「きみと暮らせば(八木沢里志)」の名言・台詞まとめ

「きみと暮らせば(八木沢里志)」の名言・台詞をまとめていきます。

 

きみと暮らせば

その一

自分でできることは自分でやりたかった。
ルールというのは、言い換えるなら生活の基盤だ。(相田ユカリ)

 

ラジオは顔の見えないところで、一方的に語りかけてくれるのがいい。(ユカリ)

 

「ユカリの面倒はオレが見る」
「オレたち、兄妹だから。家族だから」(相田陽一)

 

この子(猫)はきっと、私たちに小さな幸せを運ぶ使者なんだ。
だから、うちの庭に現れたんだ。ふと、そう思った。(ユカリ)

 

ハチワレが不揃いで間抜けなのも、相田家にふさわしい気がする。
私たち、二人と一匹で、きっと肩寄せあってうまくやっていける。(ユカリ)

 

「あの子には温かいご飯と、守ってくれる人が必要なんだよ」(ユカリ)

 

「どうもオレの優しさは、いつも空回りばかりしてる気がするなあ」(陽一)

 

「お前、うちにくるか?」
「お、こいつ、返事したぞ。うちがいいって」(陽一)

 

「ミーヤ(昔の飼い猫)は、きっと森のずっと奥深くに行ったんだ」(陽一)

 

 

「それで見つけたんだ」
「オレたちには決してたどり着けないような、とても美しい場所を」(陽一)

 

「どこまでも澄んだ泉がわいていて、誰も知らないような虹色の蝶が飛んでいて」
「きれいな鳥の鳴き声が遠くに聞こえる、そんな天国みたいな場所を」(陽一)

 

「そこで幸せに昼寝してるんだ」
「オレはいまでもそう信じてるよ」(陽一)

 

その二

「これ(ケーム機)を糧にオレはまた、明日から仕事をがんばれる」
「家に帰ったらゲームがあるって思ったら、あの地獄の満員電車も」(陽一)

 

「営業先で下げたくない頭を下げることにも、どうにか耐えられる」
「そう思えば、安いもんだろ」(陽一)

 

「あのなあ、おまえみたいなお子様にはわかんないかもしんないけど」
「そんな簡単に(恋人が)できるなら世の中、誰も苦労しないの」(陽一)

 

「ドラマみたいに、どこにでも出会いが転がってると思ったら大間違いだぞ」
「出会いがないんだから、しょうがねえだろ」(陽一)

 

彼女(クラスメート)が大口開けて笑ってくれると、
他人からしたら自分たちの諍(いさか)いがいかに些細なことか実感できる気がする。(ユカリ)

 

そしてそれが、どれほど恵まれた日々なのかということも。(ユカリ)

 

「でもそういうことって、ごくたま~にだけどあるよね」
「あ、あの子とは気が合いそうって思うと、向こうも実はそう思ってくれてるってこと」(長谷川)

 

「そういうミラクルってあるって私は思うなぁ」(長谷川)

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長谷川さんと話していて改めて気づかされた。
誰かに話を聞いてもらうというのは大事だ。(ユカリ)

 

こんな風に、自分でもよくわかっていなかった気持ちをはっきり理解するきっかけになる。(ユカリ)

 

家に明かりが灯っていて、カレーが鍋で温まっていて、
朝には好物の卵焼きが入った弁当がある。(陽一)

 

それはなんと幸福なことだろう。
オレはもう少し、そのことに感謝してもいいんじゃなかろうか。(陽一)

 

ユカリが大学を卒業して就職して一人前になったら、そのときこそ。
それまでは二人と一匹で、のんびり暮らすのも、まあ悪くない。(陽一)

 

その三

「怒ってないわよ」
「こんなことくらいで怒ってたら、兄さんと暮らしていけないもん」(ユカリ)

 

「傘はどうしたって、傘でしかないもん」
「いま、一番あの傘を必要としてたのは、あの子だもんね」(ユカリ)

 

