「銀河英雄伝説5巻(1/2)」ヤン・ウェンリーの名言・台詞をまとめていきます。
銀河英雄伝説 全15巻セット (文庫)
5巻 風雲篇
第二章 ヤン提督の箱舟隊
「世のなかは、やってもだめなことばかり。どうせだめなら酒飲んで寝よか」
「持つべきものは話のわかる上司だね」
「くえない親父さんだ……給料分以上に働かせようっていうんだな」
「イゼルローン要塞を放棄する」
「そのときは、帝国側の講和の条件として、イゼルローン要塞返還の件が持ち出されること疑いないね。そして同盟としてはその条件を呑まざるをえないだろう」
「結局のところ、イゼルローンは失われる。だとすれば、その前にくれてやっても大差はないさ」
「……せっかく費用と人手をかけて要塞をつくりながら、他人にそれを奪われた帝国軍のほうが、よほど無念だっただろうね」
「それでは遅い。帝国軍に対する勝機を失ってしまう」
「シェーンコップ少将の言いたいことはわかる。吾々は戦略的にきわめて不利な立場にあるし、戦術レベルでの勝利が戦略レベルの敗北をつぐないえないというのは軍事上の常識だ」
「だが、今回、たったひとつ、逆転のトライを決める機会がある」
「ローエングラム公は独身だ。そこがこの際はねらいさ」
「うん、まあ、なるべく期待にそいたいと思っているけどね」
「私にとっては政治権力というやつは下水処理場のようなものさ。なければ社会上、困る。だが、そこにすみついた者には腐臭がこびりつく。近づきたくもないね
「その疑問には、誰も解答できないだろうね。だけど……人類が火を発見してから100万年、近代民主主義が成立してから2000年たらずだ。結論を出すには早すぎると思う」
「目前の急務があるわけだから、まずそれをかたづけよう。夕食の用意ができてもいないのに、明日の朝食について論じてもはじまらない」
「必要なものを必要な間だけ借りた。必要がなくなったから返すだけのことさ」
「また借りるさ。その間、帝国にあずかってもらう。利子がつかないのが残念だが」
「貸してくださいと頼めば、当然、拒絶されるだろうな」
「相手はロイエンタールだ。帝国軍の双璧のひとりだ。ひっかけがいがあるというものさ」
「あまり悪い知恵をつけないでくれよ、大尉、それでなくてさえ面倒なことが多いんだから」
「戦略および戦術の最上なるものは、敵を喜ばせながら罠にかけることだろうね」
「智謀だなんて、そんな上等なものじゃないさ。悪知恵だよ、これは。まあ、やられたほうはさぞ腹が立つだろうがね」
「……それに、罠をかけた結果が必ず生かされるとはかぎらない。吾々は二度とイゼルローンを必要としなくなるかもしれないしね」
第三章 自由の宇宙を求めて
「テロリズムと神秘主義が歴史を建設的な方向へ動かしたことはない」
第四章 双頭の蛇
個人が勝算のない戦いに挑むのは趣味の問題だが、部下をひきいる指揮官がそれをやるのは最低の悪徳である。
「それにしても半日遅かった。やきがまわったとは、こういうことを指すのかな」
「あぶない、あぶない」
自分がこうしていれば事態を変えることができた、と思いこむのは、自己過信というべきではないか。今回はこれで充分と言わねばなるまい。
最悪の場合、ビュコックらが完全に潰滅させられた後、のこのこ戦場にあらわれて各個撃破の標的となる醜態をさらすという可能性もあったのだ。
「何をおっしゃいます。生きて復讐戦の指揮をとっていただかなくてはこまります」
第五章 暁闇
「(元帥を)返上するほど無欲にもなれないからもらっておくが、いまさら大してありがたくもないな。まあ、ビュコック提督のおすそわけと思うことにしようか」
「民主主義の成果を守るために微力をつくすつもりです」
「さしあたり、負けた後のことだけを考えておいていただきましょう。勝ったら、しばらくは安心できるはずです」
「その後、平和外交をおこなうなり軍備を再建するなり、それは政治家の領分で、軍人の口出しすることではありません」
