「サイレント・ブレス 看取りのカルテ(南杏子)」の名言・台詞をまとめていきます。
サイレント・ブレス
プロローグ
「要領よくやれば、か──」
「認知症です」とか「癌です」とか、どうやって要領よく伝えればいいというのか。(水戸倫子)
自分の誠意は、少なくとも病院だけは認められていると信じていた。
だが、それも思い過ごしだったようだ。(倫子)
ブレス1
「いいのよ、どちらにしても」
「私、医者なんて全然信じてないから」(知守綾子)
「とにかく私は、(家に)死ぬために戻ったの」(綾子)
「これまで私が正しいと考えていた医療が、本当に正しかったのかどうか…」
「知守さんと話していると、わからなくなるときがあります」(倫子)
「死を目前にした患者さんに、つまり治療法のない患者さんに」
「医師は何ができるのでしょう」(倫子)
「医学教育が教えてきたのは、治る患者を治す方法──平和な治療ばかりだった」
「治らない患者の治療法は、ないからね」(大河内仁)
「平和な治療ばかりしてるとね、人が死ぬということを忘れがちなんだよ」(大河内)
「でもね、治らない患者から目をそらしてはいけない」
「人間は、いつか必ず亡くなるのだから」(大河内)
「いくら気丈で知識がある方でも」
「死に直面したときには心の支えになる存在が必要だと思われました」(住職)
初めて会ったとき、綾子は「死ぬため」に自宅に戻ったと言った。
だが、そうではない。(倫子)
彼女は人生の最後を「生きるため」に戻ったのだ。(倫子)
ブレス2
「最初からすべての病気を診られる医師なんて、いないんだから」
「何ごとも経験。やってごらん」(大河内)
「もう、あのとき(過去)の自分には戻りたくない」
「あの頃出入りした場所にも絶対行きたくないっす」(武田康介)
「いや、危険は別のところにある」
「そう、ネグレクト──介護放棄だとしたら、明らかに犯罪行為だ」(大河内)
治したいけれど治せない──そんな患者が世の中にこんなにも多いのだと、
医師をめざしたときには考えもしなかった。(倫子)
ブレス3
人の幸せのために医療があるならば、
患者の思いを尊重するのが本来の医療の姿だろう。(倫子)
そう頭でわかっていても、
医師として、命が自然に尽きていくのをじっと見守るだけというのは迷いが大きく、
簡単なことではない。(倫子)
「肉親が死ぬという事実を受け止められない家族は少なくない」
「だからこそ、医師がひるまずに現状を伝える必要がある」(大河内)
「ゴールがわかれば」
「そこから『最後をどう生きたいか』という話を始められるのだから」(大河内)
「こんなんじゃ、生きていても仕方がない」
「天井を、見ているだけの毎日なんて…」(古賀芙美江)
ブレス5
「君の所なら、うまく死なせてくれるって聞いてな」
「治療は要らん。死ぬために戻った。こっちから連絡するまで来るな」(権藤勲)
「医師にとって、死ぬ患者は負けだ」
「だから嫌なもんだよ。君も死ぬ患者は嫌いか?」(大河内)
「よく考えてごらん。人は必ず死ぬ」
「いまの僕らには、負けを負けと思わない医師が必要なんだ」(大河内)
「死ぬ患者を、最後まで愛し続ける──水戸君には、そんな医療をしてもらいたい」(大河内)
ブレス6
「いつか奇跡を起こせるかもしれないと思ってた」
「でもね、そんなことは起きない」(倫子)
「お父さんをこれ以上苦しませたくない」
「お父さんが好きだった場所で、私が看取りたい」(倫子)
「死は負けじゃない」
「安らかに看取れないことこそ、僕たちの敗北だからね」(大河内)
「待ってください。まだ始まったばかりなんです」
「うまく言えませんが、これからなんです」(倫子)
「人生の最後に私を必要としてくれる人たちと向き合う時間をもっと持ちたいんです」(倫子)
最後まで読んで頂きありがとうございました。