承知しながら、いや、していればこそ、彼はディジーを手に入れたのだ。
ディジーと結婚したいと彼は思った。他には何も思わなかった。
「偉業を達成することにどんな意味があるだろう」
「自分がこれからなそうと目論んでいることを、彼女に語っている方が遥かに楽しいというのに」
「ともあれ、それはただの私事にすぎない」
「誰も彼も、かすみたいなやつらだ」
「みんな合わせても、君一人の値打ちもないね」
「俺は女房に言った」
「お前は俺をあざむくことはできるかもしれん。しかし神様をあざむくことはできないってな」
第九章
「友情とは相手が生きているあいだに発揮するものであって、死んでからじゃ遅いんだということを、お互いに学びましょうや」
「死んだ人はただそっとしておけというのが、あたしのルールです」
「不注意な運転をする人が安全なのは、もう一人の不注意なドライバーと出会うまでだって」
「僕は三十歳になった」
「自分に嘘をついてそれを名誉と考えるには、五歳ばかり年を取りすぎている」
すべてが思慮を欠き、混乱の中にあった。
だからこそ我々は、前へ前へと進み続けるのだ。
流れに立ち向かうボートのように、絶え間なく過去へと押し戻されながらも。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。