「さよなら妖精(米澤穂信)」の名言・台詞まとめ

「さよなら妖精(米澤穂信)」の名言・台詞をまとめていきます。

 

さよなら妖精

序章

どうして大刀洗は、忘れたいなどと言うのだろう。
つらい思い出ではないはずなのに。(守屋路行)

 

いや、それが幸福である分だけ、いまとなっては残酷なのかもしれない。(守屋)

 

第一章

昔読んだ短いSFに、全てが満ち足りた世界が描かれていた。
その世界の住人はすることがないので自殺を好んでいた。(守屋)

 

贅沢病も病気は病気に違いない。(守屋)

 

「でもね、認めたくない」
「好きじゃないってことよ」(太刀洗万智)

 

「外国人なら英語を話せると思うのも乱暴だし」
「日本語はわからないと思うのも乱暴だったわね」
「でも、責めはしないわよ」(万智)

 

「ああ、いいよ、差し上げる」
「傘と本は貸したら帰ってこないものだから」(守屋)

 

「ユーゴスラヴィヤにいるときは学校に行きます」
「他の国でも学校に行くことがあります」(マーヤ)

 

「でもいまは、あなたがたがわたしの学校です」(マーヤ)

 

 

「本当にわからないわけじゃないんでしょう?」
まだ、考えてないだけなんでしょう?」(万智)

 

「やはりおかしいです」
「ユーゴスラヴィヤでわたしが撃つ練習をしたとき、いろいろ怒られました」(マーヤ)

 

「でも最後の試験では眼をつむっても中ればよかろうでした」
「わたしはそのほうが合理的精神と思います」(マーヤ)

 

「時には、間違った方法で勝つより正しい方法で負けたほうがいい、とまで考える」(守屋)

 

(他国での)その他愛ない会話こそが学校に値する。(マーヤ)

 

自分がなにを知っているか、ひいてはなにを知らないかを知ること。
マーヤとおれの世界が違うからこそ生まれるその感覚は、独特で、得がたいものだった。(守屋)

 

「そうですね、よく見ます」
「外国の都市と自分の都市とを比べるのも、必要なことです」(マーヤ)

 

「わたしたちには大変な事実なのに、やっぱり日本まではなかなか伝わりませんね」(マーヤ)

 

「いえ、わたしの友達はたぶん、東京と北京の区別もつきません」
「寺と社の区別は絶対できません。そんなもんです」(マーヤ)

 

「観光という産業は気まぐれで柱とするに値しないと思いましたが」
「そうと言えないかもしれません」(マーヤ)

 

「お金を使いやすい心になっていますね」(マーヤ)

 

「どのへん?」
「わたし、ここがいいからと思って友達を作ったことはないわ」(万智)

 

「わたしはそればかりでなく、普段の姿を見たいといつも考えていました」
「んー、準備のないところを見たいということです」(マーヤ)

 

「どの国もなかなか見せてくれません」
「でもきょうは仮面のないところを見られました」(マーヤ)

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第二章

「なにもないわ」
「まだ。そしてたぶん、これからもなにもないのよ」(万智)

 

おれの眼はなにを見ていたのだろう。
耳を塞いでいたわけでもないのに。(守屋)

 

「愛のない結婚だったから、破綻した」
「と一言でまとめられれば、楽なんでしょうね」(万智)

 

「そうね」
「でも気にならないって言い方は当たってないわ」(万智)

 

マーヤが信念でそうしようということを」
「わたしが気にするのはおかしなことだというだけよ」(万智)

 

「ねえ守屋君」
「…あなた、幸福そうね?」(万智)

 

「それの他に、なにを訊きたいですか?」(マーヤ)

 

「どうして? もりやさん、家には帰るものです」
「わたしには、まだ家があるのです」(マーヤ)

 

「だからわたしは、ユーゴスラヴィヤで戦争が起きるかもしれないことを、知っていました」
でもそれでも、起きると思いたくありませんでした」(マーヤ)

 

「だから、起きないことにしていました」(マーヤ)

 

「これは、秘密です。内緒のことですよ」
「人間は、殺されたお父さんのことは忘れても、奪われたお金のことは忘れません」(マーヤ)

 

やはりおれは、まだ、無知にして無力だった。(守屋)

 

「名前の一部を受け継ぐことで新しい名前ができるのはとても面白いですね」
「…願いが込められるのも、素晴らしいですね」(マーヤ)

 

「それは始まってしまいました」
「ユーゴスラヴィヤ政府にも、ECにも、国連にも、合衆国にだって止められません」(マーヤ)

 

「日本語ではなんと言いますか」
「終わり? 滅び? それとも、死?」(マーヤ)

 

「日本語はわかります。でも、もりやさんは観光をしたいです」
「やっぱり駄目ですね」(マーヤ)

 

「歴史はわたしたちを忘れるかもしれません」(マーヤ)

 

「わかってないと思っていますね?」
「わたしは、あなたよりわかっているんですよ…」(マーヤ)

 

花冠の日

個々人の愛は集団の利益に凌駕されてしまう、
わたしはそれを醜いと思うけれど、(マーヤ)

 

でもそれがどうしようもない真実だということを、
降り注ぐ砲弾が幾度も証明し続ける。(マーヤ)

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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