「銀河英雄伝説」ヤン・ウェンリー(3~4巻)の名言・台詞まとめ

「銀河英雄伝説」ヤン・ウェンリー(3~4巻)の名言・台詞をまとめていきます。

 

3巻 雌伏篇

→銀河英雄伝説(ヤン、1巻)

第一章 初陣

「抵抗できない部下をなぐるような男が、軍人として賞賛に値するというなら」
「軍人とは人類の恥部そのものだな」

 

「そんな軍人は必要ない」
「すくなくとも、私にはね」

 

「一度も死んだことのない奴が、死についてえらそうに語るのを信用するのかい?」

 

「兵力の逐次投入は、この際、かえって収拾の機会を減少させ」
「なしくずしに戦火の拡大をまねくだろう」

 

「全艦隊をもって急行し、敵の増援が来る前に一戦して撤退する」

 

第五章 査問会

何十年かに一度出るかどうかという偉人に変革をゆだねること自体、
民主政治の原則に反する。

 

英雄や偉人が存在する必要をなくすための制度が民主共和制であるのだが、
いつ理想は現実に対して勝者となれるのだろうか。

 

「将兵の生命より無人の衛星が惜しいとおっしゃるなら」
「私の判断は誤っていたことになりますが……」

 

「それが非難に値するということであれば、甘んじてお受けしますが」
「それにはより完成度の高い代案を示していただかないことには」
「私自身はともかく、生命がけで戦った部下たちが納得しないでしょう」

 

 

「あれは私には珍しく見識のある発言だったと思います」

 

「国家が細胞分裂して個人になるのではなく」
「主体的な意志を持った個人が集まって国家を構成するものである以上」
「どちらが主でどちらが従であるか、民主社会にとっては自明の理でしょう」

 

「そうでしょうか」
「人間は国家がなくても生きられますが、人間なくして国家は存立しえません」

 

「無用な誤解とは、どういうものか、具体的に教えていただけませんか」

 

何か証拠があっての深刻な疑惑ならともかく」
「無用の誤解などという正体不明のものに対して備える必要を、小官は感じません」

 

第六章 武器なき戦い

「すばらしいご意見です」
「戦争で生命を落としたり肉親を失ったりしたことのない人であれば」
「信じたくなるかもしれませんね」

 

「まして、戦争を利用して、他人の犠牲の上に自らの利益をきずこうとする人々にとっては」
「魅力的な考えでしょう」

 

「ありもしない祖国愛をあると見せかけて他人をあざむくような人々にとってもね」

 

「人間の行為のなかで、何がもっとも卑劣で恥知らずか」

 

「それは、権力を持った人間、権力に媚を売る人間が、安全な場所に隠れて戦争を賛美し」
「他人には愛国心や犠牲精神を強制して戦場へ送り出すことです」

 

「宇宙を平和にするためには、帝国と無益な戦いをつづけるより」
「まずその種の悪質な寄生虫を駆除することから始めるべきではありませんか」

 

「わかりました。イゼルローンにもどりましょう」
「あそこには私の部下や友人がいますから」

 

「何にしても、わが同盟政府には」
「両手をしばっておいて戦いを強いる癖がおありだから、困ったものですよ」

 

「おっしゃるとおりです。何と言ってもイゼルローンは私の家ですからね」
「じゃあ、大尉、わが家に帰るとしようか」

 

第八章 帰還

何百年かにひとり出現するかどうか、という英雄や偉人の権力を制限する不利益より、
凡庸な人間に強大すぎる権力を持たせないようにする利益のほうがまさる。

 

それが民主主義の原則である。

 

「そうだね。私だったら、要塞に要塞をぶつけただろうね」
「どかんと一発、相撃ち。それでおしまいさ」

 

「何もかもなくなった後に、別の要塞を運んでくれば、それでいい」

 

「もし帝国軍がその策できたら、どうにも対策はなかったが」
「帝国軍の指揮官は発想の転換ができなかったみたいだ」

 

