「銀河英雄伝説」ロイエンタールの名言・台詞まとめ

「銀河英雄伝説」オスカー・フォン・ロイエンタールの名言・台詞をまとめていきます。

 

2巻 野望篇

第四章 流血の宇宙

「猛獣を捕えるには罠が必要と思ったが、みごとにかかったな。きさま以外の奴はかかるはずもない、けちな罠だが」

 

「ほめられたと思っておこう」

 

第八章 黄金樹は倒れた

「頭の切れる男だ。それは認める。だが、どうも平地に乱をおこす癖があるな」

「いままでうまく運んでいたものを、理屈に合わないからといって、むりにあらためることはない。ことに人間どうしの関係をな」

 

「ばかばかしい、相手になるな。敗残兵と殺し合いをしても意味のないことだ。勝手に咆えさせておけ」

 

「すくなくとも、旧い時代の終わりであることはたしかだな」

 

「奴らの時代は終わった。これからは、おれたちの時代なのだ」

 

3巻 雌伏篇

第二章 はばたく禿鷹(ガイエ)

「いいか、ミッターマイヤー、よく聞け。お前は結婚なんかしたがな、女という生物は男を裏切るために生を享けたんだぞ」

 

「昨日は酒の勢いでつまらんことを言った。忘れてくれ」
「……ふん、そうか、それならいい」

 

「ビッテンフェルトはたしかに強い。おれと奴が戦場で相まみえるとしたら、戦いが始まったとき、優勢なのは奴だろう。だが、戦いが終わったとき、立っているのはおれさ」

 

第四章 失われたもの

「昔からよく言う──虎の児と猫を見誤るなかれ、とな。あれは多分、虎のほうだろう。皇帝の寵妃の弟だからといって、わざと負けてやる義理は敵にはないからな」

 

「巨大な象を一頭殺すのと、一万匹のねずみを殺しつくすのと、どちらが困難か。後者に決まっている。集団戦の意義も知らぬ低能に、何ができるものか」

 

「失うべからざるものを失った後、人は変わらざるをえんのだろうよ」

 

第八章 帰還

勝因のない勝利はあっても、敗因のない敗北はない。
敗れるべくしてケンプは敗れたのだ。同情の余地はない。

 

第九章 決意と野心

「本心だったさ、あのときはな。だが、おれは生まれたときから正しい判断と選択のみをかさねて今日にいたったわけではない」

「いまはそうではないが、いつかその選択を後悔するようなときがくるかもしれない」

 

「ふん、またしても、おれとしたことが……」

 

4巻 策謀篇

第六章 作戦名「神々の黄昏」

「女ってやつは、雷が鳴ったり風が荒れたりしたとき、何だって枕にだきついたりするんだ?」

「だったらおれに抱きつけばよかろうに、どうして枕に抱きつく。枕が助けてくれると思っているわけか、あれは?」

 

「はたして、うまくいきますかな」

 

5巻 風雲篇

第二章 ヤン提督の箱舟隊

「おもしろい意見だが、もっとも激しく踊る者がもっとも激しく疲れると言うではないか」

 

「何を考えているにせよ、準備に専念させてやることもなかろう」
「露骨すぎるな、その表現は。あらゆる布石を惜しまぬ、ということにしておこうか」

 

「病に対抗するには全員が共同であたるべきだ。わが艦隊だけが感染の危険をおかすことはないと思うが」

 

「知っているか、ベルゲングリューン、こういう諺がある──野に獣がいなくなれば猟犬は無用になる、だから猟犬は獣を狩りつくすのを避ける……」

 

「ならばお前も国を奪ってみろ」

 

第六章 連戦

「ワインやビールならまだしも、肉やパンの配給がとどこおりはじめると、兵士たちの士気に影響するぞ。古来、飢えた軍隊が勝利をえた例はないからな」

 

「全軍が反転してヤン・ウェンリーを包囲殲滅する、か……」
「みとごな戦略ではある。だが、反転してこなかったときはどうなるのだ?」

 

第九章 急転

「ゴールデンバウム朝銀河帝国、自由惑星同盟、そしてフェザーン。吾々は、宇宙を分割支配した三大勢力が、みっつながら滅亡するのを目のあたりにしたわけです」

「後世の歴史家がさぞうらやましがるでしょう。トゥルナイゼン中将の表現を借りれば、ですが」

 

6巻 飛翔篇

第四章 過去、現在、未来

「奴は生きるに際して他人の尊敬や愛情など必要とせぬよ。そして、そういう輩ほど、根の張りようは深く、茎は太い。寄生木とはそういうものだろう」

 

「昔は知らなかった。いまは知っている」
「そうだ。おれが教えた」

 

