「獄門島(横溝正史)」の名言・台詞をまとめていきます。
獄門島
プロローグ
「本家は死んで分家は助かる、これも是非ないことじゃ」(了然)
第一章
「死にたくない。おれは…おれは…死にたくない」
「…おれがかえってやらないと、三人の妹たちが殺される」(鬼頭千万太)
漁師ってやつが、板子一枚下は地獄の観念が去らないから、どうしても刹那主義的である。
「なに、ぼ、ぼくはどうせ遊んでいるんですから」(金田一耕助)
第二章
なにかある? いや、なにかあったにちがいない。
なにかある。いや、なにかあったのだ。(金田一)
「気ちがいじゃが仕方ない。──」(了然)
「畜生ッ! 雨が…朝まで降らなければいいと思っていたんです」
「降ると足跡がめちゃめちゃになってしまう」(金田一)
「和尚さん、ごらんなさい」
「この吸い殻はひどく暗示的ですよ」(金田一)
「金田一さん、それはいえん」
「それは…それは恐ろしいことじゃ」(了然)
あれは犯人の単なるこけおどしであったのだろうか。
そうは思わぬ。(金田一)
あそこにああして逆さまに、○○の体をつるしていったということに、
なにかしら、深い意味があるのではあるまいか。(金田一)
気ちがいである。
まったく気ちがいの沙汰である。(金田一)
しかしこの獄門島全体が、どこか狂ったところがあるのだから、
ああいう常軌を逸したやりくちにも、犯人にとっては、(金田一)
それは相当の深い理由とたくらみがあるのではなかろうか。(金田一)
第三章
ポクポクと眠りを誘うような木魚の音が、だらけたいまの気持ちにとって、
まことに快いのである。(金田一)
それはまるで、怠けろ、怠けろと、だらけた心を、いっそう誘惑するようであった。(金田一)
「いや、逃げるのはよしましょう」
「逃げたところで、テンモーカイカイですからな」(金田一)
「万事はこの、いまいましい獄門島のせいでしょうよ」
「この島の住人どもは、みな常識では測り知れぬ奇妙なところを持っている」(清水)
第四章
「殺すんなら、殺すだけでいいじゃないの」
「なんの酔狂で、道成寺の見立てやなんかやるのよう」(鬼頭志保)
「みんな、気がちがっているンだ」
「そうよ、そうよ、みんな気がちがっているのよう」(志保)
「もし犯人が気ちがいでないならば」
「そして、これらのこけおどしに、なにか深い意味があるならば」(金田一)
「その意味が解けるときこそ、事件のなぞが解けるときです」(金田一)
「清水さん、ぼくの眼を見てください。それから、あの吊り鐘を見てください」
「あの吊り鐘にちかっていいます」(金田一)
「ぼくの眼を見てください」
「うそをいってるように見えますか」(金田一)
「いや、ちょ、ちょ、ちょっと待ってください」
「おふたりとも、しばらく黙っていてください」(金田一)
「ぼ、ぼくはたいへんな思いちがいをしていた」
「もし、そうだとすると…ちょ、ちょ、ちょっと、ぼくに考えさせてください…」(金田一)
「まあ、自業自得というところでしょう」
「もっとも、我が輩はメイ探偵であるなんて名乗りは、ちとあげにくいですからな」(金田一)
「いやいや、そういうわけではありません」
「ぼくはただ、あらゆる可能性を考えているんです」(金田一)
「そして気ちがいといえども、われわれの関心から、除外したくないのです」(金田一)
「そこになにか、意味があるのかないのか…ぼくはそのことを考えているんです」(金田一)
「警部さん、犯人がそいつかもしれぬという説にはぼくも同意します」
「しかし、殺人の動機については、とてもそんな単純なものとは考えられない」(金田一)
「犯人がその男にしろ、その男でないにしろ」
「そこにはもっとすさまじい、奥底のふかい動機があるにちがいないんです」(金田一)
第六章
「そう、恐ろしいやつです」
「一晩に一人ずつ三晩つづけて…確実に、冷血に…」
「一分の狂いもなく計画を遂行していったのです」(金田一)
悲劇は終わった。
もうこれ以上恐ろしいことは起こらないだろう。
だが事件はこれで終わったわけではない。
いや、これからがいよいよ、ほんとうの事件というべきかもしれない。
ものごとには、はじめがあれば終わりがなければならぬ。
そしていま、その恐ろしい終わりがちかづきつつある。
おお、なんということだ。なんという恐ろしい。
気ちがいじみたこの道化。(金田一)
…おお、大地がゆれる。
海がもえる。空がきらめく。(金田一)
「気が…気が…気がちがっている!」
「気が…キが…そうだ、たしかにちがっている」
「ああ、おれはなんというバカだったろう」(金田一)
「貧乏こそはあらゆる罪悪の根元」
「貧しいと恥をわすれて、どんな風儀の悪いことでもやる」(鬼頭儀兵衛)
第七章
「いまにわかります」
「手品の種明かしをしてお眼にかけようというのですよ」(金田一)
「ぼくはバカだったのです」
「この島へついたときから、いやこの島へつくまえから」
「そのことに気がついていなければならなかったのです」(金田一)
「運命じゃな。なにもかも運命じゃ」(了然)
「それは恐ろしいことでした。気の狂いそうな発見でした」
「あまり気ちがいじみて、自分でもそれを信じるのが怖かったくらいです」(金田一)
「しかしいかにぼくの感傷がそれを拒否しようとしても」
「厳然たる事実は動かすことはできません」(金田一)
エピローグ
そうだ、それでいいのだ。
ここは他国もののながく住むべきところではない。(金田一)
最後まで読んで頂きありがとうございました。