「小さなウソのつもりだったのが」
「いまになったらすごく大きなものを失った気持ちだよ」(陽一)

 

「この先、きっと人生いろんなことがあるよ。でも、お母さんのこと、大事にな」
「いろいろあるのもわかるけど、お前のこと、大切に思ってないはずないから」(陽一)

 

なにもかもが灰色の世界の中で、二人の頭の上にだけ、(傘の)青空が広がっている。
なんて美しい世界だろう。(ユカリ)

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その四

自分のことを好きだなんて言う男の子が、この世界にいるなんて、
そんなこと想像すらしたことがなかった。(ユカリ)

 

自分が全然知らないところで、
男の子に恋愛対象として見られていたことが信じられなかった。(ユカリ)

 

相手が職場の後輩だから気軽に告白できることもある。
そんなことを妹に知られるくらいなら、バンジージャンプでもした方がましである。(陽一)

 

(ユカリは)自分が得だとか損だとか、そういうことは考えない。理屈じゃないのだ。
自分が正しいと信じたことを、愚直なまでに頑固にやり遂げる。(陽一)

 

好きになってくれて、ありがとう。(ユカリ)

 

その五

ここで焦ってはいけない。
長谷川さんのお姉さんのときの、あの惨劇を繰り返してはいけない。(ユカリ)

 

「私、自分のこと不憫とかかわいそうとか、そんなこと思ったこと一度もないよ」(ユカリ)

 

「兄さんがいて、種田さんがいて、それでこうして穏やかに暮らせるいまの生活が好きだよ」
「ほかの誰がなんと言おうと、それが私の本心」(ユカリ)

 

「彼女(ユカリ)を見てると、『花を見て根を思う人になれ』って言葉が思い浮かぶんだよね」
「この子はそれを自然と体現してるなあって」(鹿野先生)

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その六

ただいま、と言えて、おかえりと返してくれる人がいることの幸せ。(ユカリ)

 

いままでの十五年の人生で、こんな気持ちははじめて味わった。
どれだけ叫んでも、すべてがもう手遅れで、無駄だという思い。(ユカリ)

 

むなしいって、こんな気持ちのときに使う言葉なんだ。(ユカリ)

 

自分はなにがしたかったのだろう。
母に会って、それでどうしたかったのだろう。(ユカリ)

 

結局、ほとんどなにも話さないで帰ってきてしまった。
ただただ、むなしい気持ちばかりが、胸に広がっていき、止めようがない。(ユカリ)

 

気がつくと世の中は、クリスマスムード一色だった。
それに対して、冬の寒さは日ごとに厳しくなっていく。(ユカリ)

 

人々は、心まで寒くなってしまわないよう、
こんな風にクリスマスを祝いたがるのかもしれない、とふと思った。(ユカリ)

 

「オレはさ、仕事を終えて駅から夜道を歩いて、この家に明かりが灯っているのを見ると」
「とってもホッとするんだ」(陽一)

 

「玄関を開けると、夕飯の匂いがふわりと漂ってきて、種田さんが足元にじゃれついてきて」
「お前が台所で、おかえりって声をかけてくれる」(陽一)

 

「それだけで、明日もまた生きていけるって気持ちになる」(陽一)

 

「お前がな、母親のところに行くっていうなら、オレに止める権利はないよ」(陽一)

 

「でももし、お前もオレと同じ気持ちで、オレと暮らすのがイヤでないなら」
「ここにいてくれないか?」(陽一)

 

「いつかオレたちが別々の道をほんとうに歩む日が来るまで」
「だって、オレにはお前が必要だから」(陽一)

 

「いるよ、兄さんといる」
「一緒にいたい」(ユカリ)

 

幸せな瞬間は、いつもこの家にちゃんとあった。
この日々こそが、幸せそのものなのだ。(ユカリ)

 

いつかすべての記憶が曖昧になってしまったとしても、
幸せだと感じたこの気持ちだけは忘れないでいたい。(ユカリ)

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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