「無益なこととわかるまでは、おれも正常だ。その後がどうもゆがんでいる」
「ゆがんでいる。わかっているのだ……」

 

「そんな生活のどこに正義がある? 貴族とは制度化された盗賊のことだ」

 

「この世でもっとも醜悪で卑劣なことはな、実力も才能もないくせに相続によって政治権力を手にすることだ。それにくらべれば、簒奪は一万倍もましな行為だ」

「すくなくとも、権力を手に入れるための努力はしているし、本来、それが自分のものでないことも知っているのだからな」

 

7巻 怒濤篇

第一章 黄金獅子旗の下に

……どうか、皇帝よ、私に反抗の隙をあたえないでいただきたい。私はあなたを歴史の舵手に選び、あなたを擁立し、あなたの軍旗を誇らかにあおいできた。

そのことを後悔させないでほしい。あなたはつねに私の前をあゆみ、しかも光輝にみちているべきだ。消極や安定などがあなたの光源になりえるのか。

比類なき覇気と行動力こそあなたの真価であるものを……。

 

「結婚? おれにはまともな家庭など持つ意思もないし、その資格もない。誰よりも卿はそのことを知っているはずではないか」

 

「心配するな、ミッターマイヤー。いちおうおれも武門の男だ。滅びるなら剣に滅びる。女に滅んだりはせぬよ」

 

第六章 マル・アデッタ星域の会戦

「言うは易し、だ。卿らのいう白髪の老将に、卿らこそ手玉にとられるなよ」

 

「この一戦に意味があるとすれば、理性の面ではなく感情の面においてだな」

「老いた獅子と若い獅子とが、ともに戦いを望んでいる。名誉がそれに色どりをそえることになろうが、結局のところ、抜かれた剣は血ぬられずして鞘におさまるものではないさ」

 

「おれにはわかる。卿にもわかっているはずだ。歴史というやつは、人間同様、眠りからさめるとき咽喉をかわかしている。ゴールデンバウム王朝はすでに滅びた」

「自由惑星同盟も今日までは生きながらえたが、明日には滅びる。歴史は大量の血を飲みほしたがっている」

 

「だが、おれは思うのだ。歴史が血を飲みあきたとしても、それは量だけのこと。質的にはどうかな。犠牲は高貴なほど、残忍な神に喜ばれるものだし……」

 

第九章 祭りの前

「自分ことオスカー・フォン・ロイエンタールが武力と権力にまかせて略奪暴行をこととし、人民を害しているなどと噂されるのであれば、これは自分にとって最大の恥辱である」

「反逆して帝座をねらうと言われるのは、むしろ乱世の武人にとって誇りとするところ」

 

「そちら(祝福)は完全な嘘偽です。あの女が妊娠したことを私は存じませんでした。存じていれば……即座に堕胎させておりました。この点、うたがう余地はございません」

「私には人の親となる資格がないからです、陛下」

 

8巻 乱離篇

第四章 万華鏡

「疾風ウォルフはご謙遜だ。全宇宙でおれに勝ちうる用兵家といえば、わが皇帝と、ヤン・ウェンリーと、メルカッツと、それに卿とがいるだけなのにな」

「──そのうちふたりと戦わずにすむのは幸運なことだ」

 

第七章 失意の凱旋

「卿にはわかっているはずだ、ミッターマイヤー。昨日正しかった戦略が今日も正しいとはかぎらぬ」

 

9巻 回天篇

第三章 鳴動

「侵略者の善政など、しょせん偽善にすぎぬ、か。そのとおりだな」

 

「偉大な敵将と戦うのは武人の栄誉だが、民衆を弾圧するのは犬の仕事にすぎぬ」

 

「ヤン・ウェンリー元帥、卿は中道に倒れて、あるいは幸福だったのではないか」
「平和な世の武人など、鎖につながれた番犬にすぎぬ。怠惰と無為のなかで、ゆっくりと腐敗していくだけではないか」

 

「100の興味が集まれば、事実のひとつぐらいにはなるだろうな。とくに、力のある者がそれを望めば、証拠など必要ない。卿らの憎む、いや、憎んだ専制政治では、とくにな」

 

第五章 ウルヴァシー事件

「反逆者になるのは、いっこうにかまわん。だが、反逆者にしたてあげられるのは、ごめんこうむりたいものだな」

 

自分たちは、戦いおえた後、黄金の首輪をはめられた犬となって宮廷に列し、宝石づくりの檻のなかで酒色と惰眠をむさぼりつつ、老残の身を養うべきなのか。

そういう境遇に甘んじて、平和と安逸のなかですこしずつ腐っていくべきなのだろうか。

 