「約束して勝てるものなら、いくらでも約束したいのですが……」
「もし戦術レベルでの勝利によって戦略レベルの劣勢をおぎなうことが可能であるとすれば、方法はただひとつです」
「その方法とは、ラインハルト・フォン・ローエングラム公を戦場で倒すことです。ラインハルト・フォン・ローエングラム公は独身です。私のねらいはそこになんです」
「彼らを何らかの方法で分散させ、各個撃破をかさねていけば、鋭気と覇気に富むローエングラム公のことです、私を討伐するために自ら出馬してくるでしょう」
「その機会をつくらねばなりません。それが唯一の勝機です」
「まあ戦略や戦術というより心理学の問題ですがね、こいつは」
「まあ、ミッターマイヤーとロイエンタールのふたりは、なるべく避けて通るとしよう。彼らにこだわっていては全体の効率が悪くなる」
「やあ、ユリアン、見てくれよ。わが心のごとく、かつ現今の世情のごとし、さ」
「当然だろう。せっかくの年金も、同盟政府が存続しないことにはもらいようがない。したがって、私は、老後の安定のために帝国軍と戦うわけだ。首尾一貫、りっぱなものさ」
「帝国軍の駆逐艦を、どんな魔法を使って乗っとったんだ? 軍事機密とはいっても、私になら教えてくれるだろう?」
「ふむ、応用か。特許をとっておくべきだったかな。年金プラス特許料で……」
「なに、(イゼルローンに)罠をしかけはしたがね、ごく簡単なことさ」
「(ペテン)けっこう、最高の賛辞だ」
「それは正論だ。だが、正しい認識から正しい行動が生み落とされるとはかぎらないからね」
「ユリアン、吾々はチグリス・ユーフラテスのほとりにはじめて都市を築いた人々とくらべて、それほど精神的に豊かになったわけではない」
「だが、よしあしは別として、知識は増え、手足は伸びた。いまさら揺籠(ゆりかご)にもどることはできない」
「これが成功したとしても、それが歴史に対してどのような意義を持つのか、私には疑問なんだ」
「つまり、ラインハルト・フォン・ローエングラム公を武力によって倒し、帝国軍を分裂させることは、さしあたり自由惑星同盟にとっては有益だ」
「だが、人類全体にとってはどうだろう」
「帝国の民衆にとっては、あきらかにマイナスだ。強力な改革の指導者を失い、その後は政治的分裂、悪くすれば、いやほぼ確実に内乱がおきるだろう。民衆はその犠牲になる」
「まったくひどい話さ。こうまでして、同盟の目先の安泰を求めなきゃならんのかな」
「ユリアン、戦っている相手国の民衆なんてどうなってもいい、などという考え方だけはしないでくれ」
「いや、あやまることはないさ。ただ、国家というサングラスをかけて事象をながめると、視野がせまくなるし遠くも見えなくなる」
「できるだけ、敵味方にこだわらない考えかたをしてほしいんだ、お前には」
第六章 連戦
「後背(に敵)というと、どのていどの距離だ? 時間的距離でいい」
「では二時間で敵を破り、一時間で逃げ出すとしようか」
「ミスター・レンネンか」
「敵が射程距離にはいる直前に、主砲を三連斉射、その後、ライガール星系方面へ逃走すること。ただし、ゆっくりと、しかも整然と」
「これでまた私を憎む未亡人や孤児が何十万人かできたわけだ。すべてを背おいこむのは、ちと私の肩には重いな。地獄へ一回堕ちただけですむものやら……」
「ばかなことを言うんじゃない。お前には天国へ行ってもらって、釣糸で私を地獄からつりあげてもらうつもりなんだ。せいぜい善行をつんでおいてほしいな」
「ローエングラム公の怒りと矜持も、そろそろ臨界点に達しただろう。物資も長期戦をささえるほどの量はない。近日中に、全軍をあげて大攻勢に出てくるはずだ」
「おそらく、これまでにない苛烈な意志と壮大な戦法をもって……」
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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