「シャーロック・ホームズの復活(コナン・ドイル)」の名言・台詞をまとめていきます。
シャーロック・ホームズの復活
空屋の冒険
「きみの望みとあれば、いつでも、またどこへでもお供するよ」(ジョン・H・ワトスン)
「すべてを打ち明けたのは、たったひとり──兄のマイクロフトだけだ」
「きみにはどれだけ謝罪してもしきれないほどだが、しかしねワトスン、ぼくがもうこの世にいないと思わせておくことが、なにより肝心なことだったし、しかもきみの場合、きみ自身が心の底からそれを信じているのでないかぎり、ぼくの不運な最後のようすを、あれほどの説得力をもって描くことは、おそらく無理だったに違いないんだ」(シャーロック・ホームズ)
「仕事こそが悲しみへのまたとない解毒薬だよ、ワトスン。そしてその仕事が今夜、ぼくらふたりを待っている」
「首尾よく解決に導ければ、そのこと自体がこの地上に生きたひとりの男の人生に、生きたあかしを与えてくれるというほどの大仕事なんだ」(ホームズ)
「幾月もわが限りなき変幻自在の才をむしばまず、度重ねてもそれが錆びつくことなし」(ホームズ)
「個々の人間は、いわばその一家の歴史の縮図というわけだよ」(ホームズ)
「ここから先は、推測の領域になるから、どれだけ論理的な頭脳の主といえども、誤る可能性がないではない」
「各自がいまわかっている証拠にもとづき、それなりの仮説を立てる余地があるわけだ」(ホームズ)
「これでモラン大佐がわれわれを悩ますことも、もはや二度とあるまい」
「シャーロック・ホームズ氏もいま一度、わがロンドンの複雑な暮らしが生みだすあまたの興味ぶかい小事件を前に、心おきなくそれらの探究にふけることができるというわけだよ」(ホームズ)
ノーウッドの建築業者
「犯罪研究の専門家としての立場から言わせてもらうと、かのモリアーティー教授が亡きひととなって以来、このロンドンという街も、まったくつまらない土地になってしまったよ」(ホームズ)
「しかしぼくから見ると、この事件にはまだはっきりしない点がないでもないんだ」
「それがね、レストレード君、ぼくに言わせれば、ちとはっきりしすぎてるのさ」(ホームズ)
「ただぼくとしては、ほかの見かたにも可能性はないじゃないってこと、それを指摘したかっただけさ」(ホームズ)
「今度ばかりは、正直なところ、やっこさんのほうが正しくて、こっちがまちがってるんじゃないかって気がしてきた」
「ぼくの勘はこぞっていっぽうをさしてるんだが、事実はこぞって逆の方向をさしてる」(ホームズ)
「ぼくにはあれがすべて嘘っぱちだとわかってるんだ。直感がそう語っている」(ホームズ)
「いまは食べ物の消化のために使えるエネルギーも神経もないんだ」(ホームズ)
「言っとくけどね、レストレード君、ぼくのやることには何事によらず、必ずれっきとした理由があるのさ」(ホームズ)
「それはまったく望まない。仕事そのものがぼくには報酬なんだから」(ホームズ)
踊る人形
「組みたてた連鎖のうちから、まんなかの部分をことごとく吹っ飛ばして、出発点になった推論および結論にあたる部分だけを提示してみせれば、だれでも確実に聞き手をあっと言わせるだけの効果を生みだせる」(ホームズ)
「この絵文字ですが、これには明らかに意味があります」
「まったくでたらめなものならば、解読はまず不可能でしょうが、逆になんらかのシステムにのっとったものなら、きっと意味をさぐりあてることができるはずです」(ホームズ)
作業が順調にはかどっているのか、口笛を吹いたり、鼻唄を歌ったりするかと思えば、ときに行きづまって、眉間に皺を寄せ、うつろな目をして長時間すわりづづけていたりもしたが、それでも最後には満足の叫びをあげて、勢いよく椅子から立ちあがるや、しきりに手をこすりあわせながら、室内を行ったりきたりしはじめた。(ワトスン)
「それがあれば、まあどんな可能性も考えられないではないですが、ないからといって、それがすなわちなにかを意味するとはかぎらない」(ホームズ)
「いまは行動を起こすことこそ大事であって、ここで、長いうえに込み入った説明に時間をかけているひまはないです」(ホームズ)
「人間の考えだしたものなら、ほかの人間が仕組みを見破ることだってありうるさ」(ホームズ)
ひとりきりの自転車乗り
1894年から1901年までの足かけ八年間を通じて、シャーロック・ホームズ氏は多忙をきわめていた。
あまたのめざましい成功例と、二、三のやむをえざる失敗例、それらがこの、仕事に明け暮れた長い年月を総括する成果であった。(ワトスン)
「それからの数分間は痛快だったね。しゃにむに殴りかかってくる相手に、左のストレートがみごとに決まった」
「あげくはこっちもこういう姿になったわけだが、ウッドリーのせんせいのほうは、荷車で宿まで送りかえされる始末さ」(ホームズ)