「もっとも、それですでにやられていたら、むろん対策はないんだが」
「これからその策で来る、ということであれば、ひとつだけ方法はあるけどね」

 

「気づいたな……だが、遅かった」

 

第九章 決意と野心

「これが名将の戦いぶりというものだ」
「明確に目的を持ち、それを達成したら執着せずに離脱する」
「ああでなくてはな」

 

「ルドルフ大帝を剣によって倒すことはできなかった」
「だが、吾々は彼の人類社会に対する罪業を知っている」

 

「それはペンの力だ」

 

「ペンは何百年も前の独裁者や何千年も昔の暴君を告発することができる」
「剣をたずさえて歴史の流れを遡行することはできないが、ペンならそれができるんだ」

 

「人類の歴史がこれからも続くとすれば、過去というやつは無限に積みかさねられてゆく」

 

「歴史とは過去の記録というだけでなく」
「文明が現在まで継続しているという証明でもあるんだ」

 

「現在の文明は、過去の歴史の集積の上に立っている」
「……だから私は歴史家になりたかったんだ」

 

「それが最初のボタンをかけまちがえたばかりに、このありさまだものなあ」

 

「まあ、なかなか思いどおりにはいかないものさ」
「自分の人生も他人の人生も……」

 

4巻 策謀篇

第四章 銀河帝国正統政府

だが、いずれにしても、同盟政府は責任をとらねばなるまい。
原因ではなく結果に対して……。

 

「ムライ少将……組織のなかにいる者が」
「自分自身のつごうだけで身を処することができたらさぞいいだろうと思うよ」

 

「私だって、政府の首脳部には、言いたいことが山ほどあるんだ」
「とくに腹だたしいのは、勝手に彼らが決めたことを、無理に押しつけてくることさ」

 

「思うのは自由だが、言うのは必ずしも自由じゃないのさ」

 

第五章 ひとつの出発

「現在の状況は古来から固定しているものと吾々は誤解しがちだ」
「だけど、考えてもごらん」

 

「銀河帝国なんて代物は500年前には存在しなかった」

 

「自由惑星同盟の歴史はその半分の長さだし」
「フェザーンにいたっては一世紀そこそこの歳月を経ただけだ」

 

「絶対的な善と完全な悪が存在する、という考えは」
「おそらく人間の精神をかぎりなく荒廃させるだろう」

 

「自分が善であり、対立者が悪だとみなしたとき、そこには協調も思いやりも生まれない」
「自分を優越化し、相手を敗北させ支配しようとする欲望が正当化されるだけだ。

 

人間は、自分が悪であるという認識に耐えられるほど強くはない。
人間が最も強く、最も残酷に、最も無慈悲になりうるのは、自分の正しさを確信したときだ。

 

「どれほど非現実的な人間でも、本気で不老不死を信じたりはしないのに」
「こと国家となると」

 

「永遠にして不滅のものだと思いこんでいるあほうな奴らがけっこう多いのは」
「不思議なことだと思わないか」

 

「国家なんてものは単なる道具にすぎないんだ」
「そのことさえ忘れなければ、たぶん正気をたもてるだろう」

 

軍事が政治の不毛をおぎなうことはできない。

 

それは歴史上の事実であり、
政治の水準において劣悪な国家が最終的な軍事的成功をおさめた例はない。

 

「いいか、ユリアン、誰の人生でもない、お前の人生だ」
「まず自分自身のために生きることを考えるんだ」

 

「うん……つぎに会うときは、もうすこし背が伸びているだろうな」

 

第八章 鎮魂曲への招待

まったく、世のなかには、未発に終わる計画や構想がどれほど多く存在することか。
ひとつの事実は、それに1000倍する可能性の屍の上に生き残っている。

 

ロイエンタールのような一流、あるいはそれ以上の有能な将帥の足もとをすくうには、
むしろ二流の詭計をしかけて虚をつくべきではないか。

 

「君が思いこむのは自由だが」
「主観的な自信が客観的な結果をみちびき出すとはかぎらないよ」

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

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