「少年時代が幸福に思えるとしたら、それは、自分自身の正体を知らずにいることができるからだ」

 

「ミッターマイヤー、卿ともう一度、酒をくみかわしたかったな。おれは自分自身の手で、その資格をそこねてしまったが……」

 

わが友、蜂蜜色の髪をした「疾風ウォルフ」よ、卿はきっとおれのために身命を賭して、皇帝に弁護してくれるだろう。

だが、卿の善意を上まわる悪意が、皇帝とおれとに働きかけている。おれは自分の矜持のため、戦わざるをえまい。

 

「民主共和政治とやらの迂遠さは、しばしば民衆をいらだたせる。迅速さという一点で、やつらを満足させれば、民主共和制とやらにこだわることもあるまい……」

 

第六章 叛逆は英雄の特権

「わが皇帝に敗れるにせよ、滅びるにせよ、せめて全力をつくして後のことでありたいものだ」

「戦うからには勝利を望むべきだ。最初から負けることを考えてどうする。それとも、敗北を、滅亡をお前は望んでいるのか」

 

「度しがたいな、吾ながら……」

 

第七章 剣に生き……

「ミッターマイヤー、おれも卿と戦いたくはない」
「だが、あえておれは卿と戦う。なぜかと問うか? 戦って卿を斃さぬかぎり、皇帝はおれと戦ってくださらぬだろうからだ」

 

「おれは自分が何のためにこの世に生を亨けたか、長いことわからなかった。知恵なき身の悲しさだ。だが、いまにしてようやく得心がいく」

「おれは皇帝と戦い、それによって充足感をえるために、生きてきたのではなかったのか、と」

 

「疾風ウォルフの約束には、万金の値があるな」

「いや、だめだ、ミッターマイヤー。卿の身は、おれの存在などと引きかえてよいものではない。卿はつねに正道をゆく。おれにはできぬことだ。おれにできることは……」

 

「夢かもしれんが、いずれにしてもおれの夢の話だ。卿の夢ではない。どうやら接点も見出しえないようだし、もう無益な長話はやめよう」

 

「……さらばだ、ミッターマイヤー、おれが言うのはおかしいが、皇帝を頼む。これはおれの本心だ」

 

「青二才に、用兵の何たるかを教えてやるとしようか」

 

「ヤン・ウェンリーがいかに苦心したか、ようやくわかったような気がする。その真の偉大さもな」

 

第八章 剣に斃れ

「騒ぐな、負傷したのはおれだ、卿ではない」

 

「手術は好きじゃないな」
「いや、好き嫌い以上の問題だ、軍医、おれにはパジャマを着て病院のベッドで死ぬのは似あわない。そう思わんか?」

 

「心配するな。それより、軍服とシャツの着がえを持ってきてくれ。自分の血の匂いというやつは、五分も嗅いでいると飽きるものでな」

 

「ミュラーが旗艦を棄てて賞賛されたのは、激戦の渦中で指揮をつづけたからだ」
「敗れて逃げる身が、旗艦までも棄てたとあっては、オスカー・フォン・ロイエンタールの名は臆病者の代名詞になるだろうよ」

 

「そうか、案外、世のなかにはばかが多いな」

 

「きさまが民主共和政治を愚弄しようと、国家を喰いつぶそうと、市民をたぶらかそうと、そんなことは、おれの関知するところではない。だが……」

「だが、その穢らわしい舌で、皇帝の尊厳に汚物をなすりつけることは赦さん。おれはきさまごときに侮辱されるような方におつかえしていたのではないし、背いたのでもない」

 

「どこまでも不愉快な奴だったな。おれが生涯の最後に殺した人間が武器を持っていなかったとは……不名誉な所業を、おれにさせてくれたものだ」

 

「じゃまをせんでほしいな。おれは死ぬのではなく、死んでいく。その過程を、けっこう楽しんでいるところだ。おれの最後の楽しみをさまたげんでくれ」

 

「もうすこしだけ待っているがいい。望みがかなう。どうせなら、おれも、女性の望みをかなえてやりたい」

 

「古代の、えらそうな奴がえらそうに言ったことばがある。死ぬにあたって、幼い子供を託しえるような友人を持つことがかなえば、人生最上の幸福だ、と……」

 

「ウォルフガング・ミッターマイヤーに会って、その子の将来を頼むがいい。それがその子にとっては最良の人生を保障することになる」

 

「遅いじゃないか、ミッターマイヤー……」
「卿が来るまで生きているつもりだったのに、まにあわないじゃないか。疾風ウォルフなどという、たいそうなあだ名に恥ずかしいだろう……」

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 
 
 
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