「人工知能は人間を超えるか(松尾豊)」の名言をまとめていきます。
人工知能は人間を超えるか
はじめに
人工知能は、急速に発展するかもしれないが、そうならないかもしれない。
少なくとも、いまの人工知能は、実力より期待感のほうがはるかに大きくなっている。
序章
人類にとっての人工知能の脅威は、
シンギュラリティ(技術的特異点)という概念でよく語られる。
人工知能が十分に賢くなって、自分自身よりも賢い人工知能をつくれるようになった瞬間、
無限に知能の高い存在が出現するというものである。
第1章
人間の知能の原理を解明し、それを工学的に実現するという人工知能は、
まだどこも存在しない。
人間を特別視したい気持ちもわかるが、
脳の機能や、その計算のアルゴリズムとの対応を一つひとつ冷静に考えていけば、
「人間の知能は、原理的にはすべてコンピュータで実現できるはずだ」というのが、
科学的には妥当な予想である。
人工知能研究は、「考える」ことを実現するために、
抽象的な「目に見えないもの」を扱っている学問と理解してよいだろう。
(自由意思とは)自分が考えているということを自分自身でわかっているという
「入れ子構造」が無限に続くこと、
その際、それを「意識」と呼んでもいいような状態が出現するのではないかと思う。
第2章
素人の判断でも、ケタ違いに多くなれば、玄人の判断にも勝る。
第3章
いかに人間の持つ「一般常識」レベルの知識が膨大か、
それを形式的に記述することがいかに難しいか。
単純な1つの文を訳すだけでも、一般常識がなければうまく訳せない。
ここに機械翻訳の難しさがある。
第4章
機械学習とは、人工知能のプログラム自身が学習する仕組みである。
そもそも学習とは何か。
どうなれば学習したといえるのか。
学習の根幹をなすのは「分ける」という処理である。
機械学習の精度を上げるのは、「どんな特徴量を入れるか」にかかっているのに、
それは人間が頭を使って考えるしかなかった。
これが「特徴量設計」で、機械学習の最大の関門だった。
いままで人工知能が実現しなかったのは、
「世界からどの特徴に注目して情報を取り出すべきか」に関して、
人間の手を借りなければならなかったからだ。
第5章
世の中の「相関する事象」の相関をあらかじめとらえておくことによって、
現実的な問題の学習は早くなる。
なぜなら、相関があるということは、
その背景に何らかの現実の構造が隠れているはずだからである。
ディープラーニングでは、
このように「ちょっと違ったかもしれない過去」のデータをたくさんつくり、
それを使って学習することで、「絶対に間違いではない」特徴量を見つけ出す。
そして、「絶対に間違いではない」特徴量であるがゆえに、
その特徴量を使った高次の特徴量も見つけることができるのである。
第6章
情報もコンピュータが取り込んだとしたら、
そこから出てくるものは、人間の知らない世界だろう。
そうやってできた人工知能は、もしかしたら「人間の知能」とは別のものかもしれないが、
間違いなく「知能」であるはずだ。
人工知能は人類始まって以来の最大のリスクなのか。
人工知能は「人類最後の発明」になるのだろうか。
最後まで読んで頂きありがとうございました。