「銀河英雄伝説」ヤン・ウェンリー(5~7巻)の名言・台詞をまとめていきます。
5巻 風雲篇
第二章 ヤン提督の箱舟隊
「世のなかは、やってもだめなことばかり」
「どうせだめなら酒飲んで寝よか」
「私にとっては政治権力というやつは下水処理場のようなものさ」
「なければ社会上、困る」
「だが、そこにすみついた者には腐臭がこびりつく」
「近づきたくもないね
「その疑問には、誰も解答できないだろうね」
「だけど……人類が火を発見してから100万年」
「近代民主主義が成立してから2000年たらずだ。結論を出すには早すぎると思う」
「戦略および戦術の最上なるものは、敵を喜ばせながら罠にかけることだろうね」
第三章 自由の宇宙を求めて
「テロリズムと神秘主義が歴史を建設的な方向へ動かしたことはない」
第四章 双頭の蛇
個人が勝算のない戦いに挑むのは趣味の問題だが、
部下をひきいる指揮官がそれをやるのは最低の悪徳である。
第五章 暁闇
「さしあたり、負けた後のことだけを考えておいていただきましょう」
「勝ったら、しばらくは安心できるはずです」
「その後、平和外交をおこなうなり軍備を再建するなり、それは政治家の領分で」
「軍人の口出しすることではありません」
「当然だろう」
「せっかくの年金も、同盟政府が存続しないことにはもらいようがない」
「したがって、私は、老後の安定のために帝国軍と戦うわけだ」
「首尾一貫、りっぱなものさ」
「それは正論だ」
「だが、正しい認識から正しい行動が生み落とされるとはかぎらないからね」
「ユリアン」
「吾々はチグリス・ユーフラテスのほとりにはじめて都市を築いた人々とくらべて」
「それほど精神的に豊かになったわけではない」
「だが、よしあしは別として、知識は増え、手足は伸びた」
「いまさら揺籠(ゆりかご)にもどることはできない」
「ユリアン、戦っている相手国の民衆なんてどうなってもいい」
「などという考え方だけはしないでくれ」
第七章 バーミリオン
「お前にむけて閉ざすドアは私は持っていないよ」
「はいりなさい」
「いや、私はそれほどロマンチストじゃないよ」
「私がいま考えているのは」
「ローエングラム公のロマンチシズムとプライドを利用していかに彼に勝つか」
「ただそれだけさ」
「じつはもっと楽をして勝ちたいんだが、これが今回は最大限」
「楽な道なんだからしかたない」
「……私は最悪の民主政治でも最良の専制政治にまさると思っている」
それにしても、最悪の専制は、破局の後に最善の民主政治を生むことがあるのに、
最悪の民主政治が破局の後に最善の専制を生んだことは一度もないのは奇妙なことだ。
第八章 死闘
「表現は正確にすることだ」
「ローエングラム公が何を考えているかということと、何をやっているかということ」
「この両者の間には一光年からの距離があるよ」
「良将だな」
「よく判断し、よく戦い、よく主君を救う、か」
第九章 急転
「……うん、その策もあるね」
「だけど私のサイズにあった服じゃなさそうだ」
「他人がこんなことをしたら、あほうにちがいないと私も思うだろう」
「だけど、私は結局こんな生きかたしかできないんだ」
「かえって、私の好きな連中に迷惑をしいるとわかりきっているのになあ……」
第十章 「皇帝ばんざい!」
「私が帝国に生を享けていれば、閣下のお誘いを受けずとも」
「すすんで閣下の麾下にはせ参じていたことでしょう」
「ですが、私は帝国人とはちがう水を飲んで育ちました」
「飲みなれぬ水を飲むと身体をこわすおそれがあると聞きます」
「失礼ですが、閣下のおっしゃりようは、火事の原因になるという理由で」
「火そのものを否定なさるもののように思われます」
「私は(専制政治を)否定できます」
「人民を害する権利は、人民自身にしかないからです」
「これは私がそう思っているだけで、あるいは宇宙には唯一無二の真理が存在し」
「それを解明する連立方程式があるのかもしれませんが」
「それにとどくほど私の手は長くないのです」
6巻 飛翔篇
第二章 ある年金生活者の肖像
「仕事をせずに金銭をもらうと思えば忸怩たるものがある」
「しかし、もはや人殺しをせずに金銭がもらえると考えれば」
「むしろ人間としての正しいありかたを回復しえたと言うべきで」
「あるいはけっこうめでたいことかもしれぬ」