「きみはそれを愛と呼ぶか、このわたしに言わせれば、身勝手というものじゃないのかな?」(ワトスン)
それぞれの事件は、いつの場合も、つぎなる事件の前奏曲にすぎず、いったん山を越してしまうと、その登場人物たちも、たちまち私たちの多忙な日常から置き去られ、永遠のかなたへと流れ去ってゆくのである。(ワトスン)
プライアリー・スクール
「もっと早くぼくに相談を持ちこまれなかったのは、なんとしても怠慢でしたな。おかげで捜査には途方もないハンディキャップがついてしまった」(ホームズ)
このきびきびとして積極的なホームズを見れば、ベイカー街にこもっている沈鬱で青白い夢想家とは、まるきり別人の趣がある。(ワトスン)
「ありえないとは言い得て妙だね。たしかにありえないんだ、ぼくの話したとおりなら。したがって、この推論はどこかまちがっているに相違ない」(ホームズ)
「ぼくはかように考えます──ある犯罪に手を染めたものは、その犯罪から派生したべつの犯罪にたいしても、道義的責任を負うものである、と」(ホームズ)
「ぼくは公的な立場にはなく、それゆえ正義という目的が果たされるかぎりは、ことさら自分の知る事実を暴露せねばならぬ理由もない」(ホームズ)
「これはぼくがこのたび北部地方でお目にかかった、二番めに興味ぶかいものです」
「ぼくは貧乏人でして」(ホームズ)
ブラック・ピーター
「いいかいホプキンズ、ぼくはずいぶんたくさんの犯罪調査を手がけてきたが、それでも、宙を飛ぶ生き物がやったという犯罪には、ついぞお目にかかったことがないよ」
「犯人が二本脚で動く生き物であるかぎり、必ずやなんらかの痕跡を残しているはずなんだ」(ホームズ)
「きみがあの結果に満足していないことはわかるよ」(ワトスン)
「いつの場合も、べつの可能性というものを考慮に入れて、それへの備えをしておく。これぞ犯罪捜査の常道であり、その第一歩でもあるんだがね」(ホームズ)
「だれしも経験によって学ぶものだからね。そしてこの件できみの得た教訓といえば、どんなときにも”べつの可能性”というものを視野に入れておかなくてはいけない、ということに尽きる」(ホームズ)
恐喝王ミルヴァートン
「そこが思いちがいをなさっているところでしてね、ホームズさん。ひとつの秘密をあばきますと、それが間接的にすくなからぬ利益をもたらしてくれるんです」(チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン)
「やむをえないんだよ、ワトスン。いちかばちかの勝負なんだから、使える手はぜんぶ使わなくちゃ」(ホームズ)
「ひとりの女性が必死に救いをもとめているときに、紳士たるもの、身の危険なんてものをさほど重視するべきじゃないと思うんだが、どうかい?」(ホームズ)
「(自分が行かないなら)ならば、きみも行かせるものか」
「ここで名誉にかけて言っておくが──そしてはばかりながらこのワトスン、一度こうと言ったことに反したことは、生涯にかけて一度もないんだ」(ワトスン)
「かねてからぼくは、自分が犯罪者だったらどれだけ優秀な犯罪者になったろう、なんて考えてきたんだ。その意味では、今夜は千載一遇の好機なのさ」(ホームズ)
われわれが法を擁護する立場にあり、それを犯す立場ではなかったさいぜんまでよりも、いまはさらに胸が高鳴り、全身が火照ってくるようだ。
われわれの使命の高潔さ、それが利他的なものであり、騎士道精神にもかなうという意識、敵と目す人物の卑劣さと悪辣さ、すべてが相俟って、スポーツでもするような快感をこの行動はもたらしてくれる。(ワトスン)
「ある種の犯罪には、法律も及ばない部分があるってことも知ってるし、したがって、そういう犯罪にたいしては、ある程度までなら私的な制裁も許される、そうも考えてる」
「被害者よりも犯人たちのほうに共感してるんだから、よって、この事件をぼくが扱うことは将来ともにありえない、そう思ってくれ」(ホームズ)
六つのナポレオン像
「説明しようとは思わないさ。ぼくとしてはただ、その紳士の奇矯な行動には、ある一定の方式があるってことに注目するだけだ」(ホームズ)
そのとき私の目に映っていたのは、この私にしてもはじめて目にする珍しい彼のたたずまいだった──内なるやさしい人間性に動かされ、あやうく負けそうになっている姿だ。(ワトスン)
三人の学生
「おやおや、ワトスン、いままできみにはすまないことをしてきたよ。こんなこともわからないのかと、さんざ笑いものにしてきたが、ここにもきみのお仲間がいたようだ」(ホームズ)
「このぼくがわざわざ早朝六時なんていう時ならぬ時間に起きだしたんだ──伊達や酔狂でそんなことするものか」(ホームズ)
「いったんは低きに落ちたきみだが、その分、将来はどれだけ高きにのぼるか、刮目して待つとしようよ」(ホームズ)
金縁の鼻眼鏡
「関連する事実なら、かなりのところまではっきりしてるんです。知りたいのは、それらがなにを意味するのかという点でしてね」(スタンリー・ホプキンズ)
「なに、ぼくの推理なんて、いたって単純なものだよ」
「そもそも、眼鏡以上に推理の助けになってくれるものなんて、見つけるのがむずかしいくらいなんだが、この眼鏡なんか、その点ではとくにきわだっている」(ホームズ)
「こう見えてもぼくは、推理という連鎖の環をひとつひとつ入念に鋳造し、鍛えあげてきたつもりでして、その鎖の強度については自信があります」(ホームズ)
スリークォーターの失踪
いかにも、ここしばらく沈滞した日々がつづいていたが、私はこういう無為の時をこそ恐れねばならぬことを知っていた。というのも、わが相棒の頭脳はなみはずれて精力的に活動するので、それを働かせる材料がないまま放置しておくと、たいへん危険なのだ。(ワトスン)
とにかくわが友にとっては、こういう沈滞した毎日のほうが、波乱万丈の激動ただならぬ生活よりも、はるかに危険なのだから。(ワトスン)
「ぼくの関心は、広く枝分かれして、社会のあらゆる側面に向けられてきたが、幸か不幸か、アマチュア・スポーツという、この国の最良にしてもっとも健全な世界には向けられてこなかった」(ホームズ)
「あの電報の控えを見せてもらうのに、ぼくは七通りの手段を考えていたんだが、なんと、最初の一発で的にあたるとは──さすがにここまでは予想していなかったよ」(ホームズ)
「ひとりの人間が消息を絶ったなら、行方をつきとめるのがぼくの仕事ですが、いったんつきとめてしまったら、ぼくとしてはその件は終わりです」
「さらに、そこに犯罪がからんでいるのでないかぎり、それを表沙汰にするのもぼくは好みません」(ホームズ)
アビー荘園
「きみは、センセーショナルな細部にこだわるあまり、それらがこのうえなく精妙かつ繊細な成果だという点をないがしろにしている。だから、読者を興奮させることはあっても、それから教訓をくみとらせることは無理なんだ」(ホームズ)
「ぼくみたいに特殊な知識と特別な能力を持ったものの悪い癖で、目前にごく単純な説明がある場合にも、ほかにもっと複雑な説明はないか、探してみたくなるものなんだろう」(ホームズ)
「たんなる気まぐれとしか思えないものにきみを巻きこんで申し訳ないんだが、しかしねワトスン、ぼくはどうあってもこの事件を、ああやってかたづいた、そのままのかたちでほうっておくことができないんだ」(ホームズ)
「ぼくの持てるすべての本能が、あれはまちがってると叫びつづけている。そうなんだ、まちがっている──なにもかもまちがっている──そう断言したっていい」
「あの奥方は魅力的な女性だが、その事実をもってして、われわれの判断をゆがめさせるようなことがあってはならないんだ」(ホームズ)
「われわれはウォータールーで勝利をおさめるまでにはいたっていないが、すくなくともマレンゴまではきている」
「なにせ、敗北で始まった闘いを、勝利で終わらせようとしてるんだから」(ホームズ)
「自分の良心を枉げるくらいなら、わが英国の法律をちょっぴり枉げるほうがまだましだ、くらいに思ってるんだ」(ホームズ)
「ぼくはいつだってきみの判断力を信頼してるさ」(ワトスン)
「ゆうべ〈アビー荘園〉で起きた出来事について、真実を語ってほしいんだ。いいかね、ただ真実を、だよ」
「なにひとつつけたさず、なにひとつ省かず、ただ真実を、真実のみを語ってもらいたい」(ホームズ)
「まさしく、ぼくの考えていたとおりだ。いまの話が一言一句、真実に相違ないことはわかっている──なぜなら、きみの口からはぼくの知らないことはほとんど出なかったからね」(ホームズ)
「今後、法がだれかほかの犠牲者を見つけだすことでもないかぎり、きみはこのぼくからは永遠に自由だ」(ホームズ)
第二の血痕
これまで、数々の冒険の過程で、私がホームズに驚かされたことは一度や二度ではない。
だから、いま友人がすっかり度肝を抜かれているのをまのあたりにして、私は内心おおいに快哉を叫んだものだ。(ワトスン)
「女性の行動の動機ほどはかりがたいものはない」
「女性のごく小さな行動にも、じつは重要な意味が隠されてる場合がありうるし、かと思えば逆に、女性がとんでもない騒ぎをひきおこすのも、原因はヘアピン一本、カーラー一個にすぎないってことがあるわけだから」(ホームズ)
「依然としてはっきりしない点も二つ三つ残ってるし」
「ただ、かなりのところまでは事実わかってきてるんだから、これでうまくかたがつけられないようなら、それはこっちがへぼなのさ」(ホームズ)
「当方にもまた当方なりの外交上の秘密というものがありまして」(ホームズ)
最後まで読んで頂きありがとうございました。