マスコミが国や政府の問題を指摘することは必要です。ただそれによって国民を擁護、もしくは国民に言い訳を作っているのも事実ではないだろうか?
今回はこの件について考えていく。
マスコミの批判が国民の言い訳になっている?
最初にも書いているが、マスコミが国や政府の間違いを指摘するのは正しいし、また必要だ。
もしマスコミが国や政府のやることを何でも肯定的に捉え伝えたら、それこそ問題がある。
ただ「マスコミは国や政府を批判すべきである」という姿勢は明らかにおかしい。
必要なのは事実や真実を伝えることではあり、国や政府を批判するのは事実や真実の結果であるべきだ。
ここからは本題に戻り、「国民の言い訳を作っている」ことの理由を説明してみる。
現在はコロナ禍により「goto」が問題視されている。ただ「goto」は100%の悪では無い。医療にとっては悪の面もあるが、旅行業界にとっては明らかに善だ。
もちろん感染者が増え問題が大きくなれば、旅行業界にとっても悪になるため、その点の議論は今回の趣旨とは外していく。
私が問題にしたいのは、マスコミの「政府がgotoをするから国民が動いて感染者を増やしている」という論調だ。
その主張自体は間違いではない。「goto」により人が動けば数の大小は別にして確実に感染者が増える傾向にあるからだ。
しかし国は「動け」と命令してる訳ではない。動いているのは「国民の意志」
マスコミの論調では「国がgotoをしたのだから、国民は動いていい」と勘違いしているとなる。
言い方を変えれば、旅行に行く国民が悪いのではなく、国民に旅行に行っていいと伝えた国や政府がが悪いという解釈となる。
本来なら国や政府が何と言おうと、マスコミは国民に「旅行に行くな」と伝えるべきではないだろうか?
まるで国や政府を叩き、国民に言い訳を与えているようにしか感じない。
また最近は首相の大人数による会食を批判している。その行為自体は正しいのかもしれないが、これも国民に言い訳を与えているように感じる。
「首相がしているのだから、国民が守る訳が無い」
この意見は正論だと思う。反論は難しい。ただ問題は、これにより誰も救われないことだ。首相や周りを追い詰めることにはなるが、国民にとってプラスは何一つ無い。
報道しないことが正しいとは思わないが、報道が素晴らしいとも思わない。
もし報道するとしても、「首相が5人以上で会食をした」という事実だけでよい。
「首相が5人以上で会食するのは許せない。言ってることとやってることが違うのだから、国民が守る訳が無い」というマスコミの判断はいらない。
ハンス・ロスリング著「FACTFULNESS」に次の言葉が載っている。
「もし本当に世界を変えたいのなら、肝に銘じておこう。犯人捜し本能は役に立たないと」
コロナ禍で多くの人が苦しんでいる状況では覚えておくべきだろう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。