「誰しも給料に対しては相応の忠誠心をしめさなくてはなりませんからね」
「私もそうでした」
「あれは紙でなくじつは鎖でできていて人をしばるのですよ」
「吾々は敵の堕落を歓迎し、それどころか促進すらしなくてはならない」
「情けない話じゃないか」
「政治とか軍事とかが悪魔の管轄に属することだとよくわかるよ」
「で、それを見て神は楽しむんだろうな」
「信念とは、あやまちや愚行を正当化するための化粧であるにすぎない」
「化粧が厚いほど、その下の顔はみにくい」
「信念のために人を殺すのは、金銭のために人を殺すより下等なことである」
「なぜなら、金銭は万人に共通の価値を有するが」
「信念の価値は当人にしか通用しないからである」
第三章 訪問者
「運命は年老いた魔女のように意地の悪い顔をしている」
「野に火を放つのに、わざわざ雨季を選んでする必要はない」
「いずれかならず乾季がくるのだから」
「メモなんてとる必要はないんだ」
「忘れるということは、当人にとって重要でない、ということだ」
「世のなかには、いやでも憶えていることと、忘れてかまわないことしかない」
「だからメモなんていらない」
第五章 混乱、錯乱、惑乱
「戦争の90パーセントまでは、後世の人々があきれるような愚かな理由でおこった」
「残る10パーセントは、当時の人々でさえあきれるような、より愚かな理由でおこった」
「心配しなくてもいいよ」
「何の罪やら見当もつかないが、まさか裁判なしで死刑にもしないだろう」
「ここは民主主義国家だ」
「すくなくとも政治家たちはそう言っている」
「法にしたがうのは市民として当然のことだ」
「だが、国家が自らさだめた法に背いて個人の権利を侵そうとしたとき」
「それに盲従するのは市民としてはむしろ罪悪だ」
「なぜなら民主国家の市民には、国家の侵す犯罪や誤謬に対して異議を申したて」
「批判し、抵抗する権利と義務があるからだよ」
「自分自身の正当な権利が侵害されたときにすら闘いえない者が」
「他人の権利のために闘いうるはずがない」
第七章 コンバット・プレイ
「生命のさしいれ、ありがとう」
不本意な死にかたをしいられることと、不本意な生きかたを強制されることと、
どちらがまだしも幸福の支配領域に近いと言えるのだろうか……。
7巻 怒濤篇
第二章 すべての旗に背いて
「宇宙はひとつの劇場であり、歴史は作者なき戯曲である」
「最高指導者は文民でなくてはならない」
「軍人が支配する民主共和制など存在しない」
「私が指導者なんかになってはいけないんだ」
「さあてね、両手に贈物をかかえたところにナイフを突き出されたら」
「よけようがないからね」
「イゼルローンに帰るか……」
第四章 解放・革命・謀略その他
「鷹と雀では視点がちがう」
「金貨の一枚は、億万長者にとってとるにたりないが、貧乏人には生死にかかわるさ」
「いずれ必ず枯れるからといって、種をまかずにいれば草もはえようがない」
「どうせ空腹になるからといって、食事をしないわけにもいかない」
第八章 前途遼遠
「それでは彼らは自分自身の処刑命令書にサインしたことになる」
「皇帝ラインハルトは彼らの醜行をけっして赦さないだろうよ」
「陰謀やテロリズムでは、結局のところ歴史の流れを逆行させることはできない」
「だが、停滞させることはできる」
「地球教にせよ、アドリアン・ルビンスキーにせよ、そんなことをさせるわけにはいかない」
「ユリアン、吾々は軍人だ」
「そして民主共和政体とは、しばしば銃口から生まれる」
「軍事力は民主政治を産み落としながら、その功績を誇ることは許されない」
「それは不公正なことではない」
「なぜなら民主主義とは力を持った者の自制にこそ真髄があるからだ」
「強者の自制を法律と機構によって制度化したのが民主主義なのだ」
「そして軍隊が自制しなければ、誰にも自制の必要などない」
「自分たち自身を基本的には否定する政治体制のために戦う」
「その矛盾した構造を、民主主義の軍隊は受容しなくてはならない」
「軍隊が政府に要求してよいのは、せいぜい年金と有給休暇をよこせ、というくらいさ」
「つまり労働者としての権利」
「それ以上はけっして許されない